「カゴ落ちメール」とは
カゴ落ちとは、顧客がECサイトで商品をカートに入れたものの、結局購入には至らないことを指します。これは非常にもったいないことです。
そこで用いられるのが、カート内の商品が放置されていることを顧客に知らせるカゴ落ちメールです。具体的には、「こちらの商品を購入し忘れていませんか」といった内容のメールを送り、購入の再検討を促します。一種のリマインドメールと言えるでしょう。
一度購入を検討した顧客に再検討を促すのは、新規顧客の獲得よりも容易です。したがって、効率的に売上向上を目指すうえでカゴ落ちメール配信は欠かせない施策と言えます。
カゴ落ちメールの配信方法
カゴ落ちメールの配信方法は主に3つに大別されます。それぞれ見ていきましょう。
カゴ落ちメールの専用ツールを使用する
カゴ落ちメールの専用ツールというものがあります。そのためだけに作られたツールであるため、スムーズに配信できるのが魅力です。
基本的にカゴ落ちメールの専用ツールは、ECサイトと連携することを前提に作られています。わずかにタグを挿入するだけなど、簡単な操作で連携可能です。
また、カゴ落ちメール専用ツールはリアルタイム性が高いのが特徴です。あまり時間が空かないほうが高い効果を期待できます。さらに、後述するほかの方法より低コストです。特に成果報酬型のものはコストパフォーマンスを管理しやすいでしょう。
ただし、あくまでカゴ落ちメールを配信するツールであるため、それ以外の機能はあまり期待できません。具体的にどのような機能を備えているのか、導入前に入念に確認しましょう。
MAツールを使用する
MAツールにはカゴ落ちメール機能を備えた製品もあります。カゴ落ちメール専用ツールよりも高機能なのが特徴です。メールを配信するだけでなく、顧客の行動分析などさまざまな施策が実現します。
ただし、高機能な分、操作や設定が複雑なのが難点です。カゴ落ちメール配信だけを行うのならば、コストが安くて簡便なカゴ落ちメール専用ツールに軍配が上がります。
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メール配信システムを使用する
上述した2つの方法は、カゴ落ちの確認からメールの配信まで一括で実行できる方法でした。一方、次に紹介するメール配信システムを使う方法はその点が異なります。
メール配信システムは、あくまでメールを配信するシステムであるため、カゴ落ちを認識する機能を備えていません。したがって、この方法ではECサイトのシステム側でカゴ落ちの認識からメールの内容設定を行い、配信だけを配信システムに任せます。
メール配信システムを使うメリットは、細かいセグメント設定や配信結果の分析など、高度なメール機能を使えることです。また、すでにメルマガを配信している場合はそのシステムを使えば良いため、新たなシステムに習熟せず済むのも魅力でしょう。
ただし、リアルタイム性を確保できないのは難点です。カゴ落ち情報をECサイトのシステムから取り込み、そのリストに対して手動でメールを配信する手間がかかります。
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カゴ落ちメールを作成する際のポイント
続いて、カゴ落ちメールを作成する際のポイントを4つ紹介します。
効果的なタイミングで配信する
カゴ落ちメールはただ配信すれば良いわけではありません。効果が上がりやすいタイミングと、そうでないタイミングがあるからです。
もっとも良いのは、ユーザーがECサイトから離脱して1時間以内に送信することです。まだ記憶に新しいため効果が高いと言われています。
また、1通目で効果が得られなくても、2通目で購入につながるかもしれません。特にじっくり検討したいユーザーは、時間を空けてからのほうが効果的だと言われています。この場合は離脱の3日後に送りましょう。さらに、それでもだめなら離脱の約3週間後に再度送ると効果的です。
ただし、具体的にどのタイミングが適切なのかは商品のジャンルや客層によって異なるでしょう。そのため、自社の場合はいつが適切なのか検証して突き止めるのが理想的です。
商品ごとのURLや画像を添付する
商品の画像があるかどうかで、ユーザーの行動は大きく異なると言われています。視覚的に訴求できるよう、商品画像を添付したHTMLメールを配信しましょう。
また、URLも商品ごとに添付しておくのが理想的です。なぜなら、カートのページに遷移するだけでは、カート内に商品がないケースもあるからです。特に、一定期間放置されたカート内の商品が自動で削除されるシステムを使っている場合は気をつけましょう。確実にアクションを起こしてもらうには、各商品ページに案内したほうが効果的です。
文面にセールス色を押し出しすぎないようにする
カゴ落ちメールが届く頃には、顧客はすでに対象の商品を購入する意欲を失っていることがあります。その場合、顧客にとってカゴ落ちメールは煩わしいだけです。
そのため、カゴ落ちメールはセールス色をあまり出さないことが大切です。たとえば、「まだ手続きが終わっていません」よりは「お忘れではないですか」といった言い回しが良いでしょう。メールであってもメッセージを伝える相手は人間であるため、対面で接客するのと同じような言葉選びを意識しましょう。
コンテンツの表現方法を毎回変化させる
同じカゴ落ちメールだからといって、表現方法が常に同一では成果は上がりません。毎回同じだと読者は飽きてきて、次第にメールを開封してさえくれなくなることもあります。
だからといって、毎回コンテンツを作り直すのは大きな負担になるでしょう。そこで有効なのは、件名などをちょっとずつ変化させることです。パッと見て分かる部分に小さな変化があるだけでも読者の興味を引けます。
また、「本日18時まで送料無料」「3%OFFクーポンプレゼント」といったお得情報を入れるのも効果的です。毎回コンテンツが少しずつ違うことが分かれば、それを目当てにメールを開いてくれる可能性もあります。継続的に工夫していきましょう。
ポイントを押さえて効果的なカゴ落ちメールを配信しよう
カゴ落ちメールとは、顧客がカートに放置している商品の購入を促すメールのことです。以下のツールで配信できます。
- ■カゴ落ちメール専用ツール
- ■MAツール
- ■メール配信システム
また、カゴ落ちメールを配信する際は以下の点に留意しましょう。
- ■効果的なタイミングを狙う
- ■商品ごとにURLや画像を添付する
- ■セールス色を押し出しすぎない
- ■表現方法を毎回変える
以上を踏まえ、効果的なカゴ落ちメール配信を目指しましょう。