製造業:販売管理システムの選定ポイント
製造業の中でも大きなプロジェクトの場合、製造工程を把握することが困難となり販売管理システムによってワークフローを詳細に把握・管理することが急務だと言えるでしょう。
ロット番号別管理ができるか
製造業では、ロット管理がしっかりとなされていないと出荷したロット番号が有効期限切れになっていたり、前回出荷したロットよりも古い製品を出荷してしまうという問題が起こります。この状態は製品に何か問題が生じた際、追跡に時間がかかってしまいますし、取引先からのクレームにもつながるため、避けたい問題です。
ロット番号は数量と共に通常は在庫管理に使われますが、この使われ方だけではロット番号別管理としては不十分です。これにもう1つ「有効期限」という情報を加えることで、期限の切れたロット番号の製品を取引先に出荷していないかなどのチェックが容易になります。他にも製造日情報を付け加えることで、製造業の基本である先入先出しを徹底することも出来ます。
製造工程の可視化ができるか
販売管理システムを選ぶ際に、最も注目するべきポイントは「複雑化する製造工程を視覚化して、どれだけ正確に把握できるか」という点です。大きなプロジェクトになるにつれて複雑化する、製造工程を数字としてデータ化して管理することが、製造業者の販売管理システムに求める機能でしょう。
受発注の管理、製造工程の管理によって製造計画に遅延をきたすことなく、シームレスに業務を進めることが可能となります。また、在庫管理を視覚化することで曖昧になりがちな在庫のチェックを行うこともできます。つまり生産管理ができるのです。
データの一元管理ができるか
販売管理システムと他のシステムと連動させることで、在庫のデータを一括して管理し、在庫の無駄を削減することができます。在庫管理を適切に行うことで、コスト削減にもつながり、自社に大きな利益をもたらすのです。
また、販売管理システムで物品情報や取引先情報をデータ化して管理することで、人為的なケアレスミスを減らし、業務に正確さとスピードをもたらすこともできます。
卸売業:販売管理システム選定ポイント
ここでは一般的な卸売業と食品卸売業、酒卸売業に分けて、販売管理システムの選定ポイントを解説します。
【商社・卸売業】安全面での情報管理が行えるか
一般的な商社・卸売りに関する選定ポイントは大きく3つあります。
「取り寄せ」に対応した受発注入力ができるか
商社の場合、常に自社で製品を保有しているのではなく、「取り寄せ」を行う割合が多いというのが特徴です。煩雑な伝票入力の手間を省くことが出来るような受発注入力機能を備えているかを、重要ポイントとして確認するようにしましょう。
流通BMS連携はできるか
流通BMSとは、流通業界全体における受発注の形式の統一化のことで、インターネットを使用してデータをやり取りする「伝票レス」を目的としています。
現在この流通BMSに対応する企業は増えているので、販売管理システムも流通BMSと連携して動くようなシステムを選ぶことがポイントです。連携することでさらなる業務の効率化が期待出来ます。
貿易対応機能はあるか
海外とも取引を行うような輸出入業者であれば、多通貨への対応をしているかどうか、為替差損益を自動計算してくれるかなど、貿易に対応した機能を有しているかも確認したいところです。
【食品卸売業】賞味期限の管理方法は自社と合っているか
卸売業の中でも、とりわけ食品を扱う企業の場合、賞味期限の管理は業務の中でも大きな比重を占めています。食品卸売業者が販売管理システムを導入する際に、注意すべきポイントは「賞味期限を管理する方法の種類」です。
受発注・出荷・売り上げの管理と進捗状況の管理はもちろん、賞味期限が迫っている商品を通知する方法や、賞味期限を基準とした分類方法など、管理方法の種類が選定のポイントとなります。
【酒卸売業】多様な機能が備わっているか
酒の卸売りでは、酒税関連帳票の発行や空容器の管理など独特の制度や商習慣への対応が必要になります。そのため酒税関連帳票の出力機能、空容器管理機能、ハンディターミナルやタブレットへの出力機能、リベート機能などが必要になります。
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医薬品業:販売管理システム選定ポイント
医薬品は人の体に健康に影響を及ぼすものなので、厳重な管理が必要になるため一般の販売管理方法とは異なります。ではどのように選定すれば良いのでしょうか、ポイントを以下で紹介していきます。
薬品の管理方法は自社と合っているか
医薬品を扱う卸売業の場合は、「薬品の管理方法が合うか」が選定のポイントとなるでしょう。業務形態によって、使用有効期限による薬品の管理方法や有効期限が迫っている薬品の把握方法など、求められる機能が多岐に渡ります。自社に必要な機能があるか確認を行いましょう。
また、薬品情報の管理も大切なポイントです。薬品価格が改定された際に、スムーズに対応できるのかなど業務効率を大きく改善する機能が重要となるでしょう。
薬事法に基づく医薬品コード/医療材料コードが活用できるか
医薬品は繊細な取り扱いが求められることから、国や自治体からの薬事法を始めとする各法律の改正や通達に対して迅速な対応が必要です。
一方で、医薬品には医薬品コードや医療材料コードなど多種にわたるコードや分類が存在します。会社内で使用している独自の商品コードもあるため、全ての情報の連携が取れていないと対応に遅れが生じることやミスのもととなります。
これらの情報の一元管理ができて、迅速な対応を可能とする販売管理システムを選びましょう。
薬価改定機能はあるか
薬価改定時に商品マスタを直接更新するだけではなく、Webサイトから薬価改定処理を行って、より簡単に迅速に対応出来る機能を付けられる販売管理システムもあります。仕入れや販売価格とも連動していれば業務負荷をより減らせるので、この点も確認したいポイントです。
小売業:販売管理システム選定ポイント
小売りではどのような選定ポイントがあるのか以下で紹介していきます
店舗内を効率的に運営できるか
小売業で販売管理システムを選ぶ際に、注目すべきポイントは「店舗運営を効率的に行える機能の豊富さ」にあります。予算の管理をはじめ、日ごとの売上と売上目標の差を管理し、グラフにすることで視覚化する機能などは、小売業者の業務を加速させるでしょう。
データを一括管理できるか
小売りでは発注の管理や伝票作成、税金管理、在庫管理など様々データ管理を正確に行う必要があります。そのため販売イベントの計画から実績までを一元で管理し、把握することができる機能を搭載している製品を選ぶことで、今後の改善点の洗い出しを行う上でも大いに活躍するでしょう。
以上のように、販売管理システムを導入することで、小売業者の店舗運営業務を効率的に行い、PDCAサイクルを円滑に回すことを実現できるのです。
自社の業種に合った製品を検討・導入しよう
現在、市場には豊富なバリエーションの販売管理システムがリリースされており、メインターゲットとする職種や、備わった機能も様々です。自社に必要な性能は何か、という点をブラッシュアップした上で製品を比較することで、自社に最も適した製品を選ぶことができます。
今回ご紹介した選定のポイントと併せて、自社の業務効率を改善する販売管理システムをしっかりと見極めて導入してみてください。
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