リモートアクセスとは?
リモートアクセスを活用すれば、遠く離れた場所から特定のサーバやコンピュータにアクセスすることができます。以下、仕事にリモートアクセスを利用することの利点やセキュリティ面について解説します。
リモートアクセスは社外から社内データに接続できる
リモートアクセスを行えば、社外から社内のデータに接続することができます。会社のデータサーバが外部からのアクセスを完全に遮断しているような場合、ファイル1つを閲覧するのにもわざわざ会社に出向き、接続する必要があるでしょう。
しかし、リモートアクセスによって外部からのアクセスが可能になっている場合はその限りではありません。端末がインターネットにさえ繋がっていれば、出先や自宅といった場所からでも社内のデータにアクセスすることが可能です。
それにより、無駄な移動を減らし、業務の効率化が期待できるでしょう。
VPNによって安全なリモートアクセスが可能
外から社内のデータにアクセスできるのは便利ですが、「セキュリティはどうなんだ?」という疑問を抱く人もいるかもしれません。一般的に外部からのアクセスを許せば許すほどシステムのセキュリティレベルは低下しますが、それもVPNを活用すればある程度解決可能です。
VPNとは、「仮想プライベートネットワーク」のことです。接続が許可された端末と社内システム間にトンネルのようなものを作り、それを利用して相互通信を行います。
トンネルを作ることによって通信を保護し、さらにやり取りされる情報は全て暗号化されているため、外からでもセキュアな通信が行えるのが特徴です。VPNを利用すれば、あたかも社内のネットワークに接続しているかのようにデータを扱うことができるでしょう。
リモートアクセスを導入するべき企業の特徴
リモートアクセスに関する概要を解説しましたが、ではどのような企業がリモートアクセスを導入すべきなのでしょうか。一言でいうと「出先で社内のデータを閲覧・編集する必要がある業務」が多い会社です。
その辺りをもう少し詳しく見ていきましょう。
取引先で社内データを提示する必要がある
リモートアクセスを活用すると、出先で社内データを簡単に閲覧することができます。そのため、取引先で頻繁に社内データの提示が求められるような場合はリモートアクセスの導入を検討してみてもよいかもしれません。
もちろん、会社を出る前に必要な資料を作成するという手もあります。しかし、それでは手間がかかるのに加え、相手先に着く前にデータが更新されてしまう可能性もあるのではないでしょうか。
更新前のデータを参考にプレゼンを行っても説得力がありません。しかし、リモートアクセスを活用して常に最新のデータを提示できれば、そのようなリスクを軽減することが可能です。
社外でデータを編集することが多い
社外で内部データを編集する機会が多い場合もリモートアクセスの導入を検討しましょう。リモートアクセスが導入されていれば、営業先で行った商談を直後に日報にまとめたりすることができます。
ビジネスというものは、情報の精度が勝敗を分ける面もあります。リアルタイム性の高いやり取りができれば、それだけ適切な手を打ちやすいのではないでしょうか。
また、簡単な文章の編集なども外で行うことができ、その都度社内に戻る時間を省くことが可能です。そういった細かい業務効率化にも役立つでしょう。
リモートアクセスにおける44つのメリット
リモートアクセスを導入することによるメリットには、下記のようなものがあります。
・場所や時間に縛られない
・セキュリティが強化できる
・メールでは送れないデータのやり取りができる
・初期投資や運営費が低コスト
以下、それぞれについて詳しく解説します。
場所や時間に縛られない
リモートアクセスを導入すれば社外から社内のデータを閲覧・編集することができます。それにより、従業員は場所や時間に縛られず、自由かつ効率的に業務を進められるようになるでしょう。
従業員にどの程度自由を与えるかには諸説ありますが、「自由を与えることにより発想力が磨かれる」という説もあります。それに加え、場所を選ばず仕事を行えることによる従業員満足度の向上や、即時対応可能なことによる顧客満足度の向上も見込めるのではないでしょうか。
セキュリティが強化できる
リモートアクセスを導入する際に気になるセキュリティ面ですが、上述の通りVPNを構築すればある程度の解決が可能です。送受信しているデータを保護しないままやり取りするのは大変危険性が高い行為ですが、VPNを活用すればセキュリティ面を強化できるでしょう。
