企業の営業活動は、1本の電話から始まることが多いです。営業担当の方は常に、どの企業に電話しようか、どうやったトークをしようか試行錯誤を行っているかと思います。しかし、今あなたが使っている「電話」自体に着目したことはあるでしょうか?
IP電話は、現在7割以上の企業で導入が進んでいるシステムです。通常の電話よりもコストを抑えることができるIP電話ですが、実は営業活動を活発化させることにも役立ちます。IP電話の基本情報と、営業活動におけるメリットをご紹介します。
IP電話とは
IP電話とは、固定電話の回線ではなくインターネットのブロードバンド回線を経由して電話をかけられるシステムのことです。VoIP(Voice over IP)を使用しており、音声をデジタルデータに変換して送信しています。インターネット上で小さい単位の音声ファイルを随時送信しているようなイメージです。音声だけでなく、FAX文書や動画もデータに変換可能です。
大きな特徴として挙げられる点は、電話回線よりも格安で使用できることです。通常の電話とはどう異なるのか見ていきましょう。
従来の電話との違い
通常の固定電話は、ブロードバンド回線とは異なるPBXを使用しています。PBXとは、機内交換器のことで、内線同士の接続や外線のコントロールなどを行う機器です。専用の機械を使用しているので、電話が切れにくく、音声品質も高いです。しかし、1本の電話回線を専有して会話をするため、料金が高額になりがちです。また、相手との距離に応じて通話料が変化するので、電話の内容によって通話料が大きく変動します。
一方IP電話は、社内のインターネットと同じ回線を使用します。複数のユーザーで回線を共有しているので品質はそこまで高くありません。しかし、電話相手との距離に左右されず、定額での使用が可能です。
最近では、IP電話のしくみをベースにした「IPコミュニケーション」が大きな期待を集めていると言われています。IPコミュニケーションとは、IP電話などのIP製品と他のシステムとの連携をはかることを指します。これが可能になると、パソコンとIP電話が連動し、営業に大きなメリットをもたらします。
営業活動におけるメリット
それでは、このIP電話がどのように営業活動に役立つのでしょうか。社外にいる時と社内にいる時に分けて考えてみます。
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社外にいる時
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営業担当の方の多くは、会社支給のスマートフォンを持っている方もいらっしゃると思います。製品によっては、IP電話は社内の電話だけではなくスマートフォンでも使用できます。営業担当の方は外勤が多く、会社にかかってきた電話を取ることができないのが現状です。しかし、このスマートフォンは内線として接続ができるので、会社にかかってきた電話を受付の人をはさむことなく取り次ぐことができます。これによって、迅速なお客様対応が可能です。
また、外出先からスマートフォンを使ってパソコン上のデータを閲覧できるので、訪問の前に顧客情報のチェックもできます。
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社内にいる時
例えばお客様から突然電話がかかってきた時、過去にどういう会話や取引をしてきたか分からないと対応に困ってしまいます。IP電話とパソコンが連動していると、お客様の電話番号とひも付けて、顧客情報をパソコン上に即座に表示することができます。突然電話を受けた時に、過去のログが見つからなくてお客様を待たせてしまうなどといったことを防ぎます。
まとめ
通話料金などの機器の維持コストを削減できるとして有名なIP電話ですが、このように営業活動に大きなメリットがあるサービスでもあります。製品によってさまざまな機能があるので、企業に合った製品を探してみましょう。