ペーパーレス化の5つ成功事例
ここでは、ペーパーレス化に成功した5つの事例をご紹介します。企業や自治体、学校などでペーパーレス化が進んでいるようです。
事例1.中学校の職員会議をペーパーレス化!聞き漏らし防止にも効果あり
ある中学校では、業務効率の改善を目的に教職員向けにタブレット30台を導入しました。中学校では生徒の授業プリントや宿題など紙に印刷する機会が非常に多く、印刷コストの削減が課題となっていました。そこでまずは教職員が使用する紙の量の削減から着手することになったのです。
これまで教員が参加する職員会議では当日の議題や参考資料などを全員分印刷していました。しかしタブレットを導入することで、クラウドに共有された資料を見ながら会議を進めることができるようになり、印刷コストの削減に加えて会議内容の聞き漏らし防止にも効果を発揮しているそうです。
事例2.地方議会をペーパーレス化!段階的な導入が成功の鍵
ある地方議会での成功事例です。「議会」というぐらいですから会議が仕事の中心です。会議では膨大は紙資料が消費されており、で集計したところ年間10万枚を超える紙が使われていました。紙代はもちろん、印刷自体にもコストがかかります。プリンターや機密書類用のシュレッダーのメンテナンス費も自治体予算を圧迫していました。
当初会議のペーパーレス化には、多くの議員が難色を示しました。若い世代が多くなっているとはいえ、それぞれにITリテラシーの差があり、特に多くの議員が苦手としているのが、キーボード操作でした。
そこで自治体が注目したのがタブレットPCです。キーボード操作をなくしたスマートフォンライクな操作で、ページめくりや拡大縮小ができます。まずはいきなり本会議ではなく委員会で試験的に導入し、その成功を踏まえて徐々に拡大していきました。
事例3.企業の役員会議をペーパーレス化!リアルタイムな情報共有に活用
中小企業でもペーパーレス化成功の事例があります。ある商社ではものを流すだけではなく情報の流通も重要視しており、お客様への情報提供や、社内での情報共有を円滑に行う必要がありました。
そこで同社では営業担当にタブレットPCを携帯させ、それまで手書きだった報告書を完全にデジタル化しました。マネージャ層や役員クラスへも配布し、外出先でも営業担当からの報告を受けて適確な指示ができる体制を整ったのです。
また役員会議にもタブレットPCを持参させ、7割近くの資料をデジタル化しました。役員の年齢層は高めでしたが、タブレットPCは好評で、指先で操作する利便性が認められました。役員会議でのペーパーレス化の成功により、同社では自然とペーパーレス会議が一般的になっていきました。
事例4.地道な社内教育でペーパーレス化!社員の意識の持ち方が重要
ペーパーレス化のメリットは、多くの社員が理解しています。しかし理解と実行は別物で、どうしても電子データを紙に印刷してしまうことが多くあります。ある出版社では、原稿確認のための印刷が多く見られました。原稿量が多いと印刷コストもかかります。
検討の末、同社では徹底した印刷抑制策を導入することになり、部課ごとに印刷できる枚数を制限しました。いきなり大幅に制限するのではなく、3年計画で順次減らすことにしました。同時にペーパーレス化の必要性について社内教育を開始し、社員のペーパーレス化への意識を高める努力をしたのです。
現在は不必要な印刷が減って経費削減が進んでいます。更なるコストカットを目指して、同社では会議のペーパーレス化を検討中とのことです。
事例5.専用システムでペーパーレス化!自治体のITリテラシーも向上!
ある自治体では、老朽化したPCの入れ替え時にタブレットのように画面のタッチ操作ができる薄型ノートPCを導入しています。
自治体では職員のITリテラシーの向上を目指して、身近な会議のペーパーレス化を行うことになりました。単にクラウドストレージに電子資料を保存するだけでもペーパーレス会議は実現できますが、この自治体の場合は専用のペーパーレス会議システムを導入しました。
会議専用システムのため会議直前の資料差し替えや会議後の資料一括削除が簡単に実施でき、特に職員に好評なのが画面に映った資料へのレーザーポインター機能だそうです。
跡の残らないレーザーポインターツールは、スクリーンに資料を投影してプレゼンをするのと同じ感覚で使用できるため、紙資料で会議を行っていたときと利便性は変わらないとのこと。積極的にシステム活用をすることで、職員のITリテラシーも少しずつ向上しているそうです。
ペーパーレス化を成功させる方法
ここまでペーパーレス化を成功させた事例をご紹介しました。これらの事例から分かるペーパーレス化成功のポイントをまとめました。
タブレットをいかに使いこなすか
ペーパーレス化を浸透させるには代替手段がどうしても必要です。PCだけだと一覧性に乏しく、外出先でも利用できず、ペーパーレス化に効率化に疑問を抱く社員も多くなっていきます。成功した事例をもとに、誰でもが扱えるタブレット端末を導入すると良いでしょう。
しかし、導入すれば必ず成功するというわけではありません。使い方をしっかり身につけるようにサポートしていく体制を構築しておくことが重要です。社員が使いこなせるまでには時間がかかるかもしれませんが、長期的な目線で見ると重要なポイントです。
試運転や教育を繰り返し行う
ペーパーレス化に導くことは企業・自治体文化を変えることであり、非常に難しいと言えます。活用の仕方によっては、コミュニケーションが失われるなどのデメリットもあります。ペーパーレス化は長い時間をかけて実現するべきと念頭におくべきなのかもしれません。
途中で挫折することになく、様々な方法を試していくことが重要です。
会議以外のペーパーレス化に役立つシステム
ペーパーレス化の対象になるのは、会議だけではありません。
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他社事例を知り自社のペーパーレス化を進めよう
理想どおりには進まないペーパーレス化ですが、企業や自治体、教育現場でも確実に成功事例が増えています。ペーパーレス化はコストカットや業務効率の改善に効果を発揮し、世間のIT化にも後押しされています。時間をかけて取り組みましょう。
ペーパーレス会議について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。