連結会計システムとして活用できる製品を比較!
まずは、単体もしくはシステムと連携して連結会計ができる製品を紹介していきます。
「MJSLINK NX-Plus 財務大将」 の比較ポイント
- 管理会計機能が充実し、オプションが豊富な財務システム
- 多彩なモジュールと豊富なオプション
- 業界特有の会計処理を行う業種・業界へも対応
「MJSLINK NX-Plus 財務大将」は、株式会社ミロク情報サービスが提供する会計システムです。データを部署ごとに仮入力したり、分散入力しておいたデータを後から連結できたり、複数の子会社の決済情報をまとめて管理できます。また、グループ経営システム「BizForecast」と連携すると、連結会計業務や予算業務を効率化できます。
OBIC7会計情報ソリューション の比較ポイント
- 単体会計から連結会計、債権・債務や原価管理まで一貫サポート
- 豊富な業務系システムと業界ソリューションとの連携で全社最適化
- スキャナ保存など先進技術を採用。制度改正にもタイムリーに対応
株式会社オービックが提供する「OBIC7会計情報ソリューション」は、連結会計やグループ管理会計にも対応した会計情報ソリューションです。グループ企業の会計情報を収集して連結仕訳や資本連結仕訳の自動生成、予算対比などの管理連結が可能です。また、オプションとしてグループ経営における予算統制や収益先行予測、多言語・多通貨にも対応します。
「Oracle NetSuite」 の比較ポイント
- 財務会計、各種業務アプリケーションを1つの経営基盤として提供
- 自動仕訳、税法対応により会計業務の効率化を支援
- Oracleの信頼性!充実のサポートと継続的なアップグレード
「Oracle NetSuite」は、日本オラクル株式会社が提供しており、財務会計や顧客管理、販売管理などの機能を集約して経営状況を可視化します。グループ会社の会計情報を一元管理し、連結会計を簡単に行えます。また、多言語、多通貨対応であるため、海外に関連会社がある場合でも連結会計が可能です。
eCA-DRIVER
「eCA-DRIVER」は、株式会社 TKCが提供するクラウド型連結会計システムです。グループ会社のレポーティング・パッケージを収集し、仕訳を自動で行います。さらに、連結処理や連結財務諸表の作成など、連結決算に必要な機能を多数搭載しています。
BTrex連結会計
「BTrex連結会計」は、株式会社ビジネストラストが提供するグループ企業での展開を想定した連結会計システムです。検証性や操作性、サポート体制、IFRS対応にこだわって設計されており、連結会計はもちろん、決算業務から管理会計分野まで対応可能です。
STRAVIS
「STRAVIS」は、株式会社電通国際情報サービスが提供する連結会計ソリューションです。データ収集、連結精算処理、レポート作成など、連結会計業務に必要な機能が揃っています。制度連結だけでなく、管理連結業務にも対応可能です。
「連結会計」とは
連結会計は1990年代後半から始まった会計ビッグバン(会計制度改革)の中で開始されました。1997年に連結財務諸表原則が見直され、2000年3月期から連結会計が財務諸表の中心となっています。
連結会計を行う理由
背景にはグループ企業間の黒字や赤字の付け替えの問題がありました。親会社が大幅に収益を上げると、子会社に黒字を付け替えて節税しようとします。逆に赤字に陥りそうになると、子会社に赤字分を押し付けて健全性を株主に訴えようとします。そこで、グループ企業は単体のほか、連結決算の情報も開示し、透明性を確保することになったのです。
連結会計を行うメリット
株主ばかりではなく、企業側にとってもメリットがあります。2000年以降はグローバル化が叫ばれ、海外に子会社を設けることが多くなりました。また、M&Aも頻発し、企業の単体会計だけではグループ全体の経営状況がわからなくなってしまいました。
連結会計を導入することで、グループ全体の経営判断が的確に行えるようになります。
連結会計システムの必要性
連結決算書は、親会社が子会社の決算書を収集し、合算や内部取引の消去などを行なって作成します。このように書くと単純な作業に見えますが、実際は極めて複雑です。
連結会計に必要な業務
たとえば、新規に連結するには、子会社のすべての資産と負債の時価評価が必要です。そのため、以下のような煩雑な作業が求められます。
- ○親会社の子会社に対する投資と対応する子会社の資本を相殺消去とする。
- ○子会社の資本のうち親会社に帰属しない部分を少数株主持分とする。
- ○連結会社間の債権と債務を相殺消去する。
- ○債権と債務の相殺消去にともない貸倒引当金を調整する。
- ○連結会社相互間の取引にかかる収益と費用を相殺消去する。
また、グローバル企業では為替レートの計算もあります。
Excelでの管理には限界がある
こうした煩雑な作業をExcelだけで行うは限界があるでしょう。特定の担当者に任せていては属人化してしまう危険性があり、作業の標準化も困難です。連結会計制度は頻繁に改正され、それぞれの会計基準にその都度正確に対応していくのも手作業では難しくなっています。
連結会計システムの機能
連結会計システムに搭載されている機能には以下のようなものがあります。一般的な会計処理ではなく、連結会計に求められる代表的な機能の紹介となります。
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●連結財務諸表作成
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会計基準に準拠した連結BS・PL・SS・CFおよびセグメントデータを作成します。業務負担の軽減を実現します。
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●連結予算作成
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単体予算からの連結予算、前年実績からの連結予算を作成します。
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●子会社情報収集
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各子会社から、連結財務諸表作成に必要なデータや注記作成に必要な定性的なデータ等を収集します。エラーチェック機能によりデータの整合性を保つことができます。
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●範囲連結
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連結の範囲を定義し、複数のグループを対象にした連結財務諸表を作成します。
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●サブ連結機能
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親会社と子会社、さらに孫会社がある場合、子会社と孫会社のサブ連結財務諸表を作成します。
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●多言語対応、外貨対応
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海外のグループ企業でも利用できるようになります。
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●IFRS(国際会計基準)対応
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IFRSは現在国内で導入が進んでいる新しい国際会計基準です。これに対応することでグローバルな会計処理が可能となります。
連結会計システムだけでなく、会計ソフトも比較しよう
以上の機能のほか、連結会計システムを選択する際は対象とする規模や価格のチェック、サービス提供事業者のサポート体制にも注目してください。また、連結会計やIFRSなどの専門的な経験が不足しているようであれば、コンサルティングも可能な事業者を選ぶことも必要かもしれません。
会計ソフトの中には、紹介した製品のように連結会計を行えるソフトもあります。会計ソフトを導入することで、連結会計業務だけでなく会計業務の全体最適化も可能なので導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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