残業パトロール
(提供:シンクスクエア)

同社によると、残業の原因となっていたのは、顧客の不在時に夜間のシステム保守を行う業務。深夜残業が必要で長時間労働につながっていたという。こうした状況を改善するために社長自らがプロジェクトリーダーとなり、残業削減に取り組んだ。

具体的には、深夜残業が必要な保守担当のエンジニアには、遅い時間に出勤ができる「特別シフト」の勤務制度を新設。制度を社内で徹底して軽減を図った。また、「業務が終わるまで帰れない」という意識を持っていた若手社員の意識改革も行った。

取り組みの詳細表
(提供:シンクスクエア)

一方で、社内で社長がパトロールを行い、定時での退社を促す声かけを実施。社員に「時間までに仕事を終わらせる」という意識を植え込んだ。同時に、エンジニアに業務内容と割いている時間について、日報で詳細に報告させることで業務量を把握した。

その結果、上司が業務負荷の多い社員や効率の悪い作業を確認できるようになり、改善のアドバイスを行えるようになったという。上司が助言する時間を増やすため、幹部会議も週一回から月一回に減らした。

そのほかにも、日報からエンジニアが仕事をする上で悩むポイントなどを抽出して手順書を作成。エンジニアが参照することで、業務の遂行がスムーズになり残業時間がさらに減ったという。

同社では今後、残業削減の意識付けを社員全員に徹底するほか、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やAI(人工知能)を活用し、書類の作成の業務を自動化するなどの施策を予定しており、働き方改革を加速していく考えだ。

編集部のココがポイント!

IT業界ではエンジニアなどの長時間労働が常態化しています。総務省の調査では、週60時間以上を働く雇用者の割合は情報通信産業で9.2%と、全産業の8.2%を上回っています。

その原因として、厚生労働省では、受発注の仕組みや仕事の特性を挙げています。例えば、ソフトウェア開発であれば、複数のエンジニアがチームで仕事を行うため、作業の進捗や製品の品質管理が難しく、個人の経験やノウハウに依存していることがあります。また、働く場所が開発プロセスで自社や客先に変わることなどもあります。

エンジニアに限らず、長時間労働の抑制には、シンクスクエアのように社長自らが声がけして、制度作りや意識改革をするといった取り組みが解決策の1つになるでしょう。業務の見直しでは、特定の社員に集中している業務を、ほかの社員に割り振る負荷分散、制度の見直しでは裁量労働制やノー残業デーの導入なども考えられます。

また、プロジェクトによって働く場所が変わる場合には、テレワークのような場所に縛られない働き方を導入することも有効でしょう。まずは勤怠管理システムを使って正確な労働時間の把握することから始めるのもよいでしょう。勤怠管理システムの中には、モバイルで打刻できるなど、テレワークに適したものもあります。

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