もちろん、社外からのアクセスを完全に遮断するのが最も(通信上の)セキュリティを高く保つやり方です。しかし、それは利便性を犠牲にしてしまうことも多いため、両者のバランスを適度に取ることが大事になるのではないでしょうか。
メールでは送れないデータのやり取りができる
リモートアクセスを使わずとも、インターネットを介すればデータのやり取りを行うことができます。しかし、それではメールを送る手間が生じる、サイズが大きいデータの送受信が難しいなどの弊害が生じます。
リモートでサーバにアクセスできれば、わざわざそのような手間をかけずともファイルの送受信が可能です。送信側はサーバにデータを置き、受信側は自分の都合のよい時にダウンロードすればこと足りるでしょう。
初期投資や運営費が低コスト
リモートアクセスは比較的低コストで導入可能です。本格的かつカスタマイズ性の高い専用システムを構築する場合はその限りではありませんが、一般的なアプリを使えば導入コストを抑えることができるでしょう。
リモートアクセスを導入する目的にはさまざまなものがありますが、「コスト削減」もその1つではないでしょうか。コスト削減を掲げる以上、システム導入の費用対効果には敏感になる必要があります。
「導入したはいいものの、コストの方が高くついた」といったことにならないよう注意が必要です。
リモートアクセスにおける3つのセキュリティ対策
リモートアクセスは社外からのアクセスを許可することになるため、セキュリティレベルの低下が避けられません。ここでは、セキュリティを高めるためにどのような点に気をつけるべきかを解説します。
セキュリティについてしっかりと学び、社内データを守りましょう。
データを暗号化して情報が盗まれないようにする
通信を行う際には、データを暗号化することが必須です。基本的に無線で行われている通信は傍受が可能であり、暗号化されていないものはその中身を盗み見されるリスクが生じます。
その一例としては、カフェなどで使用できる無料Wifiが挙げられるでしょう。無料Wifiサービスは一般的に通信が暗号化されておらず、同じスポット内にいる第三者に通信内容が傍受されてしまう可能性があります。
それを避けるために、送受信するデータは暗号化するのが一般的です。通常であれば無線通信を行う際にもデータは暗号化されますが、無料Wifiサービスのような例外もあります。
その場合はVPNを用いて仮想専用線を構築することで、セキュリティリスクを減少させることができるでしょう。VPNを構築すればトンネリングによる通信保護が行われ、加えて通信データの暗号化を行うことが可能です。
アクセスにおける認証と権限を管理する
データサーバにアクセスできるユーザーを制限するのもセキュリティ対策の1つです。アクセスにおける認証と権限を管理し、認められたユーザーのみアクセス可能にすればデータの保護に繋がるでしょう。
ユーザーの制限をかけずフリーアクセスにしていれば利便性は高いですが、セキュリティ面にリスクを抱えることになります。どのユーザーをどういった範囲でアクセスできるようにするかをしっかりと考え、利便性とのバランスを取りましょう。
また、アクセス権限にレベルを設けることも可能です。ユーザーはAはファイルの閲覧のみ、ユーザーBは閲覧と編集が可能といったような設定を行えば、セキュリティの強化に繋がります。
外部からのアクセスをチェックする
セキュリティレベルを高めるためには、外部からのアクセスを適宜チェックすることも重要です。外部から不審なアクセスがあった場合、それを基に対策することでセキュリティのレベルを上げることができるでしょう。
VPNを用いることで外部アクセスについての対策が可能です。適切なユーザー以外からのアクセスを感知した場合、セキュリティに穴がないかどうかを今一度見直してみてはいかがでしょうか。
リモートアクセスを理解して働き方改革を始めよう
リモートアクセスを用いれば、社外のデバイスから社内のデータにアクセスが可能になります。それにより、出先からファイルの閲覧・編集を行ったり、必要なデータを取り出すこともできるでしょう。
しかし、リモートアクセスにはセキュリティの問題がついて回ります。それを解決するための技術がVPNです。VPNを活用すれば通信を保護し、データを盗み見されるリスクを減少させられます。リモートアクセスおよびVPNに対する理解を深め、自社における問題点を洗い出し、働き方改革を始めましょう。