債務管理・債権管理システムの選定ポイント
自社に適した債務管理・債権管理システムを選び、業務効率化を実現するためには、以下の4つのポイントを確認しましょう。
- ・債権債務の実態にあわせた機能の有無
- ・会計ソフトや他業務ソフトとの連携状況
- ・複数会計基準の適用可否
- ・複数拠点の管理を実現するネットワーク
- ・コストは見合っているか
それぞれの選定ポイントを詳しく解説します。
債権債務の実態にあわせた機能の有無
債務管理・債権管理システム導入のきっかけの多くは、売掛・買掛金の支払状況や滞留状況の正確な把握と、管理業務の効率化です。導入の際は、基本機能となる売掛・買掛はもちろん、ほかに管理すべき債権債務にはどのようなものがあるのかを洗い出すことからはじめます。
手形・小切手取引、外貨による取引、社債の発行などは、システムによって対応状況に差があります。これらの取引の発生が予想される企業においては、導入検討の際にそれらの取引のための機能があるか否かを、オプションを含めて調べておきましょう。
会計システムなどの他業務システムとの連携状況
債務管理・債権管理システムは、仕訳の消込のため、会計ソフトと並行して稼働させるのが一般的です。そのためシステム選定の際には、既存の会計ソフトとデータ連携できることが重要な条件といえます。
また、仕入や販売による売掛・買掛が発生する卸売・小売業の販売管理システム、製造業の生産管理システム、原価計算ソフト等、各種の業種にあわせた業務システムとともに、債務・債権システムを導入するケースも多いようです。ERPシステムの導入や入れ替えとともに、債務管理・債権管理システム構築を検討することも必要でしょう。
複数会計基準の適用可否
会社規模が大きくなると、税務申告のために必要となる決算書のほか、会計基準に基づく財務報告が必要な場合があります。
債権・債務の計上時期などについては、税務基準と財務会計基準が異なることがあるため、各会計基準で債権・債務額が正確に算出でき、各会計基準における債権・債務の状況を管理・閲覧、比較できるか否かも選定ポイントの一つです。
複数拠点の管理を実現するネットワーク
債務・債権管理システムの導入が大きな効果を発揮するのは、支社や支店などの債権債務状況を本社で一括管理する企業です。
その場合、各拠点をつなぐネットワーク環境に適応するシステムを選ぶ必要があります。複数拠点管理が目的の企業は、SaaSなどのクラウド型サービスの導入を検討するケースが増えています。
自社に適した債務管理・債権管理システムを導入しよう
エクセル管理では負担の多い債権・債務管理業務。取引が増えるほど業務が煩雑になるだけでなく、属人化のリスクも否めません。自社の実情にあわせて必要な機能を洗い出し、最適なシステムを導入しましょう。複数製品の資料を請求し比較してみるのがおすすめです。