こんにちは! 『ITトレンドスタイル』ライターのあやかです。編集長、よく聞いてくださいね。これからはIoTですよ、あい・おー・てぃー。えっ? 「なにがあったんだ?」ですって? 一昨日、回転ずしに行ったんです。そうしたら、全部客席にあるタブレットから注文できるんですよ。ビールも、です! で、お寿司は当然機械で運ばれてくるし。これが「IoT」かぁ…って感動していたんです。…編集長、無言でにらむのはやめてくださいよ。えっ、「イベントに行ってイチから勉強して来い」? 商売繁盛につながるITツールを紹介するフェアがあるんですか! おもしろそう! では、ちょっと行ってきますねー!

ITツールを味方につけて商売繁盛に活かす

「IT導入で商売繁盛!」をキャッチコピーに、さまざまな現場でITツールを活用している取り組みを紹介する「プラスITフェア2018」。経済産業省さんが後援し、全国10ヶ所で開催されるこのイベントは、毎回、中小の飲食店や小売店の方々にとても人気なのだとか。回転ずし店の経営者さんも来ているのかな?

2018年6月12日、イベント皮切りとなる東京会場は、東京日本橋タワーにあるベルサール東京日本橋です。会場へ行く前に、タワーの地下1階の某コーヒーショップさんへちょっと寄り道。 OEDO(お江戸)をテーマにした和風な感じのコンセプト店でしか食べられない『抹茶クリームあんみつ』をどうしても食べたかったんです! だって、友だちがInstagramにあげて自慢するんだもん!

…おいしい。あぁ、至福のひととき。うーん、やっぱり商売繁盛の秘訣って「いい商品」なんじゃないかなぁ。ITツールって関係あるのかな? そんな、イベントの意義そのものに対する疑問を抱きつつ、いざ会場へ!

会場には、お店で使われるITツールがたくさん展示されていました。めずらしくて眺めているうちに、いよいよセミナースタートの時間に。ワクワクです!

「IT導入補助金」が活用された分野とは

まずは、本イベントの後援もしている経済産業省さんによる「IT導入補助金」についてのセミナーから。中小企業が生産性向上のためにITツールを導入するとき、その費用に対して補助をしてくれる制度です。セミナーでは、IT導入補助金を使って導入されたITツールの種類ランキングが発表されました。興味深かったのは、業種によってそれぞれ人気のツールが異なることでした。

ひとくちに「業務の生産性を上げるのにITツールを活用する」といっても、対象となる業務はさまざまです。「卸・小売」のように物販をメインにしているところは「商圏分析」「顧客分析」「集客」「売場づくり」「接客」「決済」「配送」「調達」「販売管理」「要員管理」といった業務があります。このなかで、IT導入補助金による導入例が最多だったのは「販売管理」にかんするシステム。つまり、「お客さまがなにを買ったのか」のデータを収集できるツールが人気だったのです。

これに対して、「飲食」だと、「商圏分析」「集客」「接客」「調理」「提供」「決済」「販売管理」「要員管理」「商品開発」といった業務があります。このなかでIT導入補助金によるツール導入がいちばん多かったのは「接客」。つまり、店員さんとお客さまとのコミュニケーションで活用できるツールを導入したところが多かったわけです。私が回転ずし店でみた、タブレットから注文する仕組みもそのひとつですね!

今後、増えていきそうな分野としては、まず「配送」への適用。「人手不足で商品の配送ができない」というのは商売として致命的ですが、ここが大きな課題なのだそうです。そういえば宅配の値上げも、大きな話題になりましたもんね。

もうひとつは、「要員管理」の分野。とくに勤怠管理はできるだけIT化して、そこに割く時間を減らしたいところなのだそうです。アルバイトの複雑なシフト管理を簡単にできるITツールも出てきていて、有望だそうです。

ちなみに経済産業省さんとしては、「商圏分析」「顧客分析」「集客」といったマーケティング分野にもっとITを活用してほしいという考えです。なぜなら、日本の中小企業全体を見たとき、「マーケティングスキル」が弱い傾向にあるからだそうです。確かに。私が『抹茶クリームあんみつ』を知ったのも、友だちがInstagramに上げてくれたからだし、ITのおかげですね。いい商品をもっているだけでは商売繁盛にならないのだなぁ…。

世界中から注文が殺到するサイトに

続いて、セミナーは具体的な導入例のお話へ。まず、小売業・製造業などの企業の海外進出を、越境ECサイトの構築・運用サポートで支援するジェイグラブの代表、山田さんのお話です。ジェイグラブが取り扱う『Magento』を導入することで、海外向けの多言語・多通貨対応型で、かつ使いこなしやすいECサイト構築を比較的安価におこなえるそうです。それまではきちんと構築すると300万円~1,000万円かけていたものが、なんと100万円以下に抑えられるそう。素敵。

しかもこれがIT導入補助金に認定されているため、「海外に展開したい…だけど…」とまだまだ不安のある事業者さんにとっては、IT導入補助金を使ってさらに投資を抑えるかたちでチャレンジできるため、近年ぐっとお問い合わせが増えているそうなんです。

