ジョブ管理とは?
ジョブ管理とは、プログラムやバッチ処理などの「ジョブ」を管理することです。システムの運用管理では、この処理を自動化させ、定義・実行・監視するジョブスケジューラが活用されています。
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ITシステムを持つ企業の課題
企業におけるITシステムでよく聞かれるのが「導入時の初期コストよりも、運用にかかるコストの比重が大きい」ということです。
「見えないコスト」への負担
システムによって運用開始後にも毎年ライセンスが必要になるソフトウェアがあったり、ハードウェアの保守費用がかかったりという面もありますが、大きな負荷として挙げられるのは、運用管理のための人件費でしょう。これが「見えないコスト」となって、企業の負担となっています。
運用管理には、もともと定期的に行われるもの(バックアップ、再起動、ファイル転送など)と、不定期に発生するイベントの際のメンテナンス作業(トラブル対応やシステム改修時)の2種類があります。
定期的に行われるものであっても、日中に業務を止めることができない場合は、深夜帯や本来は休業日である週末に作業を行うといったことから、運用管理者やオペレーターに負荷もかかり、ここでの人件費が大きな課題となっている企業も多くあります。
人為的ミスの発生リスク
運用管理を管理者の人手で行うことは、コスト以外での課題も発生します。特にトラブルに対して緊急で対応しなければならないといったケースでは、定められた手順に従っているつもりでも、ついつい操作ミスをしてしまうということは往々にして存在します。
システム運用の属人化・ブラックボックス化
また、特定の管理者の経験則による対処を繰り返していると、システムの運用が属人化してしまったりブラックボックス化したりという話もよく耳にします。担当者の退職や異動により、システム運用が成り立たなくなるのは、企業にとって大きな痛手になるはずです。
ジョブ管理のメリット
「ジョブ管理ツール」を導入することにより、人手を介さずに運用自動化ができるため、以下のようなメリットがあります。
- ●人件費を最小限に抑制
- ●作業ミスの防止
- ●システム運用の可視化
また、緊急時の対応なども自動化されることにより、ミスの防止だけでなく最短時間での対応完了ができるようになるため、ユーザ視点に立つと「サービスレベルの向上」というメリットもあるのです。
ジョブ管理ツール選定の2つの側面
ジョブ管理ツールは場面によって、必要な機能が異なります。ツールに必要な機能を2つの側面から紹介します。
1.定期的に行う作業の自動化
例えば「業務終了後の深夜帯にバックアップをとる」という作業を人手で介して行うと、その作業負荷を考えると月に1回程度しか行えない…という実運用になりがちです。しかし、ジョブスケジューラの機能を持つツールによって自動化されているならば、毎晩バックアップをとることが可能になります。
この他にも「定期的にサーバを再起動させるための電源のON/OFF」、「毎月同じタイミングでメンテナンスのレポートをアウトプット」といった、システム運用や管理にともなう業務を自動化することで、オペレーターの数を減らしたり、本来の業務に集中してもらうことが可能になります。
より効率的に作業するためには、これらの機能の有無を確認しましょう。
2.不定期・緊急時の作業の自動化
この場合は、システムの監視を行える機能が必要になります。監視ツールで検知したトラブルがどのような内容であるかにより、通知すべき管理者に検知内容をアラートとして上げたり、障害の対応までも自動化するというものです。
このためには、検知内容の緊急性や影響範囲なども考慮して、事前に業務の実行手順(フロー)を定義しておく必要があります。現状でも緊急時の対応はフロー化されているかと思いますが、ツールによってフローが明確になっていれば、最小の時間での対応が可能になるわけです。
それだけに、ジョブ管理ツール選定では、フローの定義がしやすいかも大きなポイントになります。
システム運用を効率化するためには統合的なツールを!
ジョブ管理ツールは、プログラムやバッチ処理などの「ジョブ」を自動で処理することができます。しかし、システム運用全体を効率化するのであれば、ジョブ管理の機能も持った「統合運用管理システム」をおすすめします。
ツールを活用して、安定したシステム運用を実現してはいかがでしょうか。
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