連結会計システムとして活用できる製品を比較!
まずは、単体もしくはシステムと連携して連結会計ができる製品を紹介していきます。
製品・サービスのPOINT
- 単体会計から連結会計、債権・債務や原価管理まで一貫サポート
- 豊富な業務系システムと業界ソリューションとの連携で全社最適化
- スキャナ保存など先進技術を採用。制度改正にもタイムリーに対応
株式会社オービックが提供する「OBIC7会計情報ソリューション」は、連結会計やグループ管理会計にも対応した会計情報ソリューションです。グループ企業の会計情報を収集して連結仕訳や資本連結仕訳の自動生成、予算対比などの管理連結が可能です。また、オプションでグループ経営における予算統制や収益先行予測、多言語・多通貨にも対応できます。
《SuperStream》のPOINT
- 連結決算や損益管理、キャッシュ・フローといった情報管理を実現
- IFRS(国際会計基準)にも対応
- 柔軟なコード体系で管理会計コードまでも保持可能!
株式会社日立システムズが提供する「SuperStream」シリーズの最新版「SuperStream-NX」は、国際財務報告基準(IFRS)対応の連結決算や損益管理を実現する統合業務パッケージです。グループ企業の会計情報を集約・更新し、グループ全体の決算早期化をサポートします。連結会計システム「BTrex連結会計」「DivaSystem」との連携が可能。
《MJSLINK DX 財務大将》のPOINT
- 管理会計機能が充実し、オプションが豊富な財務システム
- 多彩なモジュールと豊富なオプション
- 業界特有の会計処理を行う業種・業界へも対応
「MJSLINK NX-Plus 財務大将」は、株式会社ミロク情報サービスが提供する会計システムです。データを部署ごとに仮入力したり、分散入力しておいたデータを後から連結できたり、複数の子会社の決済情報をまとめて管理できます。また、グループ経営システム「BizForecast」と連携すると、連結会計業務や予算業務を効率化できます。
《GLASIAOUS(グラシアス)》のPOINT
- 世界で26ヶ国1,200社超の実績。日本国内でも多くの企業で利用中
- 法人規模/業態に合わせて利用範囲を選択でき、IPO準備にも対応
- 言語をボタン1つで切替。摘要には自動翻訳も利用可能
「GLASIAOUS(グラシアス)」は、ビジネスエンジニアリング株式会社が提供するクラウド型国際会計&ERPサービスです。グループ会社の財務諸表を本社フォーマットで参照・出力する機能のほか、グループ会社の内部取引を抽出する機能も搭載。さらに連結会計パッケージへの取込用ファイルの出力も可能です。多言語・多通貨にも対応し、国内外の拠点・グループ管理に最適でしょう。
《DivaSystem LCA》のPOINT
- 連結会計システム国内シェアNo.1※、累計導入実績1,100社以上
- 連結決算の標準業務をテンプレート化。初めての方でも安心
- 中小~大規模までノンカスタマイズでも導入可能な豊富な標準機能
「DivaSystem LCA」は、株式会社ディーバが提供する連結会計・連結決算システムです。決算準備~データ収集~連結数値作成~監査・開示・レポーティングまで、
一連の業務を簡単に・効率よく実施することが可能です。また、会計規則の変更に合わせ、自動でパッケージをアップデートされます。
STRAVIS
「STRAVIS」は、株式会社電通国際情報サービスが提供する連結会計ソリューションです。データ収集、連結精算処理、レポート作成など、連結会計業務に必要な機能が揃っています。制度連結だけでなく、管理連結業務にも対応可能です。
BTrex連結会計
「BTrex連結会計」は、株式会社ビジネストラストが提供するグループ企業での展開を想定した連結会計システムです。検証性や操作性、サポート体制、IFRS対応にこだわって設計されており、連結会計はもちろん、決算業務から管理会計分野まで対応可能です。
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連結会計システムとは
まず連結会計とは親会社と子会社、グループ会社を単一企業としてとらえ、まとめて決算を行う方法です。グループ企業間の黒字や赤字の付け替えなどの不正防止や、単体会計だけでは見えにくいグループ全体の経営判断が的確に行えるメリットがあります。
