クラウド型メール暗号化ツールを導入するメリット
クラウド型メール暗号化ツールには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
低コストで導入・運用できる
クラウド型では、導入や運用をサービスベンダーに一任できます。自社で行うべきことは最小限で済むため、コストが低いのが特徴です。
オンプレミス型であれば、サーバの導入から管理、運用まで、すべて自社で行わなければなりません。したがって、高額な初期費用やランニングコストがかかります。一方、クラウド型は初期費用が無料あるいは低価格で、毎月の月額利用料のみで運用可能です。
製品ラインナップが多い
自社に適した製品を選ぶためには、いくつかの商品を比較する必要があります。その際、比較できる製品が多いに越したことはありません。
その点でも、クラウド型を選ぶメリットがあります。クラウド型はほかのサービス提供形態に比べ、製品ラインナップが豊富なためです。備わっている機能や料金形態など、製品によって特徴はさまざまなため、自社の利用スタイルや予算を基に選びましょう。
セキュリティ更新頻度が高い
メール暗号化ツールは秘匿すべき情報を処理するため、高度なセキュリティ対策が求められます。ところが、世界中では日々新しいサイバー攻撃手法が開発されており、そのすべてに対応するのは困難です。新しい脅威が発見され次第、早急に対策をとるしかありません。
クラウド型製品は、その対策を取りやすいのも特徴です。オンプレミス型と違い、クラウド型はシステムが高頻度で更新されます。ベンダーと製品が切り離されていないため、必要に応じてすぐにアップデートされます。
新規の脅威への対応が迅速に行われるため、隙のないセキュリティ対策が実現するでしょう。
メール暗号化ツールを選ぶ際のチェックポイント
メール暗号化ツールを選定する際、どのようなポイントに留意すればよいのでしょうか。
暗号化方式を選択できるか
一口に暗号化といっても、その方式は共通鍵暗号方式と公開鍵暗号方式の2つに大別されます。メール暗号化ツールには、このどちらかを搭載したものと両方に対応したものがあるため、確認しましょう。
共通鍵暗号方式は、鍵を送信側と受信側だけで共有する方式です。セキュリティ強度が高いのが長所ですが、送信先ごとに鍵を用意する必要があり、管理が煩雑になります。
一方、公開鍵暗号方式は、誰もが利用できる公開鍵と、受信側だけが所有する秘密鍵を用いる方法です。共通鍵暗号方式と比べて鍵の管理が簡単ですが、処理速度が遅いのがデメリットです。
このように、どちらにもメリットとデメリットがあります。利用形態によって最適な選択肢は異なるため、よく検討しましょう。
暗号化技術が施されているか
暗号化には鍵の方式とは別に、SSL・TLS方式とPGP・S/MIME方式という、2つの技術があります。
SSL・TLS方式は、メールに限らずネット上で広く使われている技術です。これにより、ローカル環境とネット上のサーバ間における通信の安全性を確保します。
一方、PGP・S/MIME方式はメールに特化した暗号化技術です。データそのものを暗号化するため、高いセキュリティ効果が期待できます。
メール暗号化ツールを選定する際には、どのような技術で暗号化されるのか確認しましょう。セキュリティの強さを重視する場合は、メール暗号化に特化したPGP・S/MIME方式のほうが理想的です。
他ソフトとの連携機能があるか
メール暗号化ツールが、自社で使っているメールと連携できれば、そのシステムを使い続けることが可能です。多くの暗号化ツールが有名メールサービスと連携できるため、自社が使っているメールと連携可能か確認しましょう。
また、自社で使っているもの以外にも、多くのメールに対応した暗号化ツールを選ぶのが理想的です。なぜなら、自社が使うメールサービスを変更した際にも、同じツールを継続して使えるためです。
新しいツールの導入費用がかからないだけでなく、使い勝手が変わらないのもメリットといえます。
ITトレンドおすすめ!クラウド型メール暗号化ツール2選!
おすすめのクラウド型メール暗号化ツールを2つ紹介します。(製品情報は6月26日時点)
ISMSを取得した堅牢なデータセンターで、24時間365日体制の有人監視と障害対応が行われています。10年以上にわたって安定稼動してきた実績もあるため、安心して利用できるでしょう。また、プランによってはスマートフォンから利用できるのも魅力です。
送信したメールはZIP暗号化され、パスワードが自動生成されます。ユーザーは意識することなく暗号化を実行できるため、失念や操作ミスのおそれがありません。また、有名なメールサービスとの連携も可能なため、導入ハードルが低いです。
まだまだある!クラウド型メール暗号化ツール3選!
そのほかのクラウド型メール暗号化ツールを3つ紹介します。(製品情報は6月26日時点)
iCLUSTA+
レンタルサーバ製品で、Web運用がメインですが、法人メールの運用も可能です。SSLやTLSによる暗号化に対応しています。また、メール添付ファイルはZIP暗号化とWebダウンロードによる送信が可能です。
Cipher Craft/mail 7
一時保留機能や上長承認機能など、多様な誤送信防止機能が特徴の製品です。人間工学の知見を取り入れたデザインにより、人為的ミスの発生を抑えます。暗号化の方法はZIP、AES、Camelliaの中から選択可能です。
CWJクラウドメール
添付ファイル暗号化のほか、ウイルス対策や保管など、メールを運用するうえで必要な機能一式を備えたサービスです。オプション機能を利用すれば、送信先企業のポリシーに応じて、自動で暗号化を施すことも可能です。
クラウド型のメール暗号化ソフトを導入し、安全の確保を!
クラウド型のメール暗号化ツールには、以下のメリットがあります。
- ■導入・運用コストが安い
- ■製品ラインナップが豊富
- ■セキュリティ更新頻度が高い
またメール暗号化ツールを選定する際には、以下のポイントに留意しましょう。
- ■暗号化方式を選べるか
- ■暗号化技術は何が使われているか
- ■ほかのメールソフトと連携可能か
以上を踏まえ、自社に適したメール暗号化ツールを導入しましょう。