安否確認システムとは
安否確認システムとは、自然災害や人為災害が発生したときに、企業が従業員の安否状況を確認・集計・把握するためのシステムです。安否確認のための一斉メール配信機能や、回答状況の確認機能、情報交換ができる掲示板機能などが搭載されています。
災害発生時には、速やかに従業員とその家族の安否確認をし、企業として事業継続の可否を判断する必要があります。安否確認システムによって、迅速かつ正確な安否の確認を実現できるのです。
企業における安否確認の必要性とは
企業における安否確認は、災害発生時でもなるべく事業を滞らせないために必要なものです。
従業員の安全状況を把握しておくことで、それぞれに必要な情報を届け、適切な指示を出すことが可能になります。また、誰がすぐに出社できるかを見極めて、出社要請もできます。それによって、なるべく早期に復旧させ、長期的に事業をストップさせることで生じる損害を減らすことが期待できるのです。
事業継続計画(BCP)とは
なお近年では、災害が発生したときの従業員の安否確認とともに、「事業継続計画(BCP)」の策定が重要だとされています。事業継続計画とは、災害が発生した際に、被害を最小限にとどめつつ、なるべく早く復旧させるためにはどのような行動をとるのか、その方法や手段を前もって決めておく計画のことをいいます。
災害時にとった行動は、企業の社会的責任やその後の信用にもかかわる問題なので、マニュアル作成などを疎かにしてはなりません。
安否確認システム5つのメリット
多くの機能を備えた安否確認システムには、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。さっそく見ていきましょう。
1.自動配信のため迅速かつ正確に安否確認ができる
安否確認システムでは、地震などの災害が発生した際に、自動的に安否確認メールを配信する機能が搭載されています。そのため、従業員の安否確認を迅速に行えます。
多くの製品では、メールアドレスやSNS・電話番号などの複数の連絡先の登録が可能です。従業員に連絡がつくまで、何度も確認を繰り返す仕組みになっているので、確実に安否の確認ができるのです。
2.通信手段を確保できる
災害が発生すると、身近な人と連絡を取るために、すぐに電話をかけようとする人は多いでしょう。しかし、多くの人が連絡を入れると回線がパンクしてしまうので、つながるまで何分も待たなければならないという状況も珍しくはありません。
そんなときに安否確認システムがあれば、企業との連絡をスムーズに行うための通信手段として機能してくれるのです。また、製品によっては従業員の家族も登録できるので、災害時の家族間の安否確認の通信手段としても効果を発揮してくれます。
3.防災管理者の負担を軽減できる
災害が発生したときに手動で安否確認を行わなければならないと、多大な時間と手間がかかり、管理者はそのほかのことに手が回らなくなってしまいます。
このシステムは、安否確認に関する作業を自動的に行ってくれるので、確実に安否確認や災害情報を発信できます。そのため、災害時の管理者の負担を軽減できるのです。
4.BCPの策定に活用できる
先述したとおり、BCPは災害時の企業の復旧方法や手段を前もって決めておく計画のことです。
安否確認システムによる安否情報を収集・分析する機能を利用することで、災害時にどのような行動をとったかを事実にもとづいて把握できます。そのため、BCPのマニュアル作成などに大きく貢献するのです。
5.普段の情報収集にも役立つ
意外に思われるかもしれませんが、安否確認システムは災害発生時以外の平時にも、情報収集ツールなどとして利用できるのです。
一斉送信機能やアンケート機能を活用して、例えば、会議やイベントの出欠をとったり、従業員の健康状態を確認したりすることが容易に行えます。自動集計ができるので、回答結果の共有もスムーズです。また、普段から定期的に利用することで、いざというときにシステム操作に困らないための訓練としても有効です。
安否確認システムを導入するときの選び方
導入を検討する際には、どのような点に注目して製品を選べばよいのでしょうか。まず大事なことは、導入目的を明確にすることです。そして、目的のために必要な機能が搭載されているかを確認しましょう。
例えば、従業員によって連絡のつきやすい手段が異なる場合は、多様な連絡手段に対応した製品がよいでしょう。電話・メール・SNS(LINE・Twitter)など種類が多ければ多いほどよいのか、それとも年配の従業員が多いので固定電話やFAXを連絡手段として取り入れたいなど、具体的に検討しましょう。
また、従業員だけでなく家族の安否確認ができる機能もあります。製品によって標準対応しているものもあれば、有料オプションの場合もあるので注意が必要です。そのほか、外国籍の従業員も利用するのであれば、多言語対応しているかも重要なポイントです。実際の活用をイメージして、自社にとって最適な製品を選びましょう。
安否確認システムの選び方をより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。製品情報も紹介しているので、選び方を参考に比較検討してみてください。
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安否確認システム導入にあたっての注意点
安否確認システムを導入するにあたって、いくつか注意しておかなければならない問題があります。ここでは代表的なものを3つ取り上げます。
1.個人情報登録の理解と管理方法の確認
安否確認システムを利用して情報配信などを行うためには、従業員一人ひとりのメールアドレスをはじめとした個人情報を集めて登録する必要があります。その際、個人情報の提出を強要してはいけません。あくまでも従業員の理解があったうえで登録するようにしてください。
また、集めた個人情報の取り扱いについても、収集時にあらかじめ伝えておく必要があります。システム管理者や幹部が個人情報を保持するのも、あまりよい方法ではありません。なお、個人情報登録・管理運用の方法については製品によって異なります。あらかじめ製品販売元に確認しておきましょう。
2.社内研修と訓練の実施
普段使用していないものを、災害があったときにすぐに使えるはずがありません。社内研修などで災害時の安否確認のルールや、安否確認システムの使い方をしっかりと教育しておくことが重要です。
避難訓練などを実施して、実際に安否確認メールを配信し回答するという流れを確認しておくのもよいでしょう。
3.予備の通信手段も検討
災害時の通信障害を避けられるメリットがある安否確認システムですが、必ずつながるというわけではありません。そのため、もしシステムが利用できなかったときにどうするか、その方法を二重にも三重にも考えておく必要があります。
例えば、緊急時に提供される災害用伝言サービスや災害伝言ダイヤル(171)の利用が考えられます。ただこのサービスは、家族・親戚・友人との安否確認を目的としたものなので、提供元のNTTは利用を推薦していません。そのため注意が必要です。
安否確認システムのメリットを理解して導入検討しよう!
災害時には、正確な情報を素早く取り入れることが重要です。安否確認システムではそれが実現できます。
導入を検討する際には、製品比較を十分に行うことをおすすめします。安否確認システムがもつメリットとともに、製品ごとの機能や特徴を比較検討し、自社に最適な製品を導入しましょう。なお資料請求を行うと、価格や機能、特徴を一覧で比べられる比較表を簡単に作成できます。口コミも確認できるため、興味のある方は下記よりお申込みください。