ステップ1.BIツール導入の目的を明確にする
その他のツールにも共通することですが、BIツールは一つのツールにすぎません。BIツールを導入したらシステムが自動的に分析や提案を行ってくれるわけではないのです。BIツールで実現したいことや、現在の課題を整理して、BIツール導入の目的を明確にし、優先度をつけておきましょう。
経営者、マネージャー、一般社員と立場によって求める情報が異なります。誰がどのような情報を求めているかを把握することで、必要な機能も自ずと見えてきます。
ステップ2.データベースとの連携設定を確認しておく
BIツールのメリットの一つは、異なるシステム間のデータを横断して分析できることです。せっかくのデータも、データ同士の連携ができなければ活用できません。社内にある既存のETL(Extract/Transform/Load)やDWH(データウェアハウス)との相性は、BIツール導入前に必ず確認しておきましょう。
ここがうまくいかず、BIツールをリプレイスするというケースも多いのです。入念に行っておけば、ベンダーなども絞りやすくなります。新規導入なら、DWHの機能をもったBIツールという選択肢もあるでしょう。
ステップ3.運用ルールを具体的に決めておく
実際にBIツールを使って出した分析指標を見るのは経営者であることが多いですが、設定をするのは情報システム部門になるでしょう。
BIツールは、要求される情報をいかに見やすく、いかに簡単に取り出せるかがカギです。ここがうまくいかないと、高機能な分析機能をうまくアウトプットできない、あるいは情報システム部門に非常に負担がかかってしまうといった問題が発生してしまい、結局、単一的な情報のやりとりになってしまう恐れもあります。
情報システム部とBIツール利用の目的を共有したり、欲しいデータについて十分に摺り合わせをしたりすることが大切です。また、利用するメンバーと情報システム部の担当者の異動などに備えて、記録や引き継ぎも欠かさずに行いましょう。
ステップ4.PDCAを回しながら改善を続ける体制を作る
「PDCAをしっかり回せる体制を構築できるか?」ということです。BIツールからの情報を経営改善などに使うと、新たな指標が欲しくなったり、新たな角度からの情報が欲しくなったりします。
このような情報を確実に得るためには、柔軟にPDCAを回せる体制が社内にあり、かつBIツールもそれに応じて対応できるかどうかにかかってきます。大きな変更は情報システム部に依頼を行う必要がありますが、簡単な修正や変更は現場でもできるようなシステムを選ぶことも重要です。
ステップ5.ユーザー研修を開催し利用方法を周知する
BIツール導入後、スムーズに利用してもらうためには、ツールの利用方法をしっかり社内教育することが大切です。世代や普段関わっている業務によっては、ITシステムの使用が不得意な人もいるでしょう。
そのような人たちにもBIツールを積極的に利用してもらうためには、研修やセミナーを社内で開いて実際に操作してみてもらうのが一番です。社内で使用するにあたってのマニュアル(手順書)を作成し配布することができれば、研修後も利用を継続してもらいやすくなるでしょう。
万全な導入準備でBIツールの効果を最大化しよう
BIツール導入時には、今回紹介した5つの点を入念に準備・確認することで、導入効果を最大化することができます。
特に「どんな目的でBIツールを導入するのか」という点は、製品選定の際にも確認していると思いますが、改めて社内に周知することが大切です。社内からの十分な理解が得られていないままツールを導入しても、思うように利用が進まない場合があります。
BIツールは製品を選定したら終わりではなく、実際に運用していく体制を整えることが重要です。この記事を参考に十分な準備を行ってください。
その他、導入を成功させるためのポイントについては以下の記事を参考にしてください。