連結会計に必要な連結財務諸表の作成には、関連会社のデータ収集や選別が必要です。加えて会計基準や法令の確認・遵守などもあり、作業工数は非常に多くなります。このように複雑な連結決算業務をシステム化し、スムーズに処理するためのツールが連結会計システムです。「データの収集」を行い、「データを元に自動で仕訳作成」したものを帳票で確認できます。
連結会計システムの必要性
連結会計システムが必要な理由について見てみましょう。
連結会計に必要な業務は複雑
たとえば、新規に連結するには子会社のすべての資産と負債の時価評価が必要です。そのため、以下のような煩雑な作業が求められます。
- ○親会社の子会社に対する投資と対応する子会社の資本を相殺消去とする
- ○子会社の資本のうち親会社に帰属しない部分を少数株主持分とする
- ○連結会社間の債権と債務を相殺消去する
- ○債権と債務の相殺消去にともない貸倒引当金を調整する
- ○連結会社相互間の取引にかかる収益と費用を相殺消去する
また、グローバル企業では為替レートの計算もあります。
Excelでの管理には限界がある
こうした煩雑な作業をExcelだけで行うのは限界があるでしょう。どうしても専門知識や経験が求められるため特定の担当者による属人化の危険性があり、作業の標準化も困難です。
また、連結会計制度は頻繁に改正されます。それぞれの会計基準にその都度正確に対応していくのも手作業では難しくなっています。
なお、会計システムを既に導入していたとしても、各社で異なるシステムだった場合、会計処理や勘定科目が統一化されていないため、合算前に修正が必要です。情報収集は自動化できても、データの整合性確保までは難しいでしょう。
参考:四半期連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則
参考:連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則
連結会計システムを選ぶポイント
最適な連結会計システムを選ぶために確認しておくべきポイントをチェックしましょう。
機能
業種業態や子会社の数、経営スタイルなどに応じて必要な機能は異なるでしょう。自社にとって必要な機能の見極めも重要です。
連結会計システムに搭載されている機能は、主に以下のとおりです。一般的な会計処理ではなく、連結会計に求められる代表的な機能を紹介します。
- ●連結財務諸表作成
- 会計基準に準拠した連結BS・PL・SS・CFおよびセグメントデータを作成します。業務負担の軽減を実現します。
- ●連結予算作成
- 単体予算からの連結予算、前年実績からの連結予算を作成します。
- ●子会社情報収集
- 各子会社から、連結財務諸表作成に必要なデータや注記作成に必要な定性的なデータ等を収集します。エラーチェック機能によりデータの整合性を保つことができます。
- ●範囲連結
- 連結の範囲を定義し、複数のグループを対象にした連結財務諸表を作成します。
- ●サブ連結機能
- 親会社と子会社、さらに孫会社がある場合、子会社と孫会社のサブ連結財務諸表を作成します。
- ●多言語対応、外貨対応
- 海外のグループ企業でも利用できるようになります。
- ●IFRS(国際会計基準)対応
- IFRSは現在国内で導入が進んでいる新しい国際会計基準です。グローバルな会計処理が可能となるため、海外に拠点を持つ企業に適した機能です。
サポート体制
連結会計制度は頻繁に改正されるため、システム面でも都度対応が求められます。また、グループ再編などが行われる場合もあるでしょう。これらの変化に対して、どのようなサポートが受けられるのかも事前に確認しておくとよいでしょう。
また、連結会計やIFRSなどの専門的な経験が不足しているようであれば、コンサルティングが可能な事業者を選ぶことも必要かもしれません。
連結会計システムだけでなく、会計ソフトも比較しよう
会計ソフトの中には、紹介した製品のように連結会計を行えるソフトもあります。会計ソフトを導入することで、連結会計業務だけでなく会計業務の全体的な最適化が可能です。ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。