テレワークは、ワーク・ライフ・バランスを向上させたり、生産性を高めたりと、数多くのメリットがある勤務形態です。企業の働き方改革に一役買っていますが、実際にテレワークを導入してみると困るのがマネジメント。今回は、テレワークにおけるマネジメントについて、気をつけたいポイントを解説します。

テレワークにおけるマネジメントとは?

テレワークの最大の特徴は、自宅などオフィス以外の場所で勤務できる点にあります。通常のオフィス勤務とは勤務形態が異なるため、オフィスでおこなう一般的なマネジメントをそのままテレワークをおこなう社員に適用することは得策とは言えません。テレワークでは、上司が部下を同じオフィスの中で直接管理できないため、マネジメントを工夫することが重要です。

では、テレワークにおけるマネジメントは、何を、どのようにおこなうのでしょうか。その内容について見ていきましょう。

そもそもマネジメントとは?

テレワーク特有のマネジメントをご紹介する前に、まずはじめに一般的なマネジメントについて見ていきましょう。マネジャーは、チームとして成果を出すために、チームをうまく機能させる役割を担っています。そのため、マネジメントに不可欠な仕事として、大きく2つの仕事が挙げられます。

  • 業務の管理
    チームとしての業務がきちんと遂行されているか管理することは、マネジャーの大切な役割です。具体的には、プロジェクトの進捗管理や仕事の割り振り・管理を行います。
  • 部下の管理
    業務の管理を行うためには、上司による部下の管理が欠かせません。日頃から、部下がスケジュール通りに業務タスクを進行できているかどうかのチェック・フォローアップを行う必要があります。

テレワークにおけるマネジメントの特徴は?

次にテレワークにおけるマネジメントの特徴を見てみましょう。テレワークのマネジメントと一般的なマネジメントは、おこなう目的は同じであっても、部下の管理方法に違いがあります。

「遠隔でのコミュニケーション」にITツールを活用

総務省による分類では、テレワークには、自宅で作業を行う「自営型」と、施設に依存せず外出先や移動中、または所属している会社以外のオフィスで作業を行う「モバイル型」があります。どちらの形態においても、テレワークをおこなう社員は、上司や他の社員とは勤務場所が別になります。

そのため、テレワークでは、上司や他の社員と顔を合わせてコミュニケーションを取ることができません。定期的にタスク進捗状況のチェックやフォローアップをおこなうために、顔や資料をPCで共有しながら会議を進行できるWeb会議や、気軽にテキストやスタンプでコミュニケーションを取れる社内SNS・ビジネスチャットツールを用いるとよいでしょう。

「労働時間の管理」にITツールを活用

在宅勤務などのテレワークの場合、テレワークを利用する社員の労働時間を正確に管理することが難しい可能性があります。勤務時間を把握する方法として、PCログを収集して実際に働いていた時間を管理するログ管理や、クラウド上で打刻できる勤怠管理システムを導入し、しっかりと実態を把握できる仕組みを整える必要があるでしょう。

見落としがちな「テレワーク社員の悩み」

社員にとって働きやすい環境の実現や生産性の向上が期待できるテレワーク。しかし、実際にテレワークを実施しても、必ずしも良い効果ばかりが得られるとは限りません。ここでは、テレワークを利用するにあたって見落としがちな、テレワークをおこなう社員のお悩みを紹介します。

  • お悩み1:上司とのコミュニケーションが取りにくい
    テレワーク社員の悩みとして真っ先に挙げられるのは、上司とのコミュニケーションが不足したり、きちんと伝わっているか不安を感じたりすることです。オフィス勤務と比較して上司と会話するタイミングが減ってしまうため、もし上司からの指示が曖昧な場合、その後の作業をスムーズに行うことができなくなったり、進めていた作業にミスが発生してしまったりと、業務にも支障が出る可能性があります。
    また、相手の表情が見えないコミュニケーションでは、業務上での不安や疑問点をうまく伝えられない社員もいるでしょう。毎日オフィスで顔を合わせて働いていた社員が、テレワーク対象になり遠隔で働いていると、不安を覚えるのはごく自然なことかもしれません。
  • お悩み2:近くに相談できる人がいない
    テレワークでは、上司や他の社員が近くにいないことから、小さな問題が発生したときに、すぐに相談できるず一人で抱え込んでしまうかもしれません。その結果、たとえば納期の遅れや発注ミスなど大きな問題につながってしまう可能性もあります。
  • お悩み3:仕事とプライベートの切り替えが難しい
    テレワークでは、定時にオフィスに出社して仕事をする従来の勤務形態とは異なるため、仕事とプライベートのオン・オフを切り替えにくくなることがあります。人によっては、テレワークで働いているときの生産性が下がってしまう可能性も考えられます。
  • お悩み4:仕事ぶりを評価してもらえるか不安になる
    テレワークで働いていると、上司が部下の業務状況を直接確認できないことから、適切に評価されているのか不安に思ってしまう場合があります。上司の見えないところで働いているからこそ、「さぼっていると思われていないか」「評価が下がってしまうのではないか」と部下が不安になってしまうでしょう。

