勤怠管理アプリとは?
勤怠管理アプリとは、その名の通り勤怠管理を行えるモバイルアプリのことを指します。PCでの利用が中心である勤怠管理システムの付属機能としてアプリ版が提供されている場合と、アプリでのみ提供されている場合がありますが、そのどちらも出退勤の打刻を行えることに差はありません。
アプリには大きく、Webアプリとネイティブアプリの2種類があります。Webアプリとは、インターネットを使って使用するタイプのアプリのことで、ネイティブアプリとは、スマート端末にインストールして使うタイプのアプリです。一般的に、Webアプリはインターネット回線の速度に、ネイティブアプリは端末の性能によってパフォーマンスが左右されるといわれています。
主な機能
勤怠管理アプリの基本的な機能は、以下の4つです。
- ・出退勤時間の打刻
- ・欠勤・休暇の申請
- ・残業時間の管理
- ・給与計算 ※製品によっては給与計算システムと連携が可能なものも
他にも、スマートフォンに搭載されているGPS機能を使って打刻時の位置情報もあわせて記録できるものもありますが、アプリでのみ提供されている勤怠管理アプリの中には、個人利用を想定しているものもあるため、欠勤・休暇の申請機能や給与計算機能がついていないアプリもあります。
勤怠管理アプリのメリットは?
適切な勤怠管理を行える勤怠管理アプリには多くのメリットがあります。ここでは、2つの大きなメリットをご紹介します。
- ■メリット1.オフィスにいなくても打刻ができる
- 近年、労働時間の管理などコンプライアンス順守の重要性が高まっています。しかし、例えば外出が多い営業担当者が直行直帰をしたり、在宅勤務・サテライトオフィスといったテレワークを行ったりする場合など、社内でしか打刻できない状態では、正確な勤怠管理を行うのは難しいでしょう。クラウドを利用した勤怠管理アプリであれば、打刻のためだけにオフィスにいなくても、インターネットにつながってさえいればどこでも出退勤時刻を記録できます。
- ■メリット2.労働時間の集計の手間を削減。ミスの抑止も
- アプリ版に限らず勤怠管理システム全体に言えることですが、労働時間の集計や給与計算システムへの反映といった業務を効率化できます。とくに不規則な労働時間制度を採用している場合、1か月間の総労働時間を計算する際にどうしても人事担当者の手動計算が必要となり、手間がかかってしまうこともあるでしょう。また、ミスを完全に防ぐことも非常に難しいといえます。勤怠管理システムやアプリを使えば、労働時間の集計を自動的に行ってくれるため、こういった課題の解決につながります。
勤怠管理アプリの選定ポイントは?
勤怠管理アプリのメリット・デメリットが理解できたら、次は最適なアプリを選ぶためのポイントを把握しておきましょう。押さえるべきポイントは以下の4点です。
自社の就業規則、雇用形態、勤務形態に対応可能か
デメリットでも述べましたが、自社の就業規則などに対応していないシステムでは、十分なメリットを受けることは難しいでしょう。そのため、シフト制や変形労働時間制などをはじめとした自社の就業規則に対応できるシステムを導入することが重要なポイントです。
自社で利用中の、他システムと連携できるか
勤怠管理アプリと給与計算システムを連携できれば、労働時間、時間外労働時間、休日出勤日数などのデータを自動的に給与計算システムに反映することができます。API連携やCSV出力などの機能があれば、大幅な業務効率化につなげることができるでしょう。給与計算システムの他には、人事管理システムや人事評価システムなどとの連携について確認してみてもよいでしょう。
セキュリティ対策は取られているか
情報漏えいや不正侵入などの対策が取られているか、バックアップはどのように行われているかという点については、事前に確認しておくことをお勧めします。例えば月中で勤怠情報が改ざんされたり、消失してしまったりすると、正しい労働時間の集計ができなくなってしまう恐れがあります。情報セキュリティマネジメントシステムを導入しているか、ISO27001を取得しているかなどを目安として選定するとよいでしょう。
従業員にとって使いやすいシステムか
勤怠管理アプリは従業員が毎日利用するものであるため、従業員が使いやすいアプリを選ぶことが重要です。どんなに高機能であっても、毎日の出退勤データが入力されないのでは導入した意味がなくなってしまいます。導入する際には、従業員が打刻しやすいアプリを導入するとよいでしょう。
勤怠管理アプリにはデメリットがあるものも
