こんにちは! 『ITトレンドスタイル』ライターのあやかです。2018年7月26日、「テクノロジーと企業経営の未来を考えるカンファレンス SPIC2018」に潜入しています! 今回、レポートするセッションは「テクノロジーの力で人事・労務はどう変わるか」

人事・労務担当は、「働き方改革」を推進する中核的な役割を担うことが多いですよね。でも、「通常業務で忙しすぎて、改革の戦略立案や推進の実務を手がける余裕がない」という声をよく聞きます。テクノロジーを活用することで、少しでも「通常業務」が効率化され、ラクになれば、改革を推進するための時間を捻出できるはず。つまり、「人事・労務」分野の業務におけるテクノロジー活用は、「働き方改革」推進のスピードをより上げていくための切り札ともいえる!

よし、このセッションに参加して、“働き方改革推進の切り札”となりえるテクノロジーたちを紹介しちゃいます!

未経験者でも採用業務ができる!

人事・労務分野におけるテクノロジー活用の具体的なお話をしてくださったのは3社。エーザイ株式会社、株式会社一休、株式会社AMTの人事・労務担当の方々です。

まずは、エーザイ人財開発本部タレントストラテジー部マネージャーの原四季子さんのお話から。エーザイさんは、締め切りに間に合わせるために徹夜して原稿を書き上げたあと、お肌が気になったときの私の秘密兵器、『チョコラBB』を販売している会社さん! …と思ったら、『チョコラBB』のような一般向け商品よりも、医療用薬品の研究・開発・製造販売がメインなんだそうです。

エーザイ株式会社 人財開発本部 タレントストラテジー部 マネージャー 原 四季子さん
(所属・役職は取材当時)

エーザイさんは以前から社員の定着率が高かったので、中途採用は「社員が辞めたときに、その欠員を補充する」という意味合いで、たまにおこなわれるだけだったそうです。でも、2016年に「10ヵ年採用計画」が制定されてから、ガラッと変わったのだとか。

「計画では『新たなイノベーションを起こしていく人材を獲得していくために中途採用に力を入れる』ことを目標に定めました。これまでとは異なる、戦略的な採用活動をおこなわなくてはなりません。それを効率的におこなうためにはシステム化が不可欠と判断したのです」と原さん。

導入までにはなんと6社の採用管理システムを比較検討。かなり慎重に検討を重ねたことがわかります。「一度導入したら、ずっと使用するものだからこそ、責任をもって選びました」とのこと。

比較ポイントとして、直感的な操作性・UIをはじめ、コスト面、導入へのハードル、面接官にとっての使いやすさ、などの観点で検討。とくに重要視したのは、「採用業務の未経験者であっても使える」ことだったそうです。

「当社は採用担当を事業部ごとのローテーションで回しています。そのため、ずっと採用をやってきた人はいません。つまり、いつも採用初心者が採用を担当しなくてはならない。そのため『誰が担当してもすぐできる』が最も大切でした」。

この点で、UIがわかりやすく、採用業務の専門知識がなくてもあつかえる『HRMOS採用管理』(株式会社ビズリーチ)を選んだそうです!

導入後は採用の工数が減少し、データの一元管理ができているんだそうです。「今後は蓄積したデータをもとに、自社オリジナルの中途採用システムの構築につなげていきたい」と原さんは話していました。テクノロジーが企業の中途採用のインフラをつくった、とも言えますよね。これって、すごい!

“機能おぼれ”から「したいこと」を絞って実現

次の事例は一休さん。宿泊予約サイトとレストラン予約サイトを柱に事業展開している会社です。とんち好きのお坊さんの名前ではなく、創業者のお母さまの愛犬の名前が社名の由来。「“一級”のホテルで“一休”み」というサービスの目的とも一致する、ステキな社名ですね! Web領域だから、とても新しい会社さんかと思いきや、2018年7月で創業20周年を迎えたんだそうです!

お話を聞かせてくれたのは、同社で執行役員 CHRO 管理本部長を務める植村弘子さん。

株式会社一休 執行役員 CHRO 管理本部長 植村 弘子さん
(所属・役職は取材当時)

「2016年に人事へ異動してきたんです」という植村さん。ちょうどそのころ、社員数が200名を超え、人事管理を担当者の記憶に頼るのは難しい規模になってきた時期だったそうです。そこで社員情報のデータベース化できるツールを比較検討して導入したところ──。なんと、失敗に終わってしまったんだそうです。

「『いろいろできそう』と導入したツールだったのですが、1年間使ってみて、逆に機能がいっぱいありすぎて…。社員が『機能おぼれ』をしている現状に気づきました。なにを本当にすべきなのか、わからなくなってしまっていたのです」と、植村さんは実感を込めて話します。うーん、確かに。いろんな機能があると、「あれもこれも使ってみないと損だ」ってなりがちですよね。

