ハウジングサービスを選ぶ大前提
業種、業態を問わずに活用されているハウジングサービス。しかしながら、「自社で構築し、運用管理しているサーバを預ける」というのが、そもそもホスティングサービスなどとは異なる点。つまり、下記のような“理由”があるからこそ、ハウジングサービスが選択肢とならなければなりません。
- ●自社でサーバを構築、運用管理しなければならない
- ●現在、利用しているサーバをそのまま使い続けなければならない
そうでなければ、ホスティングやクラウド型で提供されているPaaSなどを活用するという選択肢もあることでしょう。まずは上記を前提として、ホスティングサービスを導入するには次のようなポイントがあると考えられます。
- ●災害対策(BCPも含む)
- ●電源・空調工事のコスト、スペース節減、消費電力量削減など
- ●セキュリティ対策(不正アクセス、侵入窃盗など物理的な被害も含む)
では、具体的にどのようにこれらのポイントが決め手となるのか、ケーススタディで見ていきましょう。
ポイント1:「災害対策」を理由に選んだA社
県内に数多くの店舗を持っている物流業のA社。昨今、その情報は増加するとともにますます複雑になってきており、店舗の売上情報や配送情報、仕入れ情報、顧客情報など、サーバ数台で基幹システムや業務データを管理していました。
これまで自社でサーバを管理していたものの、取引先が災害によりデータを消失。これを目の当たりにし、自社の対応も早急に行わなければならないと考え、サーバを安全な環境で管理することを考えました。
その時に候補に挙がったのが、ホスティングサービス、ハウジングサービス、クラウド型のシステムの3種。その中でも、自社サーバとシステムをそのまま安全な環境に移すことができるとしてハウジングサービスを採用。免震構造で火災等への備えもあるデータセンターにサーバを移行し管理することになりました。
ポイント2:「コスト削減・コスト最適化」を理由に選んだB社
ソーシャルゲームの開発・提供を行うB社。事業拡大とともにサーバの台数十数台に増加することになりました。ストレージなども含めると、その設置に場所や空調設備なども必要になりました。
また、今後セキュリティ対策の一環として、入退室管理も徹底できるようサーバ室が必要と考えましたが、見積もりを取ると1,000万円を超えることが判明。現在の自社の予算はオーバーしてしまうことが判明しました。
そこでサーバの設置場所としてハウジングサービスを採用。初期コストと月々当たりのラック代金、電気料金で済ませることができ、コスト削減に成功しました。また、業務の拡大・縮小が激しいこの業界だけに、必要に応じて設備の増減が容易に行えることで、コストの最適化にもつながることがメリットとなりました。
ポイント3:「セキュリティ対策」を理由に選んだC社
DMやチラシなどの制作・発送を行うC社。昨今、大手企業の情報漏洩などが起きたことから、世間の眼が厳しくなり、顧客からも高度なセキュリティ対策が求められるようになりました。
これまで社内のサーバで顧客情報などのシステムを管理していましたが、大手企業の情報漏洩のケースではUSB経由という手法だったことからも、物理的にサーバが社内にある状況ではリスクを避けきれないと考えました。
そこで、24時間365日の警備が可能で、入退室管理も徹底しているハウジングサービスの利用を決定。安全な環境にて顧客データを含め、システムを管理できるようになりました。
事例から自社での導入イメージを考えよう!
ハウジングサービスを選んだポイントの事例をご紹介しましたが、この事例を参考にして自社での活用イメージを考えましょう。また、ハウジングサービスを選定の際は、選定ポイントの把握だけでなく利用予定のデータセンターの見学に行くことも重要です。是非自社での導入を検討してみてください。
ハウジングサービスの導入目的見る選定ポイントを知りたい方は以下の記事をご覧ください。