クラウドサービスとスマホアプリの相性
「経費精算」というと、領収書の管理や、明細の入力、申請など面倒だと感じてしまう方も多いことでしょう。ついつい領収書の処理を引き延ばしてしまい、締切間際になって入力作業に追われたり、慌てて上司に承認依頼を行った経験のある方も少なくないのではないでしょうか。また、経理担当者も、社員から締切ギリギリに上がってくる申請や、ミスのチェックで締め日の前は残業が常態化している会社も多いようです。
このような課題を解決できる可能性があるのが、クラウド型経費精算システムのスマホアプリ機能です。インターネットと、社用のスマートフォンがあれば利用可能なので、中小企業から大手の企業まで活用が広がっています。
スマホ対応のクラウド型経費精算システムを利用すると、オフィスのパソコンに向かわなくても、外出先での待ち時間や電車などの移動時間に処理できます。会食や、打ち合わせの喫茶店利用費なども、食事後のわずかな時間に、金額、項目、日付などを入力して、「申請」ボタンを押すだけ申請が完了します。後日、領収書を紛失して困ったということも防ぐことができますね。
スマホアプリも、承認のワークフローは充実しています。社員からの申請を、上長はオフィスでWebブラウザ上で、承認処理できます。もちろん、却下や差し戻しも可能です。承認が完了したデータを、経理担当者は、会計ソフトへ転送が可能になります。
画像読み取り、オペーレータによる代行システム
経費精算の最大のネックはデータの手入力にあります。一般の社員はこれが面倒で後回しにしがちです。入力ミスが発生すると後処理がひどく面倒で、上長や経理部門にとっても負担でした。これを解決するのが、カメラ機能と連動して、日付や金額を自動で読み取ってくれる機能やオペーレータによるデータ入力の代行サービスです。
カメラ連携機能では、営業担当者が、領収書をスマートフォンで撮影すると、日付や金額をアプリ上に自動入力してくれます。自分で一から入力する必要がないので手間の削減になりますね。一方で、読み取られた文字や金額に間違いがある場合には、手修正の必要があります。読み取りの精度は、領収書の形式や各社のシステムによって異なるので、システムの導入前にデモ版などを利用し比較や確認を行いましょう。
もう一つ、オペレーターによるデータ入力の代行サービスもあります。読み取られた領収書から日付、お店、金額のデータを、オペレーターが正しく入力してくれるので正確性が非常に高まります。
価格や、求める精度に合わせてどちらの入力形式がよいか検討してみましょう。
このように領収書をスマホで撮影と電子化保存が可能になったのは、平成27年度と28年度に行われた税制改正「スキャナ保存制度の見直し」によるものです。これまで領収書は金額の制限がありましたし、フラットベッドスキャナでなければならないと決められていました。これら規制が緩和され、スマホによる撮影が可能となったのです。
出典:国税庁「電子帳簿保存法におけるスキャナ保存の要件が改正されました」
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/sonota/03.pdf
クラウドサービスと中小企業の相性
経費精算業務は、規模にかかわらずあらゆる企業で必要になります。スピーディーで正確な経費精算を求めて、システム化が推奨されていますが、中小企業では、導入コストと構築期間、人的リソースなどいくつかのハードルがあり、導入を見送ってきた企業も多いと思います。このハードルをクリアしてくれるのがクラウドサービスです。
まず、導入コストと構築期間が大幅に抑えられるようになりました。クラウドサービスは既成のシステムを共同利用するため、低コストで導入でき、短期間で構築が可能です。予め構築されたサービスを利用するため、開発途中の障害などでコストが跳ね上がったり、遅延が発生する心配もありません。
運用担当者が不要なことも、中小企業にとっては魅力的です。貴重な人材をシステム運用にとられることなく、コアコンピタンスに集中させることができます。バージョンアップもサービス提供事業者側で行うため、法改正への対応や障害対応もスムーズです。
まとめ ~ 進化する経費精算システム ~
新技術や法改正によって、経費精算システムは大きく進化しています。これを機会に経費精算業務を見直してみませんか。