交通費精算とは
交通費精算とは、営業担当者が外出時に使った移動費を会社に精算することを指します。主に経費精算システムを活用して行うことが多く、営業担当者は経理に申請を送り、経理がそれに間違いがないかを毎月末に確認し、申請された金額を会社の経費から精算を行います。
交通費精算業務の流れ
一般的に、事前に仮払いの発生しない交通費などの立替経費精算については、以下のような流れで行われます。
- 1.各従業員からの経費申請
- 2.上長承認・経理担当による内容のチェック
- 3.会計ソフトや給与ソフトへのデータの反映
- 4.従業員への支払い処理
立替払いを行った従業員は、日付、内容・支払い理由、支払先、領収書、金額をまとめ、立替経費申請を上長に提出します。上長は、その内容に不備がないかを確認します。不備があれば差し戻し、修正の上再申請させます。不備がなければ承認し、経理担当者に回します。
経理担当者は、各部門の上長から回ってきた経費申請の内容を確認します。ここで新たなミスが発覚した場合は、申請を行った従業員に再度差し戻し、修正をさせる必要があります。
交通費精算業務における課題
営業と経理には切っても切りはなせない「交通費精算」業務。そこで両者が抱える課題を紹介します。
交通費精算業務の課題1ー経理担当者の負担
従業員の中には、締切間際になってから慌てはじめ、これまでたまった立替経費をまとめて精算申請するような人もいるでしょう。そういった従業員が多い場合は、どうしても締切前後に経理担当者の業務が集中してしまう傾向にあります。
また、従業員からの申請内容に誤りがなければスムーズに進むのですが、記載漏れや金額の間違いなどのミスがある場合は申請者に差し戻し、再度申請を出し直してもらう必要があります。経理担当者は、それぞれの従業員の経費を合計し会計ソフトや会計システムに反映させる必要があるので、経費の申請処理が遅れてしまうと、経理業務全体の作業が滞ってしまうこともあります。
申請者が多くなればなるほどミスの数も増えてしまい、ますます経理担当者の業務が膨れあがってしまうことでしょう。
交通費精算業務の課題2ー従業員の負担
一方、交通費など経費の精算は、申請する従業員側にも手間になる作業です。外出先1件1件に対して交通費を調べ、定期区間は除外する作業をした上で申請する必要があるからです。
外出が多く、1日に何社も訪問するような営業担当にとっては、訪問の度に交通費が発生するため月に数十件の交通費申請をする必要があり、大きな負担となるでしょう。
特に紙やExcel(エクセル)を使って経費精算を行っている会社では、調べた交通費を手入力で記載していく必要があるため、より多くの時間がかかってしまいます。また、紙を提出する段階になってから、承認者の上司が不在で承認印をもらえず、提出がギリギリになってしまうという経験をしたことのある方も多いと思います。
交通費申請をまとめて行うことによってミスも起きやすくなり、差し戻しの数も増えるため、従業員にも多大な工数が発生することになるのです。
交通費精算を効率化するICカード連携
近年では、経費精算システムを導入している企業も多いでしょう。交通費精算を効率化する経費精算システムに搭載されている「ICカード連携」機能を紹介します。
経費精算システムのICカード連携機能
経費精算システムには、SuicaやPASMOなどのようなICカードと連携できる機能を持ったものが多くあります。ICカードリーダーがあれば、手持ちのICカードをリーダーにかざすだけで、ICカードの利用履歴を読み込み、そのまま交通費精算として申請できます。
これまで、1件1件の訪問に対して交通費を調べて申請書にまとめていた業務が、ICカードをリーダーにかざすだけで完了してしまうのです。
もちろん、ICカードの利用履歴を読み込む際に、プライベート利用の履歴については取り込まないように除外することも可能ですので、業務用とプライベート用でICカードを分ける必要もありません。
また、利用履歴データをそのまま申請に利用するため、金額や区間の書き間いといったミスも減らすことが出来ます。結果として、申請者だけでなく、承認者、経理担当者も確認・修正と行った作業の手間を大幅に減らすことにもつながります。
ICカード連携の効果
では、この連携機能があることによって、申請者にはどれくらいのメリットがあるのでしょうか。
1日3訪問(会社 → A社 → B社 → C社 → 帰社)を1か月(20営業日)行う営業担当の交通費精算にかかる時間を例に考えてみましょう。
ICカード連携していない場合
- ・1日の合計利用区間数 : 4区間
- ・営業日 : 20営業日
- ・1か月間の合計調査区間 : 80区間
- ・1区間当たりの調査にかかる時間:1.5分
計算すると、4区間 × 20営業日( = 80区間) × 1.5分 = 120分となり、1か月分の交通費申請に2時間ほどの時間がかかる計算になります。
ICカード連携をする場合
- ・1日の合計利用区間数:4区間
- ・1か月の合計利用区間数:4区間 × 20営業日 + 休日利用8区間 = 88区間
- ・1回の履歴取得にかかる時間:約1分
- ・申請以外の利用履歴削除にかかる時間:5分
これらを計算すると、データの取得にかかる時間 1分+ 利用履歴削除にかかる時間 5分=6分となります。
このように、ICカード連携をする場合としない場合では、交通費の調査時間だけでも大きな差があります。営業担当が10人いるとすると、短縮できる時間の合計も10倍になりますので、会社としても、営業が売上を上げる活動に集中するべき時間を大幅に増やすことができるでしょう。
▼以下の記事では、Suicaでの交通費精算について詳しく解説しています。▼
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交通費精算は多くの従業員に関わる重要な業務ですが、経費精算システムのICカード連携機能によって、申請と経理業務の作業時間とミスを大幅に削減できます。
とくに外出が多い営業担当が多く在籍している場合は、ICカード連携機能が付いている経費精算システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。