パスワード認証を行う上での4つの課題
これまで、PCなどの業務用端末ではパスワード認証によって安全性を確保することが一般的でした。しかしパスワード認証による業務用端末の管理では、下記に挙げるような課題を解決する必要に迫られます。
1. 月に1度は新たなパスワードを考えなければならず、パスワード更新作業が面倒
2. パスワードを忘れる、または変更期限を過ぎて端末にログインできなくなる社員が少なくない
3. 業務上必要な複数のパスワードを記憶しなければならない
4. 異動や退職した社員の端末のパスワードが不明な場合に初期化に多大な時間が必要となる
電子認証の4つのメリット
そして、こうしたパスワード認証の抱える課題は電子認証システムの活用によって克服することができます。電子認証システムには、下記4つのメリットがあるからです。
メリット1. パスワード変更の手間から解放される
PCなどの業務用端末でパスワード認証を採用している場合には、1〜3ヶ月に1度程度はパスワードを変更しなければなりません。そのためユーザーは、定期的に新たなパスワードを考えパスワードを再設定する必要があり、面倒です。
しかし電子認証では、ICカードをカードリーダにかざすかUSBトークンを端末に差し込むだけで端末にログインできます。したがってユーザーは、定期的にパスワードを再設定するという面倒な作業から解放されます。
メリット2. 変更期限切れなどによるログイン失敗が発生しない
パスワード認証では、設定したパスワードを忘れてしまった場合には当然その端末を利用できません。また管理システムでパスワード変更期限を定めている場合、その期限を超過した場合にも端末にログインできなくなってしまいます。
しかしICカードやUSBトークンで端末にログインできる電子認証システムでは、こうした事態は発生しません。そのため、端末にログインできないことによる業務遅延の発生を防止することができます。
メリット3. ひとつのICカードやUSBトークンで複数の端末を利用できる
パスワード認証の場合、情報セキュリティの徹底を考慮すると端末やファイルサーバごとに異なるパスワードを設定する必要があります。そのため、業務を遂行する上ではいくつものIDやパスワードを記憶しなければなりません。
しかし電子認証システムの中には、ひとつのICカードやUSBトークンで複数の端末やサーバにアクセスできるシングルサインオン機能を利用できるものもあります。こうしたシステムでは自身のPCなどで電子認証を行うだけでアクセス権限のある他の端末やファイルサーバにもアクセスできるため、業務をより効率的に進めることができます。
メリット4. 管理用ICカード・USBトークンで初期化も簡単
電子認証システムで利用するICカードやUSBトークンについては、各ユーザーに配布するカードやトークンの他に管理者用のカードやトークンを作成することも可能です。そしてこうした管理者用のカードやトークンを使うことで、端末の初期化なども容易に行えるようになります。
高性能な認証機構を低コストで導入できる電子認証
このように電子認証を導入することで、これまで主流であったパスワード認証での課題を解決することができます。
また最近では、ICカードリーダやUSBトークンも安価で導入できるようになりました。さらに電子認証とパスワード認証を組み合わせることで、セキュリティ性能を一層向上させた認証システムも登場しています。そのため今後、電子認証を活用する動きはさらに活発化すると予想されます。