デスクトップ仮想化の導入を成功させる重要ポイント
重要ポイント1.アプリケーションの整理
デスクトップ仮想化を導入するにあたって、大きく分けて要点が2つあります。まず1つは、クライアント(端末)側です。
業務を遂行するには、市販のアプリケーションや自社製のアプリケーションなど、いろいろなアプリケーションを使用し、また部署ごとに共通項もあれば、違うアプリケーションが複数あるケースも考えられます。
これらを隅々まで把握し、デスクトップ仮想化するにあたって、何処までインストールするか検討する必要があるのです。導入後、「あれがない」「これがない」となると、業務に支障が生じます。
更に例えば磁気カードリーダーなど、特殊なインターフェースを接続している業務はデスクトップ仮想化が難しくなります。
ベースとなる仮想PCは1種類となるのが理想的ですが、先に挙げたように、部署によってバラバラの場合、いろいろな対処方法が考えられます。
重要ポイント2.完全に整理できなかった場合の対処方法
まず、デスクトップ仮想化を導入するにあたって、アプリケーションを完全に整理し、一本化が図れればベストです。ただなかなかそうも行かない、もしくは、整理するには業務フローの変更など、影響が多岐に及ぶ可能性も否定できません。これではそもそも論として本末転倒となってしまいます。
次に、可能な範囲でアプリケーションを整理した上で、部署ごとにマストなアプリケーションもインストールし、ユーザーによって利用可能・不可のコントロールを行うことです。ON/OFFのパーミッションを設定したベーシックなプロファイルを複数用意し、ユーザーごとに適応すれば管理もさほど煩雑になりません。
しかし、部署や業務で必要としているアプリケーションが、あまりにも違いが大きい時にはどうすればよいでしょうか?こうした場合の最終手段としては、業務に応じてベースとなる仮想PCを複数用意するという対応が現実的です。
しかし、こうしたケースでは用意しなければならない仮想PC環境の数が増えれば増えるほど、サーバ側の運用面が煩雑になり、費用対効果という面でメリットが感じられないということにもつながりやすいのです。
どの程度アプリケーションを整理するかが、デスクトップ仮想化成功にとって、大変重要なキーワードの1つになるわけです。
重要ポイント3.サーバ本体の運用は誰がするか
もう一つはサーバ側です。説明するまでもなく、デスクトップ仮想化を導入するにはサーバを用意する必要があります。ただサーバの管理・運用と言っても、ハードウェア、OS、その上で動く仮想PCと、大きく分けて、3つのレベルがあります。
先にあげたクライアントの一括管理を行うには、仮想PCの管理は自社で行わないと意味を持ちませんが、ハードウェアとOSに関しては、全く異なるスキル、そして人材が必要となります。
重要ポイント4.サーバなどのインフラはクラウドサービスも視野に入れる
サーバの運用管理に関して100%自社で行うこともできますが、クラウドサービスを使うことも可能で、多くのクラウド事業者がサービス提供しています。もちろん後者の場合、コスト面を無視しても、セキュリティ、安定性など、いろいろな意味での信頼性が問題になりますので、事前に入念な調査をしなければなりません。
一般的にクラウドサービスの信頼性は非常に高く、同様の信頼レベルのシステムを自社で構築し、また、保守などシステムを維持するため、相応のエンジニアを配置する人件費などを考えると、クラウドサービスは非常にコストパフォーマンスが高いといえます。
とはいえ、デスクトップ仮想化最大の欠点は、サーバが止まれば何もできないことにあります。この心臓部とも言えるサーバの管理を誰が何処まで責任分担するのか。この部分をしっかり見極める必要があるでしょう。