災害時に安否確認するための5つの方法
企業や自治体が災害時の安否確認方法を用意しておくことは重要です。具体的にどのような安否確認方法があるのか、5つの方法を一挙に紹介していきます。
1.安否確認システム
安否確認システムは企業が導入する法人向けシステムです。災害時に社員全員の安否を素早く正確に確認することを目的に開発されているため、掲示板や電話を使うよりも優れた方法であると言えるでしょう。
自動送信メール機能やシステム登録者への一斉送信メール機能があり、リアルタイムで安否確認ができている人の情報を集計できるため、企業のBCP(事業継続計画)策定時にも貢献できるでしょう。
安否確認システムについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にして下さい。
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2.災害用伝言板ダイヤル「171」
災害用伝言ダイヤルは、NTT東日本が運営しているサービスで、「171」でダイヤルし安否を確認したい人の電話番号を入力すると、その人への伝言メッセージを登録・再生することができます。このサービスは、災害発生時に通信網がパンクした際に提供されるサービスとなっています。
3.災害用伝言板web171
災害用伝言板web171は、上述の災害用伝言板ダイヤルのweb版で、安否を確認したい人のメールアドレスを事前登録し伝言板に入力すると、その人に対するメッセージを一斉送信してくれるサービスです。
4.災害用伝言板サービス
災害用伝言板サービスは各通信キャリアが提供している災害用伝言板であり、アプリ版もあるため、誰でもどこからでも登録・利用が可能です。大きな災害が起きると、各携帯会社は特設サイトを急遽開設するため、利用者はその特設サイトからアクセスできます。
ただし、法人利用向けに作られていない点と格安SIMでの利用は不可能である点は注意が必要です。
5.SNS
ネットワークが利用できる際は国内でのユーザー数の多いSNSを活用することをおすすめします。普段から従業員間でSNSで連絡をとることが定着している場合は、災害時でも有効でしょう。報道機関の公式SNSは災害発生による混乱時でも正確な情報を発信することが多いため、情報入手の意味でもメリットがあると言えるでしょう。
企業が安否確認する際に注意すべき点
安否確認の方法を紹介してきましたが、そもそも企業が従業員の安否確認を行う際は、どのような点に注意すべきなのでしょうか。
大人数の安否情報を集める必要がある
一人の情報を集める際は、名前や携帯番号で検索することができますが、その検索人数が100人以上いる場合はどうでしょう。検索できたとしても、膨大な時間がかかり、情報の正確さがかける可能性もでてくるのです。
また、その従業員が今ネットを利用できるのか、携帯やPCは手元にあるのかなど、どんな状況にあるのかは災害が起きてからでなければ分からないため、それらを考慮した安否確認方法を検討する必要があります。
集めた安否情報を素早く分析しなくてはいけない
従業員全員の安否情報を集めることができたら、それらを分析する必要があります。従業員自身の安全を確認した後は、企業として事業を継続できるか(BCP)という観点から従業員に出勤を要請するかを考える必要があるからです。
特に従業員数の多い企業は、膨大な数のデータを災害時の混乱の中で可視化した上での判断を求められるため、普段からどのようなフローで判断をするか検討しておく必要があるでしょう。
企業では「安否確認システム」の利用が適している
企業が安否確認する際に注意すべき点を考慮すると、「安否確認システム」の利用がおすすめであると言えるでしょう。なぜ安否確認システムの利用が適しているのか解説していきます。
安否確認システムの重要性が認識された経緯
企業には事業継続や危機管理の観点から従業員や家族の安否を確認して把握する責務があります。そこで阪神・淡路大震災の頃から、企業向けに開発された安否確認システムが続々と登場しましたが、時が経つにつれて被災の記憶が徐々に薄れ、安否確認システムを積極的に導入する企業は限られていました。
そんな状況を一変させた出来事が2011年3月に発生した東日本大震災です。地震と津波によって未曾有の大災害となった東日本大震災では事業所が津波に流されて従業員の連絡先を含むあらゆる情報を消失し、従業員の安否を確認する手段がなくなってしまったという企業がたくさんありました。そこで震災の被害を免れた企業の間でも安否確認システムの重要性が認識されるようになったのです。
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災害時でも安否確認システムは使用不能にならない
東日本大震災では、どの携帯電話事業者の回線も音声通話が激増して輻輳し、携帯メールの着信が大幅に遅延する状況になりました。
そこで活躍したのが安否確認システムなのです。災害発生時に全従業員宛てに一斉に携帯メールを送信し、携帯メールで通知を受け取った各従業員が自身の安否状況を報告する機能を活用することで、速やかに対応することができました。
安否確認システムのメリットについて詳しくはこちらをご覧ください。
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安否確認システムの選定ポイントは?
今では多機能な安否確認システムが多くありますが、安否確認システムを検討する上で重要なことは2つです。
- ●多くの情報をもとに、信頼できる情報を抽出できる
- ●緊急時に使える通信回路を確実に確保できる
この2つの特性を意識し自社に合う製品を選定することが、災害時に活躍する安否確認システムとなるでしょう。
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企業で行う安否確認方法を理解して災害に備えよう
大規模災害に備える為には、前々から準備をしておく必要があります。社員の安全を守り、企業の事業を継続する為にも、じっくりと自社に合う製品の選定し、災害時に備えることが必要でしょう。
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