セキュアなファイル転送サービスの必要性
メールがビジネスの重要なコミュニケーションインフラになるにつれて、いくつかの課題が現れてきました。その1つに添付ファイルの扱いがあります。
問題点1:添付できる容量に限りがある
ファイルを添付して転送できるのは便利なのですが、容量に限りがあります。個人のメールボックスの容量やネットワーク帯域に影響を与えるため、数MBに制限している企業がほとんどです。
しかし、音声や画像ファイル、ページもののドキュメントになると、その容量を簡単に超えてしまいます。仕方なくCD-ROMやDVDにコピーして郵送することになりますが、これでは業務が煩雑になり、生産性に影響します。
問題点2:無料のファイル転送サービスへの不安
無料のファイル転送サービスを利用する方も多くいます。広告が表示されるものの、大容量のファイル転送に適しています。しかし、無料サービスにはセキュリティの保証がありません。内部統制の観点から、それまで野放しであった無料ファイル転送サービスを禁止する企業が増えてきました。
問題点3:セキュリティへの不安
無料ファイル転送サービスに加え、メールへのファイル添付自体にもセキュリティの不安があります。個人情報を含むものや契約書など機密情報を含むファイルの添付を禁止する企業もあります。
問題なく利用することのできる有料ファイル転送サービス
これら添付ファイルの代替として導入されているのが、有料のファイル転送サービスです。送信者がファイルを専用サーバにアップロードし、受信者がその専用サーバからダウンロードできるサービスです。
大容量の画像ファイルでも非常に高速にダウンロードすることができます。デザイン関係の業務であればクライアントとのやり取りなどに高速なファイル転送は必須といえるでしょう。
ファイル転送サービスの機能
ファイル転送サービスは、専用サーバをオンプレミスで自社内に構築することもできますし、クラウド上のサーバを利用することもできます。また、サーバをアプライアンスで導入することも可能です。このファイル転送サービスの主な機能を、セキュリティを中心に説明しましょう。
主なセキュリティ機能
基本的にファイルのやり取りは暗号化が施され、第三者には解読できないようになっています。
さらに、以下のような機能が搭載されています。
- ■ユーザごとのパスワード
- ■送信権限の制限
- ■受信相手のアドレス制限(フリーメールの禁止)
- ■ダウンロード回数の制限
- ■送信内容の履歴管理
- ■送信ファイルのアーカイブ保管
- ■監査ログ機能
これらの機能は、企業のセキュリティポリシーに合わせて運用できるようになっています。
誤送信対策を備えているサービスもあります。確認ステップの挿入、ダウンロード用パスワードを送信者に通知する機能、誤送信があった場合はパスワードを通知せずファイル公開を取り消す機能、上長承認機能(上長の承認後に相手に受取通知メールを発信)などが用意されています。
その他便利機能
さすがに有料サービスらしく、洗練された操作性を実現しています。送信したいファイル、フォルダをドラッグ&ドロップで選択できるのはもちろん、複数の宛先へそれぞれ異なるファイルを自動送信できます。
スケジュール設定により、送りたい日時を予約することもできます。大量のファイルを業務時間外の深夜の時間帯に毎日バッチ処理を設定することも可能です。また、送信途中にエラーが発生した場合は未送信部分から再送信でき、海外など通信が不安定な地域への大容量ファイル送信も可能となっています。
オンラインストレージとして使用できるサービスもあります。この場合も、一定時間で自動消去する機能を選択できます。管理機能が充実していることも有料サービスの特徴です。ユーザ管理はもちろん、Active Directoryなど社内の認証サーバとの連携が可能となっています。
ファイル転送サービスを比較・検討しよう!
利便性とセキュリティを両立させたファイル転送サービス、今後も導入する企業が増えると予想されます。今回紹介した機能は主にセキュリティ機能でしたが、製品によってさまざまな機能があり、費用も異なります。
ファイル転送サービスにご興味のある方は、一度製品を比較してみてはいかがでしょうか。