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【解析手法別】CAEソフト20選を徹底比較!選び方も詳しく解説

2023年01月17日 最終更新

CAEソフトの製品一覧
【解析手法別】CAEソフト20選を徹底比較!選び方も詳しく解説

CAEソフトを選ぶ際、どのような点を比較すれば、自社にあう製品をみつけられるのでしょうか。 この記事では、おすすめのCAEソフトを解析手法別に紹介します。CAEの概要や解析手法の種類・選び方についても解説するため、構造解析する際の参考にしてください。

CAEとは

CAEとはComputer Aided Engineeringの略で、物体の形状や構造を分析し、欠陥がないか解析するシステムのことです。製品のリスクや強度を、デジタル空間上で事前確認する際に用いられます。

製品開発する際、設計の段階から部品の強度や耐熱性を正確に把握するのは困難です。CAEを行うことで、物体の構造や形状が解析され、どのような製品ができあがるのか事前に把握できます。例えば、CADで作成した3DデータをCAEで解析すれば、完成形を正確にシミュレート可能です。

CAEの特徴

CAEによって事前に製品の問題点がわかれば、試作品の数が少なくなり、開発プロセスが短縮されます。開発後に欠陥が見つかり最初から工程をやり直すことになると、膨大な手間やそれに伴うゴミが増え、環境にも優しくありません。

また、CAEはコンピューター上でシュミレートが完了するため、開発にかかる人件費や材料費などが節約され、コストカットにもつながります。高温や無重力といった、特殊な条件下での柔軟な試験運用も可能です。

CAEの主な解析手法

CAEは、具体的にどのような種類があるのでしょうか。主な解析手法を5つ紹介します。

構造解析

製品に荷重がかかることで、各部品の応力や変形などがどのように変化するのか解析する手法です。設計の段階で物体の荷重特性を解析することで、完成後のリスクを大幅に軽減できます。 コンピュータ上でシミュレートするため、通常では困難な大規模な構造物でも解析可能です。応用範囲が幅広く、自動車や飛行機・土木建築など、さまざまな分野で活用されています。

熱伝導解析

物体に熱が加わったときの構造的な変化を解析する手法です。物体内部や部品へ、どのように熱が伝わっていくのか解析できます。熱伝導解析の種類は「定常熱伝導解析」と「非定常熱伝導解析」の2つです。

定常熱伝導解析は、時間経過による温度変化がない状態を仮定するため、物体に熱の影響を与える要素が少なく、解析が1回で終わります。ただし、熱荷重や境界条件が一定の状態を保っていることが条件です。 非定常熱伝導解析は、時間経過によって温度変化することを前提にしているため、解析に時間がかかります。

機構解析

部品同士がどのように干渉しあっているのか解析する手法です。マルチボディダイナミクスとも呼ばれ、物体内部の機構を運動方程式を用いて予測・評価します。自動車や鉄道車両・ロボットなどの業界で活用されている手法です。

流体解析

空気や熱・水などの流体が、どのように移動していくのか解析する手法です。どこにでも存在する流体の状態や性質を解析するため、製造業などあらゆる分野で活用されています。通常では再現不可能な高温・高圧下における流体の挙動や、災害時での温度変化や化学反応などもシミュレート可能です。 自動車業界では、走行車両周辺の空気の流れを解析し、空気抵抗の少ないボディデザインを設計しています。

樹脂流動解析

金型内に流れる樹脂の流れ方や圧力などを数値化し、成型時に問題が発生しないか解析する手法です。 得られた数値は、以下の3つを検証する際に利用されます。

  • ・成形の可能性
  • ・生産性
  • ・品質(折れ、反りなどがないか)

【幅広い解析手法に対応】CAEソフト6選を比較

ここからは、どんなCAEソフトがあるのか具体的に見ていきましょう。まずは、幅広い解析手法に対応するCAEソフトを紹介します。

Ansys Mechanical

アンシス・ジャパン株式会社が提供する「Ansys Mechanical」は、伝熱と構造解析、音響と構造解析といった複雑な連成解析を実行できるソフトウェアです。伝熱解析などの汎用的な解析手法を備えるAnsys Mechanical Proパッケージを基本とし、必要に応じて連成解析などの高度な解析手法を備えるPremium・Enterpriseパッケージにステップアップできます。

