統合開発環境(IDE)とは?
まずは、統合開発環境の概要を見ていきましょう。
複数のソフトウェアを統一して利用できる開発環境のこと
統合開発環境とはテキストエディタ・コンパイラ・デバッガなどを、一つのソフトウェアにまとめたものです。
ファイル管理が容易になるため、複雑化した案件にも柔軟に対応できます。Gitなどと連携すれば、プロジェクトメンバー間で作業内容を共有可能。製品によっては、プロジェクト管理・バージョン管理・ビルド機能・デバッグ支援機能なども搭載されています。
フレームワークとの違い:効率化する対象
統合開発環境は開発環境を効率化し、フレームワークは開発工程を効率化します。
フレームワークは、アプリで汎用的に利用される基本構造をパッケージ化してあります。個別に開発・実装すべき部分が減るため、開発工数を削減できます。Webアプリケーション用の「Ruby on Rails」「Spring」「Bootstrap」などが有名です。
統合開発環境(IDE)を利用するメリットは?
統合開発環境を利用するメリットは何でしょうか。以下で、詳しく見ていきましょう。
自動補完機能で正確性が向上する
統合開発環境は途中までの入力内容から、タグ・メソッド・プロパティなどを予測変換してくれます。予測結果から該当のコマンドを選ぶだけなので、打ち間違いなどを防止できます。
構文エラーチェック機能で文法ミスの発見が早まる
構文エラーとは、スペル間違いやデータ型の定義ミスなどの場合に発生するエラーのことです。一つでも発見されれば、プログラムが正常に動作しなくなります。
統合開発環境によるエラーチェックなら、目視では確認しにくいような構文ミスも発見できます。エラー箇所があれば、入力途中であっても赤線やエラーメッセージなどで知らせてくれます。
フリー製品もある!おすすめの統合開発環境(IDE)7選
ITトレンド編集部では多くの統合開発環境をリサーチし、おすすめ製品を7種類厳選しました。ぜひ比較検討の参考にしてください。
Eclipse
IBMによって提供されているフリーの統合開発環境です。javaでの開発に対応しています。拡張性が非常に高く、プラグインを導入すればC++・PHP・Perl・C#・Python・Ruby・JavaScriptなども利用できます。また、自作プラグインの開発も可能です。
Android Studio
Googleによって提供されている、Androidアプリ用の統合開発環境です。予測変換機能付きのテキストエディタ・高機能ビルドツールなど、開発を効率化させる豊富な機能が用意されています。Androidアプリの開発・リリースまでを簡略化したい方におすすめです。
PaizaCloud
クラウド型の統合開発環境です。ギノ株式会社が提供。Java・JavaScript・MySQL・Perl・PHP・Python2, Python3・Ruby on Railsなど、幅広い言語に対応しています。ブラウザを開くだけで環境を構築できるため、初心者にもおすすめです。
IntelliJ IDEA
チェコのJetBrains社によって提供されているjava用の統合開発環境です。Java・Scala・Groovy・Clojure・Kotlinなどに対応しています。Python・HTML・JavaScript・MySQLなどは使えません。
Xcode11
Appleが提供している、IOSアプリ用の統合開発環境です。Macintoshを利用している場合、Mac App Storeからフリーでインストールできます。対応言語はSwiftで、独自パッケージのの開発も可能です。
Visual Studio
Microsoftが提供している、フリーの統合開発環境です。Android・iOS・Mac・Windows・Webなど、あらゆるOSのアプリを開発できます。DataCampでは、RやPythonなどを習得可能です。4,000以上の拡張機能を備えた、高機能テキストエディタも搭載しています。
Atom IDE
Pythonでのアプリ開発におすすめな統合開発環境です。GitHubが提供。基本的なデバッグ機能を備えており、個別パッケージのインストールも可能です。言語パッケージを導入すれば、JavaScript・C#・Java・PHPなども利用できます。
統合開発環境を導入し、スムーズにプログラミングを進めよう
統合開発環境はテキストエディタ・コンパイラ・デバッガなどの機能を、一つにまとめたものです。
いくつかの作業を一つのソフトウェア上で完結できるため、開発業務の効率化が期待できます。工数を減らせるフレームワークと併用することで、作業コストを大幅に削減できるでしょう。自動補完や構文エラーチェックなど、構文ミスを減らせるような工夫も豊富です。
自社に合った統合開発環境を導入し、効率的にアプリを開発しましょう。