【図解】データセンターの構成・設備とは
データセンターは以下のような構成になっています。建築構造、セキュリティ、電力などのさまざまな面から、大切なデータを守る設備が施されています。
データセンターの設備を確認する場合は、以下のようなポイントに注目してみましょう。
- 1.災害に耐える建築構造
- 2.非常時の電力供給設備
- 3.ラックのスペックとコストパフォーマンス
- 4.防火・空調設備
- 5.万全なセキュリティ
- 6.ネットワークの冗長性
ここからは、データセンターにおける設備や構成要素について順番に解説します。
1.災害に耐える建築構造
日本で考えられる大きな災害といえば地震です。どのデータセンターでも被害が最小限にとどめられるように強度の高い耐震構造で設計されています。
もっとも安全性の高い免震構造
建物と地盤の間に地積ゴムなどの装置を介入し、建物自体の揺れを軽減させる構造です。これによって建物内の被害が最小限に抑えられます。
地積ゴムだけでなく、大きな減衰力を発揮するオイルダンパーや、地震の加速を抑える直動転がり支承を組み合わせているデータセンターは更に安全性が高いでしょう。
耐震構造
太く頑丈な柱や梁で建築されており、建物自体が衝撃に耐えられるように作られている構造です。建物自体が地震のエネルギーを吸収するため、建物が損壊するまでには至らなくても建物内の被害は地震の規模と比例するという特徴があります。サーバ室やラックのみに免震機能を設置するなど、工夫をしているデータセンターもあります。
以下の記事では、データセンターにおける災害対策について詳しく解説しています。
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2.非常時の電力供給設備
データセンターでは災害時にも電力がストップすることなく、安定して供給される機能を備えています。
UPS(無停電電源)
電力会社からの電力供給がストップしたことをデータセンターの受電装置が検知し、UPSが電力供給を開始する設備です。電力供給時間は製品により異なりますが、通常は数分から数十分かかります。この間に自家発電設備が稼働し、電力供給の準備を行うという仕組みです。
自家発電設備での電力供給時間
電力供給時間は、自家発電設備の燃料タンクの容量に依存します。燃料タンクが大きいデータセンターでは、無給油運転での連続運転は約72時間です。それ以降は燃料の補給がされなければ継続して電力供給できません。
つまり、長い電力供給を可能にする条件としては、以下のポイントが重要です。さらに、万が一の故障に備え、自家発電機は一台以上あることが理想です。
- ●燃料タンクの大きさ
- ●燃料配送の優先契約
- ●災害時に燃料を運ぶための交通ルートが遮断されないエリア
3.ラックのスペックとコストパフォーマンス
サーバを格納するラックの容量、最大搭載重量、電力供給量を大きくすることで、コスト削減が実現します。比較的新しいデータセンターでは、ラックのスペックを上げることで、従来は3ラックに分散していたサーバを2ラックに集約し、コストパフォーマンスを上げることに成功しています。
4.防火・空調設備
防火や空調もサーバに配慮された設備になっています。
防火設備
火災報知器の数十倍の感度で火災を検知する火災予兆システムという機能も出ています。また消火設備には、サーバおよび人体に影響がなく、地球環境にも配慮された窒素ガスを使用した消火機器が安全でしょう。
空調設備
水冷式空調は、効率よく高い冷房能力を発揮します。外気冷房システムは省エネ効果があるでしょう。また災害時に備えて無停止空調システムが導入されているデータセンターもあります。現在ではPUEと呼ばれる電気効率をよくするために、さまざまな空調方式も出てきています。
5.万全なセキュリティ設備
有人受付、セキュリティゲート、監視カメラ、24時間有人の警備体制に加え、生体認証(静脈認証)装置が導入されています。
指静脈認証は、もっとも導入されている生体認証装置です。指の内部にある静脈パターンを読み込んで、個人を特定します。静脈パターンはたとえ双子であっても違うため、高いセキュリティ効果が見込まれるでしょう。
さらに入口からサーバ室までには何重ものセキュリティチェックが行われ、入館者それぞれにセキュリティレベルの設定がされています。サーバ室の入口は、入室記録がないと退室できないアンチパスログ方式や、一つ目の扉を閉めないと次の部屋に進めないインターロック方式なども組み込まれ、さまざまな設備や方法でサーバの安全を守ります。
6.ネットワークの冗長性
ネットワークの冗長性とは、スイッチやルーターを複数を設置し、災害時に備えて少しでも多くの回線ルートを準備しておくことで、一つのルートが遮断された場合も他のネットワークを確保できている状態を指します。
センター内の回線を複数回線にしておくことに加え、データセンターへのアクセス回線のケーブルを複数回線に分けて引き込むことで、災害時に一つのルートが遮断されてしまっても、他のルートで回線を通してネットワークに接続できます。
また通信ビルに直結しネットワークを直接引き込んでいるデータセンターや、通信会社が運営するデータセンターは災害時のネットワーク切断のリスクを最小限に抑えられるでしょう。
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