価格要問い合わせ無料トライアル要問い合わせ
提供形態クラウド主な機能線形構造解析・接触解析・疲労解析・衝撃解析・線形動解析など

Fusion 360

オートデスク株式会社が提供する「Fusion 360」は、CADやCAM・CAEなど、製品設計や解析に必要な機能を統合しています。個人利用や非商用、一部の条件を満たしたスタートアップ企業は無料で利用可能です。1か月・1年間・3年間の中から、好きなサブスクリプション契約を選べます。

価格月額費用:8,800円~・初期費用:要問い合わせ無料トライアルあり
提供形態クラウド主な機能クラウドシミュレーション、熱解析・非線形応力解析など

Inventor Nastran

オートデスク株式会社が提供する「Inventor Nastran」は、熱伝導や熱放射など、熱環境下における物体への影響を正確に解析できます。金属やゴムなど、さまざまな材料を用いた高精度な解析が可能です。また、線形静的応力解析によって、物体内のどこにひずみや変位がでているか確認できます。
価格月額費用60,500円~・初期費用:要問い合わせ無料トライアルあり
提供形態SaaS主な機能非線形・動解析・熱伝達・疲労解析など

HyperWorks

アルテアエンジニアリング株式会社が提供する「HyperWorks」は、対応しているデータ形式が豊富で、さまざまな3D シュミレーションを実施できます。複雑な条件下での解析も可能です。また、英語の無料コミュニティが充実しており、製品の使い方などについて活発に議論されています。

価格要問い合わせ無料トライアルあり
提供形態クラウド主な機能電磁界解析・流体解析・構造解析など

Simcenter 3D

Siemens PLM Softwareが提供する「Simcenter 3D」は、高度な3Dシミュレーションを実施できるツールです。汎用的なシミュレーションプロセスを自動化したり、経験豊富なスタッフのノウハウをテンプレート化したりできます。シミュレート機能が包括的に実装されており、さまざまな分野での利用が可能です。

価格要問い合わせ無料トライアルなし
提供形態クラウド主な機能流体力学・熱・耐久性シミュレーションなど

SIMULIA

ダッソー・システムズが提供する「SIMULIA」は、独自のシミュレーションメソッドを開発できます。電磁気シミュレーションにより、通信デバイスの設計が可能です。また、数千を超える複雑な条件下での運用シミュレーションも実施できます。

価格要問い合わせ無料トライアルなし
提供形態クラウド主な機能メソッド開発、電磁気・流体シミュレーションなど

【構造解析に強い】CAEソフト3選を比較

次に、構造解析に強いおすすめのCAEソフトを紹介します。

ANSYS Mechanical Pro

アンシス・ジャパン株式会社が提供する「ANSYS Mechanical Pro」は、さまざまな解析手法を実装したAnsys Mechanicalのエントリーモデルです。外部から力を加えたときの影響度を計算する線形構造解析や、物体内を流れる温度分布などを調べる定常伝熱解析などを実施できます。

価格要問い合わせ無料トライアルなし
提供形態SaaS主な機能熱解析・固有値・線形構造・接触・伝熱解析など

Radioss

アルテアエンジニアリング株式会社が提供する「Radioss」は、ユーザーが入力した物体の形状や原料などの条件をもとに、計算結果を出力するソフトウェアです。さまざまな構造解析に対応しており、エアバッグの作動シミュレーションにも対応しています。

価格要問い合わせ無料トライアルあり
提供形態SaaS主な機能解析結果を計算し出力するソルバー機能

Ansys LS-DYNA

株式会社JSOLが提供する「Ansys LS-DYNA」は、物体の降伏や衝突特性などを高度に解析できる非線形構造解析ソフトです。家電製品の落下衝撃耐性実験や完成品の安全評価など、さまざまな分野での非線形問題を解決できます。

