選定ポイント1 妥当なコストで導入できるか
プロジェクトの効率をアップし品質を向上するプロジェクト管理ツールですが、効果を得るためにどの程度の費用をかけるべきなのか、導入前に十分に検討しておく必要があります。プロジェクト管理ツールには無料のものから数百万円のものまで各種ありますが、その費用は、2つの契約形態によって大きく変わってきます。
高価だが自由度が高いパッケージ型
費用:数十万から数百万円(導入時)
システムを自社で買い取り、自社のサーバでソフトウェアを運用するタイプのプロジェクト管理ツールです。機能やインターフェースについては自由度が高く、幅広くカスタマイズすることができます。
もちろん、ユーザー数の制限もないので、メンバーの追加も自由に行えます。自由度が高い反面、アップデートやバックアップも自社内で行う必要があるので注意が必要です。
安価だが制限の多いクラウド型
費用:無料から数十万円程度(月額)
月額契約費用を支払って利用する、クラウド型のプロジェクト管理ツールも多数登場しています。システムを自社サーバに導入する必要がないため、申し込み後即利用できるなど、導入のスピードも魅力です。
バックアップやアップデートも運営会社の方で行ってくれる反面、運営システムにトラブルが起きると使用不可となってしまう可能性も。また、メンバーの追加に制限がある場合も多いので、注意が必要です。
見えない導入コストに注意!
パッケージ型、クラウド型のどちらを導入するにしても、気をつけるべきなのが「見えない導入コスト」です。
- 「導入担当者の人件費や利用する社員への教育費」
- 「システムのメンテナンス費用」
上記のような業者から提出される見積金額には記載されない、さまざまなコストが発生することも念頭において、無理なく導入できるツールを選びましょう。
選定ポイント2 PMBOKに対応しているか
PMBOKとは、プロジェクト管理の参考・基準になる知識体系のことです。このPMBOKにツールが対応していることで、プロジェクトをうまく進めることができ、QCDを達成するサポートにもなります。
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選定ポイント3 必要な機能が揃っているか
プロジェクト管理ツールにはさまざまな機能があります。
- ■タスク管理
- ■リスク管理
- ■案件管理
- ■ガントチャート
- ■コミュニケーション機能
どんな機能が必要でどういう運用を行っていきたいのかをしっかりと洗い出しましょう。また、必要な機能がすべて揃っていることはあまり期待できないため、必要な機能にも優先順位を付けて選定を行います。
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選定ポイント4 誰もが活用できて使いやすいか
プロジェクト管理ツールで生産性を高めるためには、ツールの使い勝手はとても大切なポイントになります。複雑で使いづらい、操作性が悪いプロジェクト管理ツールでは、効率化されるべき作業が逆に非効率化され、活用率も下がってしまうケースもあります。
プロジェクトメンバーの誰もが簡単に操作できる管理ツールを選ぶために、チェックすべき項目は、以下の通りです。
- ●ガントチャートなど基本機能を直感的に操作できる
- ●ドラッグ&ドロップが使える
- ●ワンクリックで画面や機能の切り替えが可能
- ●他ソフト(Word、Excelなど)と同じショートカットキーが使える
- ●入力項目の編集や削除が自由に行える
操作性の良し悪しの判断には個人差がありますが、最低限上記の項目を確認しておくことが大切です。また、操作性を確認するために、導入決定に先駆けてツールの試用(無料版体験など)ができれば活用しましょう。
また、サポート体制が充実していることも、操作性と合わせて重要なポイントです。「電話、メールでの問い合わせが可能か?」「アドバイスやコンサルティングは受けられるか?」「マニュアルは分かりやすいか?」をチェックしておきましょう。
選定ポイント5 セキュリティとバックアップ体制は万全か
プロジェクトの大切なデータを扱うプロジェクト管理ツール選定の際には、システムのセキュリティとデータのバックアップ体制についても確認しておく必要があります。
大切なデータを守るために、プロジェクト管理ツール導入前に以下の点を確認しましょう。
- ●データをやり取りする通信はSSLなどで暗号化されているか
- ●データの保存場所はどのような所か(クラウド型の場合)
- ●データに適切なバックアップ体制は取られているか
- ●外部からの不正なアクセスを遮断するファイヤーウォールなどは導入されているか
どんなにスケジュール管理が効率化されても、大切なデータが流出したり、紛失してしまったのでは、プロジェクト管理ツール導入の意味がありません。見落としがちなポイントですが、セキュリティとバックアップ体制は入念にチェックしておくべきなのです。
ポイントを抑えてプロジェクト管理ツールを比較!
プロジェクト管理ツールはどのような要件が必要なのかによって利用する機能が違うので、さまざまな製品が存在し、無料のツールも存在します。選定の際には、機能の確認はもちろん、5つのポイントをおさえて、プロジェクトにマッチする最良のツールを選びましょう。