そこで原点に立ち返り、「そもそもなにをしたいのか」を整理したのだそうです。まとめてみると、3つあったそうです。

  • 人材情報の管理を一元化したい
  • 増えた社員のデータをきちんと管理したい
  • 社員に個々のタレント性をもっと発揮してもらい、会社にインパクトを与えてイノベーションが起きるような“揺らぎ”を与えたい

既存のツールは、3つの「したいこと」を実現するには不十分な点もありました。そこで、3つを完全に実現してくれるツールを探した結果、『カオナビ』(株式会社カオナビ)にたどり着き、改めて導入したのだそうです。

導入後は、「まるで“人材辞典”のように使っています」と植村さんは言います。以前は、「Aさんってどんな人だっけ?」を知りたければ、Aさんの部署の上長にヒアリングする時間が必要でした。でもいまは、「『カオナビ』でAさんの項目を“引く”ことで、一発でわかるんです」とのこと。社員データをファイリングする必要も、ファイル棚を探す必要もなくなりました。「1日当たり1時間の作業時間が5分に短縮された感覚をもっています」。すごい効率化になったんですね!

ほかには、毎月おこなう社長と社員のランチミーティングにも変化が。植村さんが社員の中からミーティング対象者を推薦するとき、『カオナビ』で社員の顔写真を見ながら、さまざまな切り口から検索してセッティングできるようになったんだそうです。「毎日何度も何度も見る『カオナビ』は、“私が持つべき目線”を客観的に教えてくれる、よき相棒です!」と、植村さんが力強く話していたのが印象的でした!

キーワードは「誰でも使えるシンプルさ」

3人目の登壇者は、AMTさんで管理本部長を務める小俣秀樹さん。AMTさんは、東京・銀座でフレンチレストランや、ブルガリア大使館公認のブルガリア料理店を運営している会社さんです。ブルガリア料理ってどんな味なんだろう? 食べてみたい!

株式会社AMT 管理本部長 小俣 秀樹さん
(所属・役職は取材当時)

AMTさんが直面していた人事・労務面での課題。それは、従業員数の増加に管理部門の強化が追いつかず、人材の入社に関する手続きひとつとっても、手が回らなくなっていたこと。「管理のための人材を募集しても、人件費の制約もあって、なかなか思ったような人材確保ができない。それならばシステムでなんとかできないか、と考えたわけです」と小俣さんは話します。数社のシステムを比較検討した結果、『SmartHR』(株式会社SmartHR)を選んだそうです。

労務の手続きをペーパーレスで進められる『SmartHR』。行政に提出する書類の作成、マイナンバーの収集管理、年末調整関連業務など、すべてがオンライン上で可能になったんだそうです。

飲食業は、社員の入れ替わりが激しく、アルバイトの労務管理までを入れると膨大な手続きが発生します。そんな中で『SmartHR』を導入したことで、「業務がシンプルになった」のがいちばんの変化だったそうです。

「業務効率化のためにシステムを導入する場合、『ワンストップのツールで管理したい』と思いがちですよね。でも、実はそれだけ担当者が覚えなくてはいけないことが多かったり、使いこなすのがなかなか大変だったりするんです。とくに飲食業界では、1名の担当者がシステムを使いこなせればよいわけではありません。たとえばアルバイトを管理しているのは各店舗の店長。そうしたポジションの社員も含めて、みんなが使えることがいちばん大切です。『SmartHR』は、ITリテラシーが低い社員でも使えるシンプルなシステムであることが大きなメリットでした」と小俣さん。

実際、AMTさんは秋田でも飲食店を経営していて、秋田にいる社員も『SmartHR』を使えているんだそうです。システム導入後、小俣さん自身が削減できた業務時間は月40時間ほど。そのぶん、秋田を含めた現場の店舗に出向き、バックオフィス業務の指導をするといったことにあてているのだとか。

「小さな会社でも、テクノロジーを活用することで 働き方改革はできる、と感じています。改革を推進することで『飲食業界はブラック』というイメージを払拭していきたいですね」。カッコいい!

解決したい課題にマッチしたシステム選びを

業務を効率化できるツールなら何でもいい! というわけではないのだなぁ…というのが率直な感想です。「本当にやりたいことは何なのか」を見極めたうえで、「シンプルで使いやすい」システムがいい、ということであれば、それをかなえてくれるシステムでないと、人事・労務の課題を解決できないのですね。

…もしかして、私が原稿書き上げるのが遅いのは、私の遅筆のせいではなく、パソコンが使いにくいから? そうだそうだ、そうに違いない! 編集長に最新のパソコンが欲しいとおねだりしてみよう! 以上、ライターのあやかでした!

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バックオフィス業務のムダ、どこまで削減できる?【SPIC2018潜入レポート④】

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テクノロジーで生産性向上、どこまでできる?【SPIC2018潜入レポート①】
コミュニケーションの促進で生産性向上はできる?【SPIC2018潜入レポート②】

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