価格要問い合わせ無料トライアルなし
提供形態SaaS主な機能衝撃・動的・静的・強度・安全性評価解析など

【熱伝導解析に強い】CAEソフト3選を比較

続いて、熱伝導解析に強いおすすめのCAEソフトを紹介します。

PHOTO-THERMO

株式会社フォトンが提供する「PHOTO-THERMO」は、2次元軸対称・3次元対応の熱伝導解析ツールです。ソルバに入力するデータを作成する「プリプロセッサー」と、ソルバの計算結果を表示する「ポストプロセッサー」が一体になっています。製品単体で一連の構造解析処理が可能です。

価格要問い合わせ無料トライアルなし
提供形態SaaS主な機能非線形解析、動磁場解析・電場解析などとの連成解析

Simcenter™ MAGNET™ Thermal

株式会社アドバンストテクノロジーが提供する「Simcenter MAGNET Thermal」は、断熱や温度固定など、さまざまな条件下での熱伝導解析を実施できます。コイルタイプの3Dテンプレート化やカスタマイズなども可能です。材料は、線形・非線形・異方性の3つを設定できます。

価格要問い合わせ無料トライアルなし
提供形態SaaS主な機能導体の温度分布解析、定常・非定常シミュレーション

COMSOL Multiphysics

COMSOLが提供する「COMSOL Multiphysics」は、製造業をはじめ、さまざまな分野で活用できるシミュレーションソフトウェアです。製品の種類や開発プロセスに応じて、最初から最後まで一連の処理を実行できます。シミュレーションアプリの製作も可能です。

価格要問い合わせ無料トライアルなし
提供形態SaaS主な機能数値解析手法による高度なシュミレーション

【流体解析に強い】CAEソフト3選を比較

続いて、流体解析に強いおすすめのCAEソフトを紹介します。

Ansys Fluent

株式会社計算力学研究センターが提供する「Ansys Fluent」は、業界でも有名な流体解析ソフトウェアです。比較的簡単な条件設定だけで解析ができるため、専門的な知識が必要ありません。混相流や乱流といった複雑な条件下での解析も可能です。

価格要問い合わせ無料トライアルあり
提供形態SaaS主な機能乱流モデリング、共役熱伝達など

HELYX

英国Engys社が提供する「HELYX」は、企業向けに販売されているオープンソースのCFDソフトウェアです。シンプルで操作しやすいGUIが採用されています。ソルバの計算プロセスが効率化されており、並列処理数やジョブ数に制限がありません。

価格月額費用:0円、初期費用:0円無料トライアルあり
提供形態SaaS主な機能計算処理の効率化、ソースコードのカスタマイズ

Autodesk CFD

オートデスク株式会社が提供する「Autodesk CFD」は、インターフェースが使いやすく、さまざまな初期条件を設定できます。データ センターや照明設計などに利用可能です。流体の運動と熱伝達における物体への影響度を、数値解析によってシミュレートできます。

価格要問い合わせ無料トライアルあり
提供形態SaaS主な機能APIによるスクリプトの作成、熱伝達と流体の解析

【機構解析に強い】CAEソフト3選を比較

続いて、機構解析に強いおすすめのCAEソフトを紹介します。

RecurDyn

ファンクションベイ株式会社が提供する「RecurDyn」は、物体内の機構メカニズムを、アニメーションやグラフを用いて視覚的に把握できます。機構解析に必要なあらゆる機能が搭載されており、建機倒壊など通常であれば再現不可能なリスク分析も可能です。

価格要問い合わせ無料トライアルなし
提供形態SaaS主な機能キネマティック・ダイナミック・複数領域連成解析など

Adams machinery

Hexagonが提供する「Adams machinery」は、設計の段階で完成品を想定したシミュレーションができます。外部のCADデータをインポートすることも可能です。ギアモジュールやベルトモジュールなどを用いて、高度な機械モデルを構築できます。

