POSシステムとは
POS(Point of Sales: 販売時点情報管理)システムとは、販売実績や在庫情報をリアルタイムで蓄積し、確認できるシステムです。本来は、レジ係の不正やミスを防止するために登場したシステムです。
POSシステムを導入すると、いつ、どの店舗で、どの商品が、いくらで、どれだけ売れたかをデータ化することができます。顧客の年齢、性別といった情報や、購買行動があった日の曜日、天気、購買地域などの情報も記録され、マーケティングにも活用されています。こういったPOS機能が搭載されたレジをPOSレジと呼びます。
コンビニエンスストアで導入されているPOSレジの仕組みを簡単にご紹介します。
商品をレジで会計したら、購買情報が店舗を統括している本部に送られます。本部では、どの店舗の、どの商品が、どのくらい売れたのかを把握します。在庫が減少したことがわかったら、食品メーカーなどに商品を発注し、各店舗に配送される仕組みです。各店舗で在庫管理をする必要がなく、本部では販売実績を一元管理することができます。
POSシステムの3つの基本機能
それでは、POSシステムの基本的な機能から見ていきましょう。
- 1)会計機能
- 事前に情報をインプットしておくことで、会計時の手間を削減できます。例えば、商品の色やサイズ、支払い方法、担当者、客層などを登録し、会計時に選択します。選択された情報は蓄積され、マーケティングに活用できます。また、現金やクレジットカードなど多様な支払い方法に対応しており、現金を処理するキャッシュドロア、クレジットカードを処理するカードリーダーとの連携が可能です。
- 2)レポート機能
- 会計時に選択された情報は蓄積され、リアルタイムでレポートを作成することができます。売上計上、利益計算、在庫情報などが可視化され、仕入れや商品管理の効率化に役立ちます。購買日の情報や顧客情報など、さまざまなセグメントで分けた分析が可能なので、業務改善や新製品開発にも活用されています。
- 3)ECサイト連動機能
- ECサイトを運営している企業では、店舗での在庫とECサイト上での在庫両方の管理が必要です。POSシステムの導入により、在庫管理や分析において両者を統括したり、分割したりすることが可能です。例えば、在庫管理は店舗とECサイトそれぞれ別個の方が管理しやすいでしょう。売れ筋の商品を分析する際は両者を統括したほうが便利かもしれませんし、店舗とECサイトの運営を比較するなら別個で分析したほうがよいでしょう。
タブレットPOSシステムの3つの特徴
冒頭で述べましたが、POSシステムをタブレット端末で使用する企業が増加しています。スマートフォンとほぼ同じインターフェースなので馴染みやすく、多くの店舗が導入しています。それでは、タブレット対応のPOSシステムは、通常のPOSシステムに加えてどんな特徴があるのでしょうか。
- 1)オーダー作業の効率化
- 最近は居酒屋などの飲食店で多く見られます。通常のPOSレジとタブレットのオーダー端末を連携させて、スタッフが各テーブルに注文を取りに行く手間を省きます。それだけでなく、テーブルの着席状況や料理の配膳状況を一元管理し、注文ミスや配膳ミスを防ぎます。
- 2)機能追加しやすい
- 通常のPOSシステムとは異なり、ネットワーク環境にあります。したがって、機能を追加したり、他のシステムと連携したりできます。特にCRM(顧客情報を一元管理できるシステムのこと)と連携することで、顧客情報を簡単に表示できるようになります。
- 3)プロモーションとして活用
- タブレットを使用することで、画像や動画を見せつつ商品の説明ができます。店舗で扱っていない商品や、欠品時にも商品の紹介、販売が可能です。また、アルバイトの人でもプロモーションや会計がしやすく、新人の早期立ち上がりにも役立っています。
まとめ
販売から購買分析までの工程で役に立つPOSシステム。活用できるのは小売店だけではありません。アミューズメント施設では、団体客へのチケットを事前に発行し、来場当日の発券や顧客管理を効率化しています。また、イベント主催企業では、タブレットPOSシステムの導入によって、屋外でのイベントでも購買活動を積極的に行うことができました。
このように、POSシステムの各機能を活かし、今までになかった活用方法が考えられます。自社に適した活用方法は見つかりましたか?