オンラインストレージとは?
オンラインストレージとは、インターネット上で利用することのできるデータの保管庫のことです。PC内のハードディスクと同様に使うことができます。そのため、クラウドストレージと呼ばれることもあります。
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2023.01.17
【図解】オンラインストレージとは?意味や機能を簡単解説!
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オンラインストレージの3つの基本機能
オンラインストレージの基本的な機能を紹介します。
機能1 高信頼性の大容量バックアップ
企業のデジタルデータは日々増大しており、それらを失うことは企業生命に大打撃を与えることを意味します。
データの管理・保管が手間になる
多くの企業にとって、それらのデジタルデータを失われないようにすることは非常に重要な課題ですが、それらのデータを日々バックアップする作業は手間がかかり、また物理的なバックアップ媒体の管理・保管についても、とてもコストのかかる作業です。
自動でデータのバックアップができる
多くのオンラインストレージサービスには、それら大容量のデータバックアップを自動で行ってくれる機能が搭載されています。バックアップ処理の頻度も毎時、毎日、毎週など柔軟に対応でき、ストレージ容量については必要な容量だけ契約すればよいため余計な固定費も発生しません。
オンラインストレージでのバックアップは、企業の情報システム担当にとって悩みの種である、物理的なハードウェアの管理や保管を気にかける必要がない、というのが非常に大きな利点です。
機能2 ファイル転送サービス
オンラインストレージ上にアップロードしたファイルのダウンロードURLを連絡することで、相手にファイルを取得してもらうことのできるサービスです。
ファイルの容量や期限を気にする必要がない
メールでファイルを送付する場合、サイズが大きすぎて送付ができない場合があります。そのような場合、このサービスを使えば、ファイルの容量を気にすることなく送付することができます。
また、多くの場合はダウンロード期限が決まっており、その期限がすぎるとファイルへのアクセスができなくなるため、メーラーにいつまでも保存されていてはセキュリティ上問題のあるファイルなども、安心して送付することができます。
暗号化の機能もある
基本的に、ファイルダウンロード時にはパスワードが必要とされており、通信についてはSSLを使用しているサービスが多くなっています。それに加え、保管されているファイルは暗号化されているため、第三者にそのファイルが漏洩する心配もありません。
機能3 ファイル共有
オンラインストレージ上のファイルを、指定した複数人がアクセス出来るようにする機能です。
社外からのアクセスが難しい
一つのファイルを複数人で編集する必要がある場合などは、社内サーバにファイルを格納することで実現可能です。しかし、社内サーバに格納している場合は、セキュリティの観点から社外からアクセスできないことが多く、本当の意味での共有が難しい状況があります。
情報漏えいのリスク管理もできる
オンラインストレージのファイル共有は、そもそも社外のサーバにファイルを格納しているため、社外社内問わずアクセスすることができ、編集可能です。
また、ファイルのダウンロード禁止や有効期限など、詳細な設定が可能なサービスもあり、有効に活用することで社外でのファイルの取り扱いについてのセキュリティレベルも調整できるため、情報漏洩のリスク管理にも役立ちます。
専用のソフトではなくウェブブラウザでアクセスすることができる場合が多いため、特別な環境設定が不要なのも魅力的です。
オンラインストレージができること
基本的な機能の他にもオンラインストレージにはできることが多くあります。その中から5つを紹介します。
1.堅牢性や高信頼性を確保したサービス
オンラインストレージは、今や単なる無保証のクラウドサービスではなく、堅牢性や高信頼性を確保したサービスとして利用することができます。法人向けのオンラインストレージの場合、停電の際も一定時間電力が供給される無停電電源装置や自家発電装置等、最高品質のファシリティを完備した、耐震ビル内のサーバで運用されています。
非常に高い稼働率を保証するサービスも複数あり、さらに条件を追加して選定することが可能です。また、契約したディスク全体のスナップショットを別筐体のディスクに保存する、データ領域を3重化する、業務を考慮した日程で自動バックアップする、といった障害対策も用意されています。
こういったサービスでデータを保護しておけば、自社サーバに万が一の事態が起こっても、バックアップから復旧することができます。自社内のバックアップだけで安心できない場合は、遠隔地のデータセンターを指定できるオンラインストレージと契約しておくことも検討すべきです。
2.問題発生時の検証やリカバリーが容易
企業向けのオンラインストレージには、詳細な履歴を確認する機能が実装されています。いつ誰が、どのような手順で、どのファイルを操作したか、後日全て参照することができます。万が一ミスが発生してしまった場合は、その流れをトレースしてみることで、適切な再発防止策を講じることが可能です。
また、過去のファイルを何世代にもわたって保存しておくアーカイブ機能も、課題解決に有効です。過去のファイルで問題が発生した場合、そのファイルを復活させ、中身を検証させることすらできるのです。
3.作業効率が上がるオフライン作業が可能
地下鉄や飛行機で移動している時はオンラインストレージと接続できないので、オフラインでの作業になります。この時、オフライン対応機能を持つオンラインストレージを導入していれば、ファイルの更新等の作業内容が随時記録されていきます。
そしてオンラインになった時点で、オンラインストレージ側にも内容が反映され、その際の操作ログを後でオンラインストレージから取得することもできます。作業する側はオフライン、オンラインを意識する必要はないので、作業効率が向上します。
4.複合機との連携ができる
オンラインストレージのサービスによっては、複合機にインストールする専用アプリケーションを提供しています。このアプリケーションを導入した複合機では、スキャンした名刺や紙の書類のデータを一括管理できるようになります。
これまでの複合機を使ったスキャンでは、名刺などを取り込んだファイルを毎回リネームして、本保存するフォルダに移動させる手間が必要でした。連携アプリケーションがあれば、複合機からオンラインストレージへのアップロードを実行できるので、手動でのリネームや移動作業は不要です。
保存された書類は自動でOCR処理され、スマートフォンでデータを確認して名刺の電話番号に直接電話をかける、地図を表示するといった作業も容易に行えます。
5.海外拠点との連携もスムーズに
日本語で提供されているオンラインストレージサービスでも、英語など他の言語に切り替えて使用することができるものもあります。こういったサービスなら、海外に拠点を開設した時、その拠点で使用される言語、あるいは英語を指定するだけで、オンラインストレージの利用を開始することができます。
自社サーバの構築が難しいような規模、環境の拠点でも、ファイルのやり取りを素早く行えるのは魅力的です。海外拠点とのデータの送受信が必要な場合は、利用可能な言語を確認してサービスを選定するべきでしょう。
強固なセキュリティと安全性に利便性を兼ね備えたサービス
以上のように、オンラインストレージサービスは、今まで社内サーバで非常に手間のかかっていた管理、運用の作業を簡易化し、より強固なセキュリティと安全性を提供してくれます。また、多くの場合はウェブブラウザから専用URLにアクセスするだけで使用できたり、中にはエクスプローラーなどのファイラーから直接操作できるようになっているなど、利便性の面でも申し分ありません。
今後、ますます企業のデジタルデータの容量は増加し、その重要性は増していくことでしょう。そんな中で、大きな設備投資や管理運用経費の増大を抑えつつ、データを安全に保護していきたいという要望を満たしてくれるオンラインストレージサービスを活用していく流れは、今後も加速していくことと思われます。