債務管理・債権管理のシステム導入した後の4つのステップ
ステップ1 会計システムと連携させる
債務管理・債権管理システムの導入後には、まず会計システムと連携をさせる必要があります。買掛金の支払いや売掛金の回収といった債務・債権の変動を仕訳にも反映しなければならないからです。
そのため債務管理・債権管理システムの多くは、他の会計システムとの連携を前提に設計されています。またベンダーによる導入サポートのひとつとして、システム間の連携設定を行うケースも目立ちます。
しかしながら、取引先ごとの仕訳の取り扱いや帳簿類への記載内容などのルールは企業ごとに異なります。そのため、実務での運用に則った細かな設定についてはユーザー側で確認をして必要な設定変更を行う必要があります。
ステップ2 各拠点のシステムを連携させる
企業規模が大きく多数の拠点を抱えている場合には、拠点ごとの債務・債権状況を正確に把握することは容易ではありません。
しかし多くの債務管理・債権管理システムでは、複数拠点の債務・債権状況をリアルタイムで一括管理することが可能です。そのため、債務管理・債権管理システムの導入後には各拠点でシステム設定を行い本部で状況を逐一確認できる環境を構築しましょう。
導入したシステムがクラウド型債務管理・債権管理システムである場合には、オンプレミス型システムと比べて比較的容易に拠点間連携をはかることができます。
ステップ3 キャッシュレス化を進める
経理業務の中でも、現金の取り扱いには特に神経をつかいます。それだけに現金管理を行う経理担当者には、日々かなりの作業時間と相当なストレスがのしかかっているのです。
そのため、債務管理・債権管理システムを活用して経理業務における現金取り扱いの割合を可能な限り減らす必要があります。たとえば一部の債務管理・債権管理システムでは、従業員に対する経費の仮払いや精算などの仕訳や支払処理をシステム上で自動的に実行できるものもあります。
このようなシステムを活用すれば、日々発生する経費精算作業をキャッシュレス化し業務効率を向上させることができます。
ステップ4 FBの活用で振込漏れを防ぐ
債務管理・債権管理システムでは、インターネット回線などを利用して金融機関への振り込みなどを行えるFB(firm banking、ファームバンキング)を利用できます。そのため、振込などを行う際に必要となるFBデータを作成しましょう。
たとえば従業員の口座情報などをFBデータとしておくことで、システム上で振込を行うことが可能となります。そのため給与支払いなど一度に大量の振込処理が必要な場合であっても漏れなく確実に、かつスピーディーに処理を完了することが可能となります。また取引先の口座情報もFBデータ化することで、買掛金の振込漏れなどを未然に防止することができます。
経営の安定性向上にもつながる4つのステップ
今回ご紹介した「他システムとの連携」「拠点間の連携」「キャッシュレス化の推進」「FBの活用」という4つのステップに取り組むことで、債務管理・債権管理システムの持つメリットを活かし業務の効率を向上させることができます。
加えて、システム導入後に今回取り上げた4つのステップに取り組むことで、自社の資金繰りをリアルタイムで確実に把握できるようになります。そのため4ステップへの取り組みは、経営安定性の確実な向上にもつながるのです。