実際に導入したコスメ系の事業者さんは、導入してからすぐ、まだ使い方さえ手探りの段階にもかかわらず、早速アメリカから自社ブランドの化粧品に注文が入り、その後もリピート注文を受け、まだまだ知名度の低かった自社ブランド製品が順調に海外販売実績を重ねているそうです。その他にも、国内産の手ぬぐいにも海外から注文が入っているのだとか。

バックオフィスの体制の面でも、プロダクト導入のメリットがありました。楽天やアマゾンといった複数のモールに出店したとしても、注文を一元管理できるのだそうです。モールごとに異なるデータ管理のフォーマットを突合する業務がなくなり、労働時間を約30%短縮。専任を置く必要がなくなり、兼任でバックオフィス業務をおこなえるようになったのだそうです。それってかなり大きな「働き方改革」ですよね!

えぇっと、たったひとつのITツールを導入しただけで、こんなにも違うなんて…。「商売繁盛にITは関係ない」なんて、ちょっとでも思ってしまってごめんなさい。

1つのITツールを攻めにも守りにも活用

次はカシオ計算機さんからのお話です。カシオ計算機さん?たしか時計やカメラ、計算機のメーカーさんだったような …。と思ったら、私が勉強不足なだけでした。カシオ計算機さんは昔から店舗向けにレジを製造・販売していて、その流れから販売管理システムも提供。その中でも『楽一販売管理システム』は販売開始から25年、累計販売数10万台を突破しているのだそうです。すごい!

おもに卸・小売に向けたサービスで、勤務時間の短縮、業務効率化、顧客情報の集約・共有に活用できるシステム。あるカラオケ機器のリース会社さんの導入事例が紹介されていました。機器のユーザーさんが「いつどのくらいの頻度で修理をしているか」といった情報を管理することで、顧客がいまどんな動きをしているかを把握。「それまでこまめに修理していたのが、一定期間、修理せずに放置している場合、設備更新を考えている可能性がある」といった分析をしてアプローチ策を考えるのだそうです。「ちょうど新店舗をオープンしようと思っていて、そのタイミングで全店舗の機器を更新しようと思っていたんだよ」なんてケースもたびたびあり、売上アップにつながっているそうです。ITがすごい武器になっているのですね!

社内の体制としても、顧客管理をすべて手作業かつ紙ベースで管理していた昔に比べれば、顧客管理業務にさく時間の大幅削減が実現。それにくわえ、社内で顧客の情報共有ができるようになりました。「自分のお客さまは自分だけで管理。その人だけしかわからない」から「会社が取引しているすべてのお客さまの状況を全員が把握できる」へ。担当者不在でお客さまの質問にすぐこたえられなかったり、担当者の退社後の引き継ぎがうまくできなかったり、といった問題が解消されました。そして、「そのお客さまの課題にはこうこたえたらいいんじゃないか? 以前、僕にも似たよう経験があってさ…」といった具合に、社内のコミュニケーションが活発になったそうです。まさに人と人をつなぐITですね!

ITツール選びは「最先端」より「自社へのマッチ度」

最後の登壇者は、中小企業のIT活用マガジン『COMPASS』編集長の石原さん。熱い講演でした!

石原さんは「売上が上がればそれでよい、ではダメ」と言います。売上が上がり、顧客が増えていったとき、対応できる体制が整っているかどうか。人口減少のなか、「働き手から選ばれる会社にしていく」工夫をして、「顧客が増えたときに対応できるようにしておく」という発想が必要だと説いていました。

一時的な売上アップのためのITツールや、人手不足への対応として無人店舗にするためのITツール。それらは中小店舗の抱える問題を根本的に解決することになりません。「働き手から選ばれる会社にしていくこと」「顧客が増えた場合に対応できる体制を整える」ためのITツールを導入するべきだと話していました!

たとえばある保育園では、乳幼児の突然死を防ぐためにITツールを導入。園児ごとに監視して「この子動いていないよ」というアラームをくれる。それによって「万が一」を防いでいるのだそうです。導入するべきITツールの選択肢は無数にあるものの、「これがいまの最先端!」という宣伝文句にまどわされず、業種・業態にあったITツールを導入することがいちばん大切なのだそうです。

そして、もうひとつ大切なことは、ITツール導入によって「時間や手間を削減できた」で終わらせてはいけない、ということ。「その余った時間をお客さまのために使うこと」だと話されていました。「この時代の変化をキャッチして、地域を強くするのは中小企業のがんばり! がんばっていきましょう!」という石原さんの呼びかけに、ひときわ拍手が大きくなったのがすごく印象的でした。


確かに、最先端の機器が導入されて、無人店舗になった回転ずしよりも、職人さんが握ってくれる昔ながらのお寿司屋さんだけど、実はバックオフィスでは魚の鮮度管理やご飯の炊き具合の管理にITが活用されている…なんていうお店のほうが、私は好き! そうだ、全国のお寿司屋さんを私が会社の経費で回って、ステキなお店をレポートする企画なんかいいかも? よし、さっそく編集長に提案してみよう! 以上、ライターのあやかでした!

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