DMP導入のメリット
まずはDMPの導入によって得られるメリットを見ていきましょう。
マーケティングのデータを一元化できる
DMPとは「Data Management Platform」のことであり、社内のマーケティングに活用するデータを一元管理できます。
マーケティングに課題を抱えている企業の多くは、社内のデータ管理に課題があります。マーケティング・営業・企画開発といった部署ごとにデータを管理していることが多いです。
このように社内データが散在していると、それぞれの情報が活かされないでしょう。DMPを活用すれば、マーケティングに必要なデータを一元管理し効率化を図れます。
顧客の行動を把握できる
DMPでデータを一元管理することにより顧客の行動を把握しやすくなります。メールの開封や本文中のURLのクリック、問い合わせといった行動をデータとして管理可能です。
また、Webサイトに訪問しているユーザーに上手くタグ付けができれば、Web上の行動も把握できるでしょう。つまり、ユーザーの属性などの個人情報だけでなく、何に興味を持っているのか知ることが可能です。
このような顧客に関する膨大な量の情報を、DMPで管理・分析することで、マーケティング活動を最適化できます。
新しい顧客・ターゲットを発見できる
DMPで膨大な量のデータを管理することで、自社商品・サービスに興味を持っている新しい顧客を発見できます。既存顧客の情報を集めて効果的なアプローチをすることも可能ですが、得られた情報を分析すると新たなターゲットも見えてくるでしょう。
分析結果によっては、自社が想定していないターゲットを狙った方が成果に結びつくこともあります。このように、DMPは戦略を考える際にも有効でしょう。
PDCAを早く回すことができる
DMPを活用すればPDCAを早く回すことができるため、目の前の課題を改善しやすいです。マーケティング活動は上手くいかないケースの方が多いため、長期的に継続して改善していかなければなりません。
そこでDMPを利用すると、何をどのように改善したら良いか判断できる情報を手に入れられます。例えば、自社のウリよりも顧客が求めている機能を中心にPRするだけで結果は変わるかもしれません。このようにDMPを有効活用していれば、改善に繋がる対策を考えやすくなります。
DMP導入時に注意するポイント
つづいて、DMPの導入時に注意すべきポイントを見ていきましょう。
導入目的を明確にする
DMPを導入するときには、DMPを使って何を実現したいのか明確にすることが重要です。さまざまな種類のデータを扱うDMPは、運用する方針や目的を決めておかないと迷走してしまうことも少なくありません。
目的を絞って利用するデータを選ばなければ、導入効果は得にくいでしょう。結果として高い費用を出して導入したDMPを使いこなすことができず、失敗に終わってしまいます。
適切なコストなのかを検討する
DMPを導入・運用に必要となるコストが、自社にとって適切かどうか判断しなければなりません。導入費用が高いだけでなく、専任の担当者を採用してDMPを運用すればランニングコストも大きくなります。
DMPを導入すれば業務効率化によってコスト削減と売上アップが見込めるでしょう。しかし、導入効果と必要になるコストのバランスを検証しなければなりません。売上の規模が小さい業界・企業であれば、得られる売上に対してDMP導入のコストが大きくなることが多いです。
このように便利なはずのDMPを有効活用できない場合もあるため、導入する際は慎重に検討する必要があるでしょう。
ツールや組織と連携させる
DMPを導入するときは、既存のシステムや組織と連携できるかどうかを確認してください。
さまざまなデータを収集・管理できるDMPですが、対象となるデータがなければ有効活用できません。対象となるデータが既存システムで管理されている場合、DMPとの連携が必須となります。
例えば既にシステムを使って広告配信を行っていれば、広告配信システムと連携しなければなりません。
DMPの種類によって、機能だけでなく連携できるツールも異なります。自社がDMPを導入して何を実現したいのかを明確にし、必要なデータを連携できるツールを選ぶことが大切です。
また、マーケティング部門だけでなく、営業部門やクリエイティブな部署でもDMPを活用するため、部署間の連携も大切です。また、DMPを使いこなすためには専門的な知識や技術が必要になります。社内で誰が担当するのか部署をまたいだ運用体制を整えることも重要でしょう。
どのような企業がDMPを導入するべきか
基本的に自社のマーケティング活動に課題を感じており、データ分析や業務効率化を行いたい企業がDMPを導入するべきです。
DMPを導入しても短期間で効果が出るわけではありません。データを管理・マーケティングに活用・広告配信などの実施という流れで活用し、結果を分析して改善します。この改善を行うサイクルを繰り返す必要があるため、短期間では効果が見込めないのです。
そのため、中・長期的に顧客とのコミュニケーションを構築したい企業は、DMPを導入することがおすすめです。また、自社で扱っている商品の数が多い場合や、Webサイトのトラフィックが多い企業も有効でしょう。
このような企業はDMPで活用できるデータを多く保持しているため、有効活用しやすいです。
DMPは社内の基盤となるプラットフォームであるため、複数の部署で使われます。そのため、DMP導入に対して社内の意見が一致している企業であることも必要でしょう。
DMP導入での成功事例
最後に、DMPの導入の成功事例を見ていきましょう。
サイトのクリック率が増加
DMPを導入したことで、サイトに表示しているクーポンなどの広告のクリック率が増加した例があります。一般的にDMPを導入することでWebサイトの効率化を図れる企業は多いです。
DMPで管理している顧客の行動を分析し、広告を表示するタイミングを改善することでクリック率が上昇します。特にWebの場合は、広告表示のタイミング変更が容易なため、効果が出やすいコンテンツといえるでしょう。
実際にDMPで収集・分析したデータにより、既存の施策を改善しクリック率が15倍に改善できたケースもあります。
このようにDMPを有効活用すれば、マーケティング戦略を立てやすくなり、失敗する確率も低くなるでしょう。
ブランドを横断した相互送客が実現
1つの会社で複数のブランドを持つ企業では、ブランドを横断した戦略をとることで新しいファンを増やした事例もあります。
パブリックDMPを活用すれば、他のサイトで顧客が何に興味を示したのかを把握することができます。類似する自社サイトの広告を、適切なタイミングで表示させることでファン拡大が見込めるでしょう。
DMPのデータを分析することで、自社の各ブランドのターゲットが明確になります。ターゲットが類似する複数の自社ブランドの広告を同時に表示させることで、ブランドを横断したマーケティングが可能になります。
DMPの導入により効果的なマーケティング施策の実施を!
DMPを導入することでマーケティング活動を効率化できるといったメリットがあります。顧客の行動を把握し、新しい顧客を獲得することやPDCAを素早く回すことも可能です。
DMPを導入するときは目的を明確にして費用対効果を検証しなければなりません。他にも既存のシステムと連携できるかどうかも確認してください。自社に最適なDMPを導入して、効果的なマーケティング施策を実施しましょう。