CDN(Contents Delivery Network)とは?
CDNとは、Webページやアプリケーションにおける音楽や動画などのリッチなコンテンツを、高速かつ安定的にユーザに配信するために形成された仕組みのことです。世界中に配置されたCDNサーバを通じて、ユーザにとって最も物理的な距離が近いCDNサーバからコンテンツが配信されるため、タイムラグが発生しないようになっています。
CDNサービス導入のメリット
以下ではCDNサービスを導入することで期待できるメリットをご紹介します。
①表示時間の短縮でアクセス数UPを見込める
CDNは、インターネット上のページ表示速度の遅延を解決するサービスです。特に海外向けにWebサービスやアプリケーションを展開している場合、現地でアクセスした際に表示されるまでに時間がかかってしまうと、ユーザ離脱の大きな原因となります。
Webページの表示までの反応が0.1秒遅れると売上が1%下がり、0.5秒遅れるとアクセス数が20%ダウンし、1秒遅れると顧客満足度は16%下がる、といったデータも出ているほど、コンマ1秒単位で表示速度をあげるための努力が現在では必要とされているのです。
上記のデータでも表れているように、インターネットのユーザは、少しでも表示するまでに時間がかかれば過敏に拒否反応を示し、ネガティブなイメージを持ちます。海外でのユーザ数、ひいては売上やシェア数等を確保していきたい場合、表示速度を速めることはとても重要なのです。
CDNサービスを利用すれば、オリジンサーバを介さずに、アクセスしたユーザから物理的に最も近いロケーションに配置されたサーバを通じてコンテンツ配信がなされるため、ユーザはタイムラグを感じることなく、快適にアクセスし、サイトやアプリケーションを閲覧することができます。
②オリジンサーバへの負荷を軽減できる
従来ではサーバやネットワーク回線などのITインフラ設備は、Webサイトやアプリケーションへのアクセスのピーク時を考慮し、その際の負荷を想定した上で整備しておく必要がありました。
現在、スマートフォンなどの普及に伴い、ユーザのWeb利用率は非常に高くなってきています。同時に、企業側もWebの重要度が高まり、キャンペーンなどの多くのマーケティング施策がWeb上で実施されるようになりました。この状況において、Webサイトへのアクセスはピーク時の負荷想定が困難になり、また平常時とピーク時の差も大きくなっています。サーバなどのインフラをピークに合わせる対応は非効率、または非常に難しくなっているのです。
しかしCDNサービスを利用すれば、サーバに負荷がかかりやすいコンテンツ配信を、自社で管理するオリジンサーバからではなく、事業者から提供されるCDNサーバをから行うことができます。この結果オリジンサーバへの負荷を分散・軽減させることができ、ピーク対策や無駄のないスリムな設備投資が可能となるのです。
③DDoS攻撃への対策ができる
DDoS攻撃とは、ネットワークを通じたインターネット攻撃手法のことです。標的となるサーバに複数のコンピュータから大量の処理負荷を与えることで、システム機能の停止状態へと追い込むという攻撃のことです。DDoS攻撃を受けた場合、自社のオリジンサーバのみでサービス運営をしていると、その負荷に耐え切れず、停止の危機に追い込まれてしまいます。
このような場合、CDNサービスを利用していれば、世界中に分散されたCDNサーバがオリジンサーバを攻撃から守り、身代わりとなって攻撃を吸収します。この結果、攻撃を受けたとしても安定的なコンテンツ配信が可能となるのです。
まとめ
インターネットでの情報検索や商品購入が当たり前となった現在では、Webサイトが重たい、正常に開かないというだけで、企業は信頼を失うことにつながってしまいます。CDNサービスはこのような機会損失を回避するためのサービスなのです。CDNサービスを利用して、アクセス数の波や海外からのアクセス等に左右されない、安定したサイト運営を目指しましょう。