テレワークの項目別ルール作り

労働時間管理

労働時間の管理は、客観的に把握しなければいけません。しかし、在宅勤務のようなテレワークの場合には、上司などの管理者の眼が届かないため、電話やメールで申告して管理する場合がほとんどです。また、労働制度での「事業場外みなし労働時間制」や「専門業務型裁量労働制」の場合にも、日報などで勤務状況を把握することが必要になります。

給与・諸手当

通常の勤務と業務内容、職種、勤務時間のいずれかに変更があるときは、給与・諸手当の変更が必要です。業務内容が同じでも、育児を目的とした在宅勤務などは時間が短くなることが多いため、その場合は給与・諸手当の見直しが必要になるでしょう。

人事評価制度

オフィスと離れた場所で業務を行う従業員について、どのように人事評価をするかは、在宅勤務を導入する上で重要なポイントの1つです。もし、オフィスで通常勤務する従業員について「人物評価」を重視で評価している場合、在宅勤務で働く社員には「成果主義の評価」に移行することが望ましいとされています。

安全衛生と健康管理

労働安全衛生法でも職場環境の整備や従業員の安全確保が定められています(参照:労働衛生基準法第3条)。在宅勤務でも同じように働く環境を整えなければいけません。勤務場所が自宅である在宅勤務の場合でも、プライバシーに配慮をしつつ、作業環境の標準化は必要です。一定の作業環境が保持されるとともに、健康管理にも配慮するルールを作成する必要があります。

労働災害

在宅勤務で働く従業員にも、通常勤務と同じように業務上の災害には労災保険が適用されます。ただし、自宅などで作業する場合に、私的行為中の災害は業務上の災害には該当せず、労災保険の適用外となります。また、災害を防止するためにもマニュアルを作成するなどして、従業員の意識向上を図りましょう。

費用負担

テレワークには通信機器の利用は不可欠です。その場合の費用負担について、事前に明確にしておくことが必要です。費用が発生する項目は以下の4つとされています。

(1)機器の費用
パソコン本体、携帯電話、モバイル端末などです。多くの場合は会社から貸与します。
(2)通信回線費用
在宅勤務制度を利用する場合には、自宅に通信回線が必要となります。その場合には通信機本体の通信費用と工事費がかかります。費用については、通信機器本体を会社から貸与し、無線LANなどの通信費用も会社が負担する場合、そして、自宅に回線を引くと、従業員が私用でも使用する可能性を考慮して、工事費だけを会社が負担する場合があります。
(3)文具消耗品、備品、宅配便費用など
文具消耗品は会社が支給します。在宅勤務者が郵送物を送るの場合は、「切手などを事前に渡しておく」「会社に宅配便を送る場合は着払いを指定する」など、会社負担で対応します。もし文具消耗品などが必要なときに不足していた場合は、社員が立て替えて、後で精算をします。
(4)水道光熱費
自宅で作業する場合、「私的利用分」と「業務利用分」との切り分けが困難であるため、手当に含めて一定金額を支給するなどの対応が必要な場合があります。

社員教育・研修

従業員の能力を高めることに積極的な企業は多いでしょう。しかし、在宅勤務の社員は、特にOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)をはじめとする教育を受ける機会が少なくなります。この点を考慮して、在宅勤務の従業員も成長の機会が与えられるように、研修の機会を作ることが大切です。

その場合、OJTは指導担当をつけて、メールや電話を使って行うことができます。また、研修は教育ビデオやeラーニングなどを使って学習できる環境を整備しましょう。

連絡体制

在宅勤務者はどうしても会社とのコミュニケーションが不足してしまいがちです。そこで、連絡体制と緊急対応などについてルールを作成して、コミュニケーションの不足を解消することに努めましょう。そのためには、以下に示すようなルールを、事前に作成しておくとよいでしょう。

  • 業務時間の開始・終了報告
  • 部署内の書類回覧
  • 定期連絡・緊急連絡
  • 定例会議
  • 通信機器などのトラブル


必要な項目を事前に把握できれば導入はスムーズに進む

テレワークでの在宅勤務の導入に向けて労務管理制度では、多くの項目についてルール決めや、社内・社外との調整など準備しなければいけないことが多くあります。

しかし、いざ導入を検討するとなった場合、決めなければいけない項目があらかじめ把握できていれば、実施の判断やスケジュールの決定などの対応は変わってきます。

日本は少子高齢化で労働人口の減少が叫ばれています。テレワークは、その解決策の1つとして、導入することで仕事と育児の両立が難しい人などでも自宅などで働けるようになるため、労働人口の確保につながることが期待されています。

働き方改革で在宅勤務の導入を前向きに検討する企業や担当者の方にとって、今回の記事が参考になれば幸いです。

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