予約管理システムとは
予約管理システムとは、顧客が何らかの予約をオンラインで行うためにに、予約情報管理や確認メールの自動送信、チケットの発行などといった予約に関連する機能を提供するシステムです。
例えば飲食店やクリニック、スクール、コンサートやセミナーなどを行う企業といった、多種多様なユーザーが利用しています。
予約管理システムで可能になること
予約管理システムは単に予約を管理するだけでなく、他にも多様な機能を備えています。予約管理システムの導入にあたっては、以下の内容を参考に自社にとって必要な機能が備わっているかを確認するようにしましょう。
予約受付
予約管理システムの中心となる利用者からの予約を受け付け記録する機能です。一般的に入力はカレンダー形式で予約可能な日付を選び、さらに時間を選択するようなわかりやすいフォームになっています。
変更・キャンセル
何らかの理由で予約を変更・キャンセルする機能です。単純な変更だけでなく、予約がキャンセルされると他の予約希望者に通知を送るキャンセル待ち機能も備えていることがあります。
顧客情報管理
顧客の氏名、年齢や性別などを管理する機能です。利用傾向などを記録し分析して、マーケティングに活用できる場合もあります。
予約メール連絡
予約の確認メールや予約前のリマインドメールなどを利用者に自動で送る機能です。どのようなテンプレートを使えるかや、メールの内容をどの程度カスタマイズできるかはシステムによって異なります。
決済機能
予約と共に決済を行う機能です。クレジットカードやコンビニ決済など、対応している支払方法はシステムによって異なります。また月ごとの支払いといった定期的な入金に対応している場合もあります。
入金管理
システムによっては入金を管理する機能が用意されていることもあります。支払が行われたかを予約管理システムで確認できるため、支払がない場合の予約のキャンセルなどがスムーズに行えます。
予約管理システム導入のメリット
予約管理システムを導入すると予約業務の効率化だけでなく、他にもさまざまなメリットが得られます。そのうち代表的な物を具体的に紹介します。
予約数増加の可能性が生まれる
予約管理システムの導入は予約数の増加につながる可能性があります。電話で受付をする場合、基本的に営業時間でなければ対応できず予約の機会を逃すかもしれません。また、営業時間内でも、担当者が別の仕事が忙しい、すでに他の予約の電話中、といった可能性もあり、予約の対応が常にできるとは限りません。
しかし、予約管理システムであれば営業時間外でも、担当者が忙しいときでも予約可能です。今まで予約につながらなかったケースにも対応できるため、予約数の増加が見込めるでしょう。
集客・販売の促進
予約管理システムには顧客情報の管理や分析を行えるものもあります。この機能を活用すると、集客や販売につなげることもできるでしょう。しかし、通常は直接的な集客機能はないので、何かの施策と連携させる必要があります。
例えば、過去の予約者データを活用して、リピート率を上げるためにクーポンを送付する、メルマガの発行といったものです。予約管理システムのデータをうまく使えば、より効率の良い集客施策のサポートになるでしょう。
いつでも予約可能な状態が作れる
予約管理システムを使えば、基本的には24時間365日いつでも予約可能になります。顧客からしてみると営業時間を気にする必要がなくなり、より気軽に予約ができるため利便性が上がるでしょう。
ユーザー目線だけでなく、管理者側としても人的工数も削減できるため、コストカットにも繋がります。
予約管理システムツールの相場
予約管理システムの相場は、対応できる予約件数や機能などが異なりますが、傾向としては個人や小規模店舗などは無料~数千円程度、規模が大きくなると数万円程度の月額です。ただし、従量課金でさらに増える場合や初期費用が必要なこともあります。
主な予約管理システムツールの価格は以下の通りです(2023年8月現在)。
Square予約 |
フリー:無料/プラス:月額3,000円/プレミアム:月額8,000円 |
STORES予約 |
フリー:無料/スモール:月額9,790円/チーム:月額19,690円/ビジネス:月額28,600円/エンタープライズ:月額66,000円(全て年契約の場合) |
リピッテビューティー |
初期費用:9,800円 / 個人利用:月額2,000円 店舗利用:月額8,000円 (オプション機能で課金あり) |
ChoiceRESERVE |