便利でメリットもある勤怠管理アプリですが、特にアプリ単体で提供されているものの中には注意が必要なものもあります。以下に想定されるデメリットと注意点をまとめましたので、事前に把握しておきましょう。
自社の就業規則に対応していないと活用しきれない
アプリによっては、不規則な労働時間に対応していない可能性もあります。シフト制や変形労働時間制などを採用している企業の場合、自社の就業規則に対応していないシステムを導入してしまうと、正しい労働時間を人力で計算する必要があるため、システムを導入するメリットを感じにくくなってしまうでしょう。場合によっては、システムが時間外労働時間の計算を正しくできず、思わぬトラブルにつながってしまう恐れもあります。
アプリによってはセキュリティのリスクがある場合も
中には、セキュリティ対策をしっかりと行っていないアプリもあるかもしれません。そういったシステムを導入してしまうと、従業員の労働時間データなどが外部に漏れてしまうリスクもあります。勤怠管理アプリを導入する前には、セキュリティ対策がしっかりと取られているものなのか事前に十分検証する必要があるでしょう。
アプリを消去するとデータが消える
勤怠管理アプリ単体で出退勤データを記録するタイプの場合、アプリを削除してしまうとデータも消えてしまいます。クラウドなどへのバックアップ機能がついていれば、最終バックアップ時点まではデータを復旧できますが、それ以降のデータはやはり消えてしまいます。
法律改正などに対応しきれない場合も
法律が改正されたときなどの対応も保証されていない場合があるため、例えば時間外労働の割増賃金率が変わった時などに対応されないと、正しい残業代を計算することが難しくなってしまいます。
勤怠管理システムに付属したアプリなら安心
勤怠管理システムに付属したアプリならば、これらのデメリットの解消につながります。勤怠管理システムの専門会社が提供しているため、高機能であることが多くあります。柔軟な勤務体系にも対応できたり、セキュリティレベルも一定以上保証されています。アプリで打刻した時点で出退勤時刻がシステムにも記録されているため、アプリを間違って削除してしまったとしても、データ消失の心配はありません。法改正などへの対応についても、保守の範囲内であることが多いため、特別な対応を取る必要はないでしょう。
まずは試してみたい方!無料お試しも
勤怠管理システムの中には、無料トライアル期間を設けているシステムも多くあります。従業員にとって使いやすいアプリであるかどうかが定着の要になりますので、気になる製品があれば一度試してみるとよいでしょう。
ITトレンドで人気のクラウド勤怠管理アプリ5選!
ではここで、ITトレンドで2017年にユーザーから資料請求された勤怠管理アプリの上位5製品をご紹介します。製品選びの参考にしてみてください。
第1位:勤怠管理システム ジョブカン
20,000社以上の導入実績、あらゆる従業員規模の企業に導入可能な勤怠管理アプリ。GPS機能を使って打刻可能など、モバイル端末に備わっている機能を勤怠管理に活用しています。
第2位:タッチオンタイム
63万人以上が利用している勤怠管理システムです。スマートフォンでシステムにログインして打刻、スマートフォンで位置情報と合わせて打刻が可能です。専用のタイムレコーダーもあり、従業員が普段PCを利用しない環境でも導入できる勤怠管理アプリです。
第3位:勤怠管理 KING OF TIME
モバイル用に最適化されたページが用意されているため、打刻画面をブックマークしておけば、すぐに打刻が可能です。あわせてGPS打刻も可能であるため、直行・直帰などの虚偽報告を防ぐことができます。
第4位:jinjer(ジンジャー)勤怠
利用者だけではなく、管理者側の画面についてもスマートフォン・タブレット対応しており、全社員がいつでも・どこでも利用可能。勤怠管理だけではなく、シフト管理もクラウド上でリアルタイムに行えます。
第5位:バイバイタイムカード
1000人以上の企業規模でシェアNo.1の勤怠管理システムです。打刻時にGPS機能を用いた位置情報の記録だけではなく、QRコードをスマートフォンで読み取ることで出退勤の記録ができるなど独自の機能も備えています。
まとめ
勤怠管理アプリを用いることで、外出、直行・直帰が多い営業担当でも正確な労働時間の把握ができるようになります。ただ、中には勤務体系など自社の状況に対応していないものもありますので、機能一覧や対応している打刻方法など、気になるポイントは事前に提供会社に確認してみましょう。