価格要問い合わせ無料トライアルなし
提供形態SaaS主な機能シミュレートプロセスの効率化、使いやすいインターフェースなど

3DCS

株式会社ファソテックが提供する「3DCS」は、工学的に許容されている部品の寸法公差や幾何公差が、製品を組み立てた際にどの程度影響を与えるか解析できます。3次元測定データを用いた解析も可能です。製造プロセスに応じて、自由に統計分布タイプも選択できます。

価格要問い合わせ無料トライアルなし
提供形態SaaS主な機能3次元公差解析

【樹脂流動解析に強い】CAEソフト2選を比較

最後に、樹脂流動解析に強いおすすめのCAEソフトを紹介します。

Moldflow

オートデスク株式会社が提供する「Moldflow」は、プラスチック製品の成形シミュレーションを実施できます。チーム間での製品設計の共有や、CADデータを介したFusion 360との連携も可能です。完成品の反りや折れなどをシミュレートし、開発プロセスの問題点を事前に検証できます。

価格要問い合わせ無料トライアルあり
提供形態SaaS主な機能プラスチック製品の射出・圧縮成形プロセスの解析

3D TIMON

東レエンジニアリングDソリューションズ株式会社が提供する「3D TIMON」は、ポリカーボネートやアクリルなど、さまざまな樹脂原料に対応しています。3Dプリンタを利用した成形物への解析も可能です。FRP材料や熱硬化性材料を用いた圧縮成形シミュレーションもできます。

価格要問い合わせ無料トライアルなし
提供形態SaaS主な機能熱可塑性樹脂・熱硬化性樹脂・ポリウレタン発泡成形解析など

CAEソフトの選び方

おすすめのCAEソフトを紹介してきましたが、具体的にどのような点を比較すればよいのか、わからない人も多いのではないでしょうか。自社に最適なCAEソフトの選び方を3つ紹介します。

必要な解析手法はなにか

自社製品を正確に評価するのに、どのような解析手法が有効なのか洗い出しましょう。 CAEソフトはそれぞれ得意なジャンルが異なるため、人気ランキング上位の製品だからといって、自社の目的を達成できるとは限りません。「機構解析は得意でも流体解析は不得意」といった製品もあるため、事前にどのような解析手法に対応しているか確認しましょう。

買取かレンタルか

CAEソフトは、買取もしくはレンタルでの販売が一般的です。そのほか、年間契約のところもあるため、自社の運用方法にあった販売形式の製品を選びましょう。

買取型は、ソフトの買取価格に加え、年間の保守費用が必要です。買取価格の相場はメーカーごとの見積もりなので、正確に算出できません。保守費用は買取価格の25%が相場といわれています。 レンタル型は、月額もしくは年額で一定のランニングコストが必要です。買取価格の30〜50%程度が相場といわれています。

買取型・レンタル型は、いずれもメリット・デメリットがある販売形式です。購入の際は使用年数を想定して、どちらが費用対効果が高いか確認しましょう。

ハードウェアのスペックは十分か

CAEソフトを動かすデバイスのスペックが十分か確認しましょう。必要最低限の性能だと、負担のかかる処理でフリーズする可能性があるため、ある程度設備投資して解析環境を整える必要があります。

自社にあう解析環境を構築するには、高度なスキルを持ったエンジニアが不可欠です。しかし、構造解析のスペシャリストで、解析環境の構築にも通じている人材を探すのは簡単ではありません。 そのため、CAEソフトを選ぶ際は、外部組織の解析環境を活用できるクラウドサービスも選択肢にいれましょう。

CAEソフトは必要な解析手法を明確にしてから導入を!

CAEソフトは、事前に完成イメージの確認やリスク検証などができる便利なツールです。製造業を含めさまざまな分野で活用できるため、以下の比較ポイントを参考にして自社にあう製品を導入しましょう。

  • ・必要な解析手法を備えているか
  • ・販売形式が合っているか
  • ・ハードウェアのスペックが十分か

CAEソフトは、必要な解析手法を明確にしてから導入してください。

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