初期費用:33,000円/月額22,000円 (従量課金あり) |
Airリザーブ |
フリー:0円/ベーシック:月額5,500円/プレミアム:要問い合わせ |
RESERVA |
フリー:0円/ブルー:月額3,520円/シルバー:月額5,500円/ゴールド:月額11,000円 |
リザエン |
初期費用20,000円/ビジネス版:月額10,000円/エンタープライズ版:要問い合わせ (従量課金あり) |
Direct Reserve |
標準版 初期費用15,000円 月額3,000円/カスタマイズ版 初期費用70,000円 月額20,000円~ |
予約管理システム導入前に知っておきたい3つの運用のコツ
予約管理システムをより効果的に選定し利用するには、運用に関係したいくつかのコツを押さえておく必要があります。そのコツを3つご紹介します。
必要な機能を洗い出す
予約管理システムは、製品によって搭載されている機能が異なります。そのため、導入する前に必要な機能を洗い出し、その機能を備えた機能があるシステムを選ぶことが重要です。もし、必要な機能がない場合、思ったような使い方ができない可能性があります。
例えば歯科医院やスクールなら、設備やスタッフの空き状況に合わせて予約が可能かどうかの表示を自動で変えられる機能があると便利です。また、その機能を使うなら予約を行う条件を先に洗い出し、システムで対応可能か確認しておく必要があります。
このように、必要な機能を洗い出せば、どのシステムを導入するか選定するのに役立つでしょう。
予約管理システムを入れるだけでは集客力は上がらない
予約管理システムを導入しても、顧客が予約をしなければ意味がありません。そのため、予約管理システムと集客を連携させる方法を検討した方が良いでしょう。
予約管理システムには集客につなげられるようにSNSと連携できるものや、顧客の動向を分析してマーケティングに利用できる物もあります。予約管理システムだけでは集客力が上がらないため、集客と連携する方法を導入前に考えておく必要があるでしょう。
使いやすい管理画面か無料トライアルで確認する
予約管理システムは顧客が予約がしやすいだけでなく、管理者が使いやすいかどうかも選定の重要なポイントです。予約の方法は業種によって大きく異なり、中には複雑になる場合もあります。例えば宿泊施設なら日単位、クリニックなら日時での予約が必要です。飲食店なら人数やテーブル単位の予約が必要かもしれません。
日々の業務の中で多種多様な条件のある予約の設定や確認を行い、無理なく使いこなさなければなりません。なるべく事前に無料トライアルなどを利用して、管理画面もチェックしておきましょう。
予約管理システムの選び方
数ある予約管理システムの中から最適な製品を選ぶとき、どこに注目して選べば良いか分かりづらいことがあるかも知れません。ここでは予約管理システムを比較して選定するときに注目したいポイントをご紹介しましょう。
無料トライアルがあるかどうか
予約管理システムでは、一定期間は無料で使えるものや、予約数の制限や広告が入るといった条件の下で無料で使い続けられるサービスもあります。このように無料のトライアルがあれば前もって実際の使用感を確かめられ、本格的な導入後のトラブルを避けられるでしょう。
ただし、広告が入って無料で使えるシステムは、顧客にとっては画面が見づらくブランドイメージを損なうおそれがあります。広告が気になる方はなるべく有料サービスに移行した方が良いでしょう。
導入実績が豊富か
予約管理システムを比較するのに、同じ業界における実際の導入数も重要なポイントです。導入実績が多いということは、選ばれるだけの利点があることを意味します。また、サポートや運用についても、今までの豊富な経験に基づいた高いレベルのサービスが期待できるでしょう。
決済機能の充実度合い
予約管理システムは、クレジットカードや電子マネーなどに対応した決済機能を備えていることが一般的です。決済機能があれば、店舗での支払の手間が省けるため業務の効率化につながり、顧客側には会計の時間が節約できるのが利点です。さらに、予約時に決済すれば急なキャンセルを減らす効果も期待できます。
どういった支払方法に対応しているかや、外部の決済システムに連携できるかなどはシステムによって異なるので、事前に確認しておく必要があるでしょう。
予約管理システムの導入時に注意したいポイント
