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決算個社IT・インターネット2026年09月14日

【株式会社EduLab(証券コード:4427)徹底解説】2026年9月期 第3四半期──減収と営業50.3%減益、最終赤字に

【株式会社EduLab(証券コード:4427)徹底解説】2026年9月期 第3四半期──減収と営業50.3%減益、最終赤字に

株式会社EduLab(証券コード:4427)は、英語検定試験「CASEC」と教育テクノロジーを展開する企業です。コンピュータ適応型英語テスト「CASEC」の運営を主力に、教育機関向けのCBT(コンピュータベーステスト)プラットフォームを提供しています。試験の実施基盤と、その周辺で用いられる認識・処理技術を組み合わせた事業構造を持っています。

2026年9月期第3四半期累計の売上高は41億51百万円となり、前年同期の44億50百万円から-6.7%の減収となりました。営業利益は93百万円(同-50.3%)、経常利益は1億52百万円です。親会社株主に帰属する四半期純損失は1億28百万円となり、前年同期の1億01百万円の利益から赤字に転じています。

詳しくは前回の記事もあわせてご覧ください。
【株式会社EduLab(証券コード:4427)徹底解説】テストセンター事業が牽引する教育・試験DX企業

1. 通期着地を左右する市場環境

今回の第3四半期決算では、同社から経営成績に関する定性的な説明は公表されていません。そのため、事業環境の評価は開示された数値から読み取る必要があります。以下では、四半期ごとの推移と通期計画との関係を手がかりに状況を整理します。

同社の主力である検定試験やCBTプラットフォームは、受験者数と実施件数が売上を規定する事業です。受験の需要は学校年度や試験日程に沿って発生するため、四半期ごとの偏りが生じやすい性質があります。第3四半期累計の売上高が前年同期比-6.7%で推移している点は、年度を通じた実施規模が前年を下回っていることを示すと考えられます。

通期の会社予想は売上高58億円で、前期の62億29百万円に対して-6.9%の減収を見込む内容です。第3四半期までの実績が-6.7%であることを踏まえると、実績と計画の減収率はおおむね揃っています。減収そのものは期初から想定された範囲内にあると見られます。

2. 業績推移

第3四半期累計の売上高は41億51百万円となり、前年同期の44億50百万円から2億99百万円減少しました。減収率は-6.7%です。前期の2025年9月期通期は売上高62億29百万円でしたので、通期ベースでも一段の縮小が見込まれる水準にあります。

営業利益は93百万円で、前年同期の1億87百万円から94百万円減少しました。減益率は-50.3%です。営業利益率は2.2%となり、前年同期の4.2%から低下しています。経常利益は1億52百万円で、前年同期の1億52百万円と同水準を確保しました。

親会社株主に帰属する四半期純損益は1億28百万円の損失となりました。前年同期は1億01百万円の利益でしたので、最終損益は赤字に転じています。1株当たり四半期純損失は12.60円です。経常段階では黒字を確保しているため、経常利益以下の項目が最終損益を押し下げたと考えられます。

四半期ごとの推移も確認しておきます。第1四半期累計の売上高は14億05百万円、第2四半期累計は28億93百万円でしたので、第3四半期の3か月間の売上高は12億58百万円となります。営業損益は第2四半期累計の1億54百万円の利益から第3四半期累計で93百万円の利益へ減少しており、第3四半期の3か月間は営業損失だった計算になります。

財政状態は、第3四半期末の総資産が32億86百万円、純資産が18億34百万円です。前期末の総資産36億07百万円、純資産18億30百万円と比べると、総資産が減少する一方で純資産はほぼ横ばいとなっています。

3. 直近決算の重要ポイント

今回の決算で最も重要なのは、段階利益ごとに方向が分かれている点です。営業利益は93百万円と前年同期比-50.3%の減益となる一方、経常利益は1億52百万円と前年同期並みを維持しました。営業外の収益が本業の減益を補っている構図と考えられます。

経常利益が1億52百万円であるのに対し、営業利益は93百万円です。差額の59百万円が営業外損益の純額にあたります。この規模の営業外収益が継続的なものか一時的なものかによって、通期の利益水準の見え方は変わってくると見られます。

もうひとつの注目点は、第3四半期の3か月間で営業損益が悪化したことです。第2四半期累計で1億54百万円あった営業利益が、第3四半期累計では93百万円に減少しています。四半期ごとの季節性による可能性もありますが、通期計画の達成を見極めるうえで重要な変化と考えられます。

4. Q3時点の事業進捗

通期計画に対する進捗を整理します。会社の通期予想は売上高58億円、営業利益80百万円、経常利益20百万円、当期純利益10百万円です。第3四半期累計の実績は売上高41億51百万円、営業利益93百万円、経常利益1億52百万円となっています。

売上高の進捗率は71.6%です。第3四半期時点の目安となる75%をやや下回る水準にあり、第4四半期に計画比でやや多めの売上が必要になる計算になります。ただし、検定試験の実施時期による偏りがあるため、進捗率だけで達否を判断することは難しいと考えられます。

