社宅代行サービスとは
社宅代行サービスとは、アウトソーシングされた企業の社宅管理業務を請け負うことです。契約から入退去管理といった借り上げ・社有社宅にかかる全ての業務を代行します。
1990年代以降、企業は業務効率化を掲げ、アウトソーシングを利用し始めます。それに伴い、社宅管理業務の代行をビジネスとして売り出す企業も増えてきました。
社宅管理業務は不動産賃貸借契約の専門知識が必要なうえ、管理業務が多岐にわたり煩雑で、企業にとっては負荷の高い業務です。
そこで、企業の抱える課題に目を付け、不動産業界は社宅代行サービスを始めます。互いのニーズを満たすことができ、多くの企業でサービスが利用されるようになりました。このような背景の下、社宅代行サービスは浸透していったのです。
社宅代行のサービス内容
では、社宅代行はどのような業務を代行してくれるのでしょうか。サービス内容を詳しく見ていきましょう。
ほとんどの業務を任せられる
社宅代行サービスを利用すれば、社宅管理業務の9割以上を業者に任せられます。物件手配を始め、契約手続き、賃料支払い、帳票作成からトラブル対応に至るまであらゆる業務のアウトソーシングが可能です。
しかし、社宅代行サービスに委託できない業務もあります。その業務は以下のとおりです。
- 契約時
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- 契約更新時
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- 解約時
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社有社宅と借り上げ社宅でサービスが異なる
社宅は「社有社宅」「借り上げ社宅」の2種類あり、それぞれで提供されるサービスの内容が異なります。
社有社宅は企業が所有する不動産です。不動産管理が主な業務となります。以下が管理する主な業務です。
- ■入退去管理
- ■設備管理
- ■資産管理
- ■資産の有効活用の検討、提案、営業代行、契約業務
一方、借り上げ社宅とは企業が賃貸住宅を借りて社宅としたものです。物件探しから契約といった、賃貸住宅にかかる一連の業務がサービス対象です。管理する主な業務は以下のとおりです。
- ■物件の斡旋
- ■契約、更新、解約の管理
- ■支払管理(家賃支払、更新料、修繕費)
- ■入退去管理
- ■入金管理
- ■入居者の対応
社宅代行サービスのメリット
社宅代行サービスを利用するとどのようなメリットがあるのでしょうか。主なメリットを3つ紹介します。
ワンストップサービスが可能
管理する社宅の数が多いほど、業務は煩雑化します。ほかの業務を兼務している場合、担当者の業務負荷は、より大きくなります。また、借り上げ社宅は個人の家主が多く、自社で行う場合は個々に対応が必要です。
そこで、社宅代行サービスを使えば、一括で対応を任せられます。社有社宅、借り上げ社宅を問わず、入居する社員にも対応してくれます。
このように社宅代行サービスにより、社宅管理業務の効率化が可能です。業務効率化のメリットは、多くの社宅を抱える企業ほど効果を感じやすいでしょう。
季節による業務量の変動に対応可能
引っ越しを伴う人事異動が、年度末に集中する企業は多いです。社宅の解約や新たな契約を、所定の期日までに完結させなければなりません。企業規模が大きいと異動する社員も多く、担当社員はその業務に追われます。しかし、年度末だからと担当社員を増員するのはコスト的にも難しく、通常の人員で多くの業務をこなさなければいけません。
社宅代行サービスを利用することで、このような業務量の季節変動にも対応できます。季節によって一時的に生ずる膨大な業務に左右されることなく、通常の業務に臨むことが可能です。
専門知識を持った人材の雇用が不要
社宅管理業務は、不動産賃貸借契約などの専門資格や知識を必要とします。資格をもつ担当社員がいれば対応できますが、いない場合は自社で人材を確保しなければいけません。
社宅代行サービスであれば、このような人材の確保は不要です。さらに、不動産ネットワークを全国規模に展開する業者であれば、物件探しや現地でのクレーム対応といった業務をスムーズに行えます。
社内代行サービスのデメリット
社内代行サービスを利用することで「管理委託費用の発生」「情報漏えいのリスク」といったデメリットが挙げられます。
まず、自社業務をアウトソーシングするため、コストの発生は否めません。管理委託費用には書類の保管料や振込手数料などが含まれますが、委託する業務量が増えるとそれだけ料金は高くなります。
そのため、委託したい業者を精査し、必要なサービスを提供しているかを事前に確認してください。また、業者によりサービス内容や料金が異なるため、コストパフォーマンスの高い業者を選ぶことも大切です。
次に、社宅代行サービスの利用による情報漏えいのリスクです。社員の個人情報を業者に渡し、管理・保管してもらうことになります。
そのため、業者がどのような体制で情報を扱い、管理しているのかを事前に調べてください。さらに、サイバー攻撃や災害などにより情報が流失した場合の対策も業者と共有しておきましょう。
社宅代行サービス事業者による違い
社宅代行サービス業者によって、取扱物件数や代行できる内容が違います。業者を選ぶ際は以下のポイントを重視すると良いでしょう。
- サービス体制の充実度
- 社宅管理は業務が幅広く、専門性が問われます。委託できる業務が多いほど業務削減効果は高いです。また、得意分野を活かしたサービスを提供する業者もあります。例として、引っ越しの手配を行う、地域に密接した情報の提供などが挙げられます。
- 提案力の高さ
- 取り扱い物件が多い業者ほど、企業のニーズに合致した物件を紹介しやすいです。また全国展開の業者は、物件数も豊富です。また、企業の課題に合わせた提案を行える業者だと、安心して業務を委託できます。
- 企業の盤石さ
- 社宅代行サービスは、社員やその家族の個人情報も扱います。徹底した管理の下で情報を保管・管理しなければいけません。そのため、守秘義務や情報セキュリティにしっかりと取り組んでいるのかも大切な選定ポイントの1つです。
社宅代行サービスの内容を理解し、導入を検討しよう
社宅代行サービスとは、社宅管理業務を外部委託することです。社有・借り上げによりサービスは異なりますが、ほぼ全て委託できます。
利用時のメリットは以下のとおりです。
- ■業務の効率化
- ■業務量の変動に対応可能
- ■専門知識をもつ人材が不要
サービス内容は業者によって違いがあります。自社に合った内容で、費用対効果の高いサービスを選びましょう。
以上を踏まえ、社宅代行サービスの利用を検討してください。