導入のメリットに比べるとウェイトは大きくありませんが、予約管理システムを導入したときには注意した方が良いポイントがあります。ここではそういったポイントをいくつかご紹介します。
キャンセルがされやすい
ネット上の予約システムは操作しやすく気軽に予約できるのが利点です。一方でキャンセルも簡単にできるため、キャンセルの数も増える傾向があります。
しかし、キャンセル処理もシステム上である程度自動で行われることや、業務効率化などのメリットなどを考え合わせると、導入をためらうほどではないでしょう。また、事前決済、リマインドメールなどのキャンセルを少なくする施策もあります。
新規ツールの研修コストがかかる
予約管理システムを導入・変更した時には、新しいツールを習得するのに時間や労力がかかります。使いやすいシステムを導入しても研修を行わずに運用することは難しいため、負担を減らす対策が必要です。例えば、一部の従業員を先行して研修し、他の従業員に指導するといった方法が有効でしょう。
ただし、最終的にはシステムにより予約の業務が効率化されるため、一時的な問題にすぎないと考えられます。
電話で受け付けた場合のダブルブッキングの可能性
予約管理システムを導入した後も従来の電話予約を続けていた場合、電話からの予約とネットからの予約が重なってダブルブッキングが起こることがあります。
予約管理システムを導入しなくても、ヒューマン・エラーによるダブルブッキングは起こりえます。それを防ぐのと同じような運用ルールが必要です。例えば、電話予約を受けた場合、すぐに予約管理システムにその予約を入力する、万一ダブルブッキングしたときの対応方法、などを周知徹底しましょう。
予約管理システムおすすめ3選
ここでは実際におすすめの予約管理システムを3つご紹介します。ぜひ、システムを選ぶ時の参考にしてください。
Square予約
「Square予約」はSquare株式会社が提供する無料から使える予約管理システムです。詳細な予約のカスタマイズが可能で、理髪店、美容室、ネイルサロン、語学スクールなど多種多様な業種に対応しています。
予約管理を始めとして、POSレジ対応、主なカードや電子マネーに対応した決済機能、顧客管理機能、スタッフ管理機能などを備え多機能なのが特徴です。また、ブラウザ上で動作するため、パソコンやスマートフォンなどインターネットが使用できる端末なら場所を選ばず利用できます。
料金プランは1店舗のみで機能も制限された無料版から、店舗の制限がなくほとんどの機能が使えるプラス、部屋やカウンターなどのリソース管理まで行えるプレミアムの3種類があります。月額料金はフリーが無料、プラスが3,000円、プレミアムが8,000円と、リーズナブルな価格設定が魅力です。
STORES予約
STORES株式会社が運営する「STORES予約」は累計導入数が15万以上という実績が豊富な予約管理システムです。対応する予約の種類が多く、美容院やスクールから社内の健康診断にまで使われています。
予約管理や決済、顧客管理、スタッフ管理など、一般的な予約管理システムが有する機能に加えて、メルマガやSEO対策、SMS配信といった集客機能の充実が特徴です。
料金プランはフリー、スモール、チーム、ビジネス、エンタープライズがあり、このうち月間50予約まで対応のフリーは無料で提供されているため、気軽に試してみることもできます。
リピッテビューティー
「リピッテビューティー」は株式会社コネクター・ジャパンが運営するLINEを使った予約が特徴のサービスです。ヘアサロンやエステ、フィットネスなど幅広い業種で使われています。
使い慣れたLINEのみで予約が完結するため顧客にとって気軽に利用しやすく、LINE公式アカウントの一斉配信を使ってキャンペーンのお知らせを送るなど、リピーターの囲い込みがしやすいという利点があります。
追加料金が必要ですが、LINEからの予約以外にもオプションでいろいろな機能を付け加えられるのも特徴です。例えばWEBから予約できる機能や大手予約サイトと連携できる機能などが用意されています。
料金は個人利用(スタッフ1名のみの店舗向け)が月額2,000円、スタッフ2名以上の店舗利用が月額8,000円です。オプション機能を利用する場合は、機能ごとに月額が加算されます。
予約管理システムを活用して業務効率化
予約管理システムは活用すると業務の効率化になり、そのデータを元に集客などの経営戦略にもつながるツールです。
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