一方、利益面は様相が異なります。営業利益は第3四半期累計の93百万円が、すでに通期予想80百万円を上回っています。経常利益も1億52百万円と通期予想20百万円を大きく超えています。通期予想が期初に設定された保守的な水準である可能性と、第4四半期に費用の計上が集中する見込みである可能性の両方が考えられます。

最終損益については、第3四半期累計が1億28百万円の損失であるのに対し、通期予想は10百万円の利益です。第4四半期に損益を反転させる前提の計画になっており、達成には相応の収益改善が必要と見られます。

5. 業界の注目ポイント

受験者数に連動する収益構造

同社の主力である英語検定試験「CASEC」は、受験者一人ひとりの受験料が売上の基礎となる事業です。受験者数が増えれば売上が伸び、減れば直接的に売上が縮む構造になっています。第3四半期累計の売上高が前年同期比-6.7%となった背景には、実施規模の変化があると考えられます。

この構造では、試験を運営するための基盤コストが固定的に発生する点が重要です。受験者数が減少しても、システムの維持や運営体制にかかる費用は同じ比率では減りません。売上が-6.7%の減少にとどまるなかで営業利益が-50.3%減少した点は、この固定費の影響を示していると見られます。

CBTプラットフォームの汎用性という論点

同社はコンピュータ適応型のテスト運営に加え、教育機関向けのCBTプラットフォームを提供しています。自社試験のために構築した仕組みを、他の試験主催者にも提供できる形に整えることができれば、受験者数の変動に左右されにくい収益源となり得ます。プラットフォームの提供先が広がるほど、基盤コストの回収も進みやすくなります。

ただし、この転換には時間と投資が必要です。自社試験に最適化された仕組みを汎用化するには、他の試験の要件に合わせた開発が求められるためです。営業利益率が2.2%まで低下している現状では、投資の原資をどこから確保するかが論点になると考えられます。

試験のデジタル化が進むなかでの位置づけ

紙の答案からコンピュータでの受験へという移行は、試験運営の各所に影響します。会場の確保、採点の工数、結果の返却までの日数といった要素が、いずれもデジタル化によって変わるためです。長くコンピュータ適応型テストを運営してきた同社にとって、この流れは事業機会となり得ます。

一方で、デジタル化が進むほど参入の障壁は下がる面もあります。汎用のクラウド基盤で試験配信の仕組みを構築することが以前より容易になっているためです。運営実績や測定の精度といった、短期には模倣しにくい要素をどこまで差別化要因として示せるかが問われると考えられます。

6. ITトレンド編集部の考察

今回の第3四半期決算は、減収と営業段階の大幅減益、そして最終赤字という3点が重なる内容でした。売上高41億51百万円(前年同期比-6.7%)に対し、営業利益は93百万円(同-50.3%)にとどまりました。売上の減少率に比べて利益の減少率が大きく、固定費の重さが表れていると考えられます。

ただし、経常利益は1億52百万円と前年同期と同水準を維持しています。営業外の収益が本業の落ち込みを補った形であり、資金繰りや事業継続の観点では一定の余裕があると見られます。純資産18億34百万円も前期末の18億30百万円からほぼ横ばいを保っています。

気がかりなのは、第3四半期の3か月間で営業損益がマイナスに転じた計算になる点です。第2四半期累計の営業利益1億54百万円が第3四半期累計で93百万円へ減少しており、直近3か月は費用が収益を上回ったことになります。季節性による一時的な変動なのか、収益構造の悪化なのかは、通期決算の内容を待って判断する必要があります。

通期予想は売上高58億円、営業利益80百万円、経常利益20百万円、当期純利益10百万円と、利益水準を大きく引き下げた計画です。第3四半期累計時点で営業利益・経常利益が通期予想を上回っている一方、最終損益は1億28百万円の損失となっています。第4四半期に最終損益を黒字へ反転させられるかどうかが、通期の評価を決める分岐点になると考えられます。なお、配当は無配の状態が続いています。

7. まとめ

  • 2026年9月期第3四半期累計の売上高は41億51百万円(前年同期比-6.7%)、営業利益は93百万円(同-50.3%)
  • 経常利益は1億52百万円で前年同期と同水準、親会社株主に帰属する四半期純損益は-1億28百万円(前年同期は1億01百万円の利益)
  • 1株当たり四半期純損失は12.60円、営業利益率は2.2%で前年同期の4.2%から低下
  • 第3四半期の3か月間の売上高は12億58百万円で、同期間の営業損益はマイナスとなる計算
  • 総資産は32億86百万円、純資産は18億34百万円で前期末からほぼ横ばい
  • 通期予想は売上高58億円(前期比-6.9%)、営業利益80百万円、経常利益20百万円、当期純利益10百万円
  • 通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高71.6%、営業利益と経常利益はすでに通期予想を上回る水準
  • 配当は無配の状態が継続
  • 今回の決算では経営成績に関する定性的な説明が公表されておらず、要因分析は開示数値に基づく

ITトレンド編集部

IT製品の比較サイト「ITトレンド」の編集部です。ITトレンドはイノベーションが2007年より運営している法人向けIT製品の比較・資料請求サイトで、累計訪問者数2,000万人以上、3,750製品以上を掲載しています。読者がIT製品・サービスを比較検討する際に役立つ情報や、システムを活用した社内の課題解決のヒントになる情報を日々発信しています。

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