理想的な「テレワークマネジメント」をするために

テレワークを実施する際には、テレワークをおこなう社員をマネジメントするときに発生する課題を認識した上で、適切なマネジメント方法を採用することが重要です。テレワークの主な課題を克服し、社員の生産性を高めるためには、どのようなマネジメントをおこなうべきでしょうか。テレワーク社員に対する、目指すべき理想のマネジメントについて見ていきましょう。

  • コミュニケーション環境を整備する
    テレワークのボトルネックとして挙げられる大きな点は、コミュニケーション不足になってしまうということです。連絡した内容に齟齬が発生したり、テレワーク社員が孤独感および疎外感をもったりしてしまうことにもつながるでしょう。
    これらの課題は、Web会議システムを常時接続し、リアルタイム対面コミュニケーションが実現できるように環境を整備することで、解決に一歩近付くことができます。また、定期的なオンラインミーティングの実施や、社内SNS・ビジネスチャットを使ったコミュニケーションルールを設定することによって、報告・連絡・相談の徹底を図れます。
    このように、ITツールを活用した工夫を行うことによって、通常のオフィス勤務時と同等の円滑なコミュニケーションを目指しましょう。
  • テレワークに必要な情報セキュリティ対策をおこなう
    テレワークを行う際には、通常のオフィス勤務と比べて情報漏洩のリスクが高まります。社員がテレワークで用いる端末は、オフィスに設置されている端末と比べて管理しづらい状況にある場合がほとんどです。そのため、万全なセキュリティ対策は欠かせません。
    悪意のあるソフトウェアや不正侵入に対するセキュリティ対策はもちろんのこと、シンクライアントやVPNの導入により、社外から社内の情報にアクセスできるようにして、テレワークで用いる端末に重要なデータをなどを保持させない仕組みを構築するなど、テレワークでの情報の取り扱いをルールとして取りまとめることも大切でしょう。
    また、日頃から社員に対する情報セキュリティに関連する教育・啓発活動を実施することによって、情報セキュリティ対策面でのマネジメントを抜かりなくおこなうほうがよいでしょう。
  • 適切に労務管理・人事評価をおこなう
    テレワークのマネジメントの中でもとくに注意が必要なのは、労働時間の管理や、業務の進捗状況の把握です。テレワーク社員と上司が適切に勤務時間および進捗状況の共有をおこなえるようにしましょう。
    具体的には、労務マネジメントとして、始業・終業時刻を部下が上司に報告するようにしたり、上司が部下の在席・離席の確認をおこなったりするとよいでしょう。ただ、報告業務や監視業務として業務が増えかねないため、勤怠管理システムなどのITツールをうまく活用して、簡単に管理することも同時に検討しましょう。
    また、短期的な目標を設定し、その目標に対する業務の進捗状況を把握するようにするなど、テレワークにおいても、正確に人事評価をおこなうことが大切です。部下と上司が離れた場所にいても不安に感じさせないようなマネジメントを心掛けるようにしましょう。

まとめ

テレワークは、ワーク・ライフ・バランスを向上させ、社員の働くモチベーションや生産性向上など、数多くのメリットがあると考えられている勤務形態です。しかし、上司が部下の業務状況を直接確認できないため、コミュニケーションのとり方や、労働時間の管理および人事評価の面で課題がよく挙がります。

テレワークを実施する際のマネジメントは、テレワークの特徴を理解した上で、適切な工夫をすることが大切です。また、見落としがちな社員の悩みをあらかじめ把握した上で、チームの管理方法を確立することによって、テレワーク社員も納得感をもって働き、生産性もより高まると考えられます。

まずは自社内でテレワークをする必要があるのかどうかを考え、その上で、どんな制度やルールが必要になるか、どんなITツールを活用すれば解決できそうかを考えてみてはいかがでしょうか。

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