ECM(Enterprise Contents Management)とは?
ECMとは、Enterprise Contents Managementの頭文字をとった略語で、文書をはじめとする企業内のさまざまなコンテンツの管理を意味します。
ECMは、文書管理システムの発展形といわれます。文書管理システムの対象が文書だけなのに対して、ECMは文書・画像・動画・音声など幅広いコンテンツが対象です。さまざまなコンテンツ情報をタグ付けやファイル分けで整理・保存するほか、検索機能を用いて素早く探し出す機能も備えています。
ECMの導入メリット5つ
ECMの導入により享受できるメリットは5つあると考えられます。まず一元管理やセキュリティ管理を徹底できるため「コンプライアンスの強化」につながるでしょう。ついで、多重バックアップによる「事業継続性の向上」もメリットの一つとして挙げられます。情報の検索性が高まることで「生産性の向上」がもたらされ、アクセス可能な情報の増加による「ナレッジの迅速な共有」や「コンテンツ価値の向上」も期待できるでしょう。
ここからは、ECMでできることや期待できる効果、メリットについて詳しく解説します。
1.コンプライアンスの強化
ECMの導入で自社のコンプライアンスを強化できます。アクセス権限を設定できるうえ、SDカードやUSBなどに分散していたコンテンツを一元管理できるようになります。部外者のコンテンツへのアクセスを未然に防げるでしょう。
また、アクセス履歴も残せます。アクセス履歴の確認により、不正なアクセスや操作がないかをいち早く確認・特定できます。履歴を取られていることが抑止力として働き、不正の防止にもつながるでしょう。
2.事業継続性の向上
自社内の情報資産をデジタル化し、長期間に渡って管理することは、事業に継続性をもたらします。ECMで自社の情報資産を管理することで、有事の際の情報漏えいを防止できます。
ECMは、情報資産を一元管理する中で多重バックアップを取るため、災害対策としても有効でBCP策定・運用における強い味方になるでしょう。
3.生産性の向上
情報の検索に業務時間の大部分を使うことはよくあるでしょう。紙媒体で文書を保存すると、膨大な紙資料の中から必要な情報を探さなければなりません。また、ファイルサーバでの情報管理は、情報量が増えるにつれてサーバが重くなるため検索スピードが落ちます。また情報が拠点や部署で分散している場合、情報入手にかかる時間は一気に増えるでしょう。
ECMは情報の一元管理だけではなく、情報の整理・検索まで行えます。検索が迅速化するため、必要な情報に無駄なくアクセスできます。さらに、情報をファイルごとに仕分けたり、タグをつけたり、整理しやすくできるため、関連情報へのアクセスが効率化するでしょう。結果として業務の生産性向上につながります。
4.ナレッジの迅速な共有
自社内の情報を一元管理することで、触れる機会がなかった他の部署や拠点の情報にアクセスできるようになります。
ナレッジの共有が進むことで個人のもつスキル・ノウハウが増え、社員のスキルアップにつながるでしょう。社員のスキルアップが顧客へ提供できるサービスの価値向上をもたらし、売上が拡大することも容易に想像できます。
5.コンテンツ価値向上
ECMによってコンテンツへのアクセス性が高まり、検索されずに埋もれていた情報も活用の機会が増えます。コンテンツの利用機会が増えることで、自社内の資産としてのコンテンツの価値が向上します。
ECMを導入して自社コンテンツの有効活用を!
ECMの導入により、自社の情報・コンテンツを適切に保護・運用できることで、業務効率化や売上の増加が期待できます。さらに近年ではERPやSCMと連携可能な製品も登場しているため、ECMでできることはますます拡大するでしょう。メリットを理解したうえでECMを導入し、自社がもつコンテンツの有効活用を目指してはいかがでしょうか。