在宅勤務では、社内ネットワークを使って、社内にいる社員と同じように業務を円滑に行えるようなITシステム環境が理想的といえます。そのために重要になのは「コミュニケーション」と「セキュリティー」の2つの項目です。

コミュニケーション不足を解消するのはグループウェア

まずは、「コミュニケーション」についてです。

在宅勤務では、どうしても会社や同じ部署の人とのコミュニケーションが不足します。それを補うのがグループウェアです。すでにグループウェアを使っている企業も多いとは思いますが、ここでは導入していない企業に向けて、グループウェアで何ができるのかを説明します。

「グループウェア」とは、社内の情報伝達やスケジュール管理などの情報共有のためのITツールです。メーカーによって様々な機能がありますが、この項では基本的な機能を紹介します。

  • 電子メール機能
  • 電子掲示板(BBS)機能
  • ライブラリ機能(ドキュメント共有機能)
  • スケジュール管理機能
  • ワークフロー(電子決裁)機能
  • 会議室予約(設備予約)機能
  • ファイル共有機能

グループウェアには、一般的にこうした機能が盛り込まれています。そのため、基本的な機能を使うだけでも、社外から社内にいるのと同じように情報が共有され、承認申請などができます。

強化すべきはセキュリティー

一方、セキュリティーでは何が重要になるのでしょうか。

セキュリティー強化を考えるときに注意すべきなのは「ルール」「人」「技術」の3つです。この3つでバランスがとれた対策を実施することが重要です。

●ルール:セキュリティーポリシー(方針)などを決める
情報セキュリティーに対して、どのように取り組むかのルールを策定する。
●人:教育する
セキュリティーポリシーの遵守を社員に教育・啓蒙(けいもう)し、順守されているかを管理する。
●技術:必要なシステムを導入する
不正アクセス防止、ネットワーク暗号化、ウイルス対策、IDやパスワードによる認証などの対策を施す。

在宅勤務の導入を検討している企業の担当者は、まず、3つの対策がバランスよく行われているかを確認しましょう。

どうする? データ保存と社内システムへのアクセス

また、在宅勤務の導入でシステムのセキュリティーを考える際には2つのポイントがあります。

  • (1)使用する端末へのデータの保存
  • (2)社内システムへのアクセス(ネットワークインフラ)

この2点についての対応を決定した上で、セキュリティー対策を考えていきます。

(1)データ保存

●端末にデータを保存しない
USBメモリなどの記録媒体を使ってデータを移動して作業したり、端末に機密データを保存して使うことは、在宅勤務に限らず、どんな場合も避けるべきです。仮にデータを利用するに際して持ち出す方法でしか対応できない場合は、持ち出しのセキュリティーポリシー(方針)を策定し、社員に順守させる必要があります。
●シンクライアントとクラウドコンピューティング
端末にデータを保存せずに業務を行う代表的な方法としては「シンクライアント」と「クラウドコンピューティング」があります。

■シンクライアント
主にパソコンなどを端末に使い、端末内に最低限の機能だけを装備するシステムです。端末側に情報は保存されません。社内のデータなどを利用するときは、ネットワーク経由のリモートアクセスで参照します。

シンクライアントは端末にデータが保存されていないため、不要なデータの持ち出しが減少し、セキュリティーの強化につながります。一方で、システム導入には、それなりのコストがかかります。

■クラウドコンピューティング
ネットワーク経由で、コンピューターを利用する方法です。データはクラウド上に置くため、端末に保存する必要がありません。ネットワーク環境があればどこからでもアクセスできます。

クラウドは専用機器などが不要なため、機器の導入などが必要なシステムと比べて、コストを抑えられます。ユーザー数で月々の利用料を払う定額制、利用するデータ量による従量課金制などの料金体系があります。

(2)ネットワークインフラ

●テレワークのセキュリティー強化にはVPN

一般のインターネット回線は、ダイヤルアップ回線やブロードバンド回線などを使うため、悪意のある第三者によって、情報を盗まれたり改ざんされるリスクがあります。

そのリスクを低減するのが、VPN(仮想私設網)です。VPNは、仮想的に専用回線を構築する仕組みで、ネットワークを暗号化します。また、インターネット上に構築するVPNを「インターネットVPN」といいます。

テレワークでの在宅勤務やモバイルワークでは、一般のインターネット回線を利用することが多くなります。しかし、社内サーバーなどにアクセスするときは、VPNを使って安全性を確保するのがよいでしょう。

●インターネットセキュリティ
業務でインターネットを利用しているのであれば、ウイルスやスパイウェア対策、ファイアウォール、暗号化などのセキュリティー対策が行われていると思います。ただ、在宅勤務では、社内の機密情報にアクセスする機会が増えるため、今一度、社内ネットワークやインターネットセキュリティーの脆弱(ぜいじゃく)性を確認することが大切です。

IT環境を確認し、必要なシステムなどを整備することが成功のカギ

在宅勤務などのテレワークを導入するに場合のセキュリティー対策では、総務省が策定した「テレワークセキュリティーガイドライン」が参考になります。

テレワークでは特別なシステムを必ずしも導入しなければいけないわけではありません。ただし、セキュリティーポリシーやグループウェア、リモートアクセスの方法、インターネットセキュリティーなど、自社で利用するIT環境によっては、新しいシステムを追加導入したり、適切な環境に変更する必要が出てくるかもしれません。

テレワークで業務を安全で円滑に行うために、インフラやシステム環境の整備は重要です。制度とシステム環境の整備ができて初めて、テレワークによる会社全体での働く環境の変化が生まれるでしょう。システム環境の最適化が、テレワークの成功に直結するといっても過言ではないのです。

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