メールを一斉配信するには
企業のマーケティング活動や学校の連絡網など、さまざまな場面でメールの一斉配信が行われますが、その方法は2つあります。1つは、メーラーを使用して一斉配信を行う方法です。BCCで送信すれば、ほかの顧客のメールアドレスが漏れることはありませんが、大量のメール配信には向いていません。そこでもう1つの方法、メール配信システムが最適でしょう。
メール配信システムとは、メールの一斉配信を自動的に行えるシステムのことです。メールの一斉配信はもちろん、メールの作成や効果測定も効率化できます。そのほか、メール配信システムのメリットは以下のとおりです。
- ■メール配信にかかる時間や手間を省ける
- ■顧客1人1人に最適な内容のメール配信ができる
- ■重複配信や宛先入力のミスなどを防げる
- ■効果測定により成果が出しやすくなる
- ■情報漏えい対策ができる
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一斉配信にメール配信システムが必要なワケ
メール配信システムがメールの一斉配信に適している理由は、メール配信が自動的に行えるから、だけではありません。ほかにも2つの理由があります。
1.複数のIPアドレスで一斉配信できるから
実は、大量のメールを一斉配信すると、ISP事業者側がスパム・迷惑メールと認識して、メールが届かなくなってしまいます。なぜかというと、スパム・迷惑メールの多くが単一のIPアドレスで一斉配信されているからです。単一のIPアドレスで一斉配信されたメールは危険、という判断基準になっています。
メール配信システムは単一のIPアドレスを使わず、複数のIPアドレスを設定し、分散配信を行います。こうすることで、ISP事業者からブロックされずに大量のメールを一斉配信できるのです。
2.サーバが安定しているから
大量のメールを一斉配信した場合、送信側のサーバに負荷がかかり、配信遅延が発生します。日中に配信したはずのメールが真夜中に届いてしまい、クレームに発展したというケースもあります。
また、サーバがダウンすれば、他の業務にも影響があるでしょう。顧客からの問い合わせなどでメールが送られても、それをリアルタイムに受け取れず、サービス低下につながるかもしれません。
メール配信システムは大量のメールを配信することを前提としているので、専用サーバを用いて高速で一斉配信できます。サーバの稼働が安定し、高い到達率を維持します。
正しいメール配信システムの選び方
一口にメール配信システムといっても、ベンダーによって特徴が異なります。より確実にメールを届けられるシステムを選ぶには、どんな点に注目すべきかご紹介します。
配信数と配信速度を確認する
一斉配信で重要になるのが「配信能力」です。配信能力とは、1時間あたり何通のメールを配信できるかを示す指標です。数百万の顧客に配信する場合は配信能力が高くないと、配信遅延が生じるかもしれません。ただ、メール配信システムごとに配信能力は差があります。
毎時100万通が標準的ですが、毎時4,100万通も配信可能なシステムもあります。中には「配信能力」が表示されていない場合もありますが、これはセールスポイントが配信能力ではなく、分析機能などのほかの機能で差別化を図っているツールといえるでしょう。
なお、月に配信できる数に上限を設けているシステムもあるため、配信数を考慮して選んでください。
到達率を確認する
一斉配信したメールがすべての顧客に届いているとは限りません。エラーメールが返ってくる可能性があるからです。配信したメールが顧客側の受信ボックスに届いたことを示す「到達率」が高いシステムを選びましょう
ただし、単に到達率が高いだけで選んではいけません。スパム・迷惑メールとしてはじかれていても顧客側の受信サーバには届いているため、到達しているとみなすベンダーもいます。つまり、到達率が高くても、実は顧客には届いていないケースがあります。
そこで到達率とともに注目すべきは、「エラーアドレスを徹底的に管理し、迷惑メール業者や個⼈による利⽤を禁止しているか」です。クリーンな状態を保ち、ISP事業者から安全な送信元であると判定されていることが重要です。
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システムを活用した一斉配信のモデルケース
最後に、メール配信システムで大量配信をしているモデルケースを紹介します。具体的な導入イメージの参考にしてください。
学校法人で配信能力の高いシステムを活用
中学、高校、大学を経営する学校法人のモデルケースです。同校では、災害時に在校生とその保護者へ緊急用のメールを一斉配信していました。生徒と保護者で数万の単位になります。従来は低価格が魅力のメール配信システムを利用していましたが、「指定時間どおりにメールが届かない」とクレームが寄せられていました。
配信能力の限界と考え、ツールの刷新を検討しました。そこで採用されたのが毎時100万通の一斉配信が可能なメール配信システムです。現在ではインフルエンザ流行時の登校アンケートなどにも活用しています。
鉄道子会社がシステムを活用してリアルタイムな情報共有
沿線上でスーパーやスポーツジムなどを手広く経営する鉄道会社の子会社のモデルケースです。スーパーのお客様を対象にした携帯向けのチラシ配信を行ってきましたが、新たに鉄道の遅延情報も流すことにしました。
これが好評で会員を大幅に増やすことに成功しましたが、遅延情報は時間が勝負です。一斉配信が30分も遅れると、遅延や復旧情報が意味をなしません。そこで、改めて導入したのがより配信能力の高いメール配信システムでした。クラウド型で低価格であることも採用のポイントとなりました。配信速度が速く、ベストなタイミングでメールを配信できるとうになったのです。
メール配信システムで一斉配信を効率化しよう
メール配信システムは、メールの一斉配信を自動化するだけではありません。複数のIPアドレスで一斉配信でき、サーバの稼働が安定しているため、大量のメールでも到達率が高くなります。ただし、確実にメールを届けるには、配信能力や到達率が高く、エラーアドレスなどを管理してクリーンな状態を保っているメール配信システムを選択しましょう。
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