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決算個社IT・インターネット2026年07月10日

【AI CROSS株式会社(証券コード:4476)決算解説】2026年12月期 第1四半期──売上高43%増・3セグメント体制で好スタート

【AI CROSS株式会社(証券コード:4476)決算解説】2026年12月期 第1四半期──売上高43%増・3セグメント体制で好スタート

AI CROSS株式会社は、SMS・RCS(次世代メッセージングサービス)を活用したコミュニケーションプラットフォームにAIを組み合わせ、企業と顧客をつなぐマーケティングソリューションを提供するIT企業です。「Smart Work, Smart Life」をミッションに掲げ、中期経営計画「AIX2027 2025〜2027」のもと、メッセージングサービス×AIによるマーケティングソリューション提供へのモデル転換を推進しています。2026年1月には報告セグメントをスマートメッセージング事業・AIトランスフォーメーション事業・マーケティングソリューション事業の3つに再編し、新体制で今期をスタートしています。

2026年12月期第1四半期(2026年1〜3月)は、売上高13億31百万円(前期同期比+43.1%)、営業利益1億96百万円(同+40.3%)、経常利益1億96百万円(同+39.3%)、当期純利益1億21百万円(同+49.3%)と、全指標で大幅増収増益を達成しました。

詳しくは前回の記事もあわせてご覧ください。
【AI CROSS株式会社(証券コード:4476)徹底解説】2026年12月期 第1四半期──売上高43%増・AIエンゲージメント需要が好スタート

本記事では、2026年12月期第1四半期の業績ポイント、3セグメント別の動向、そして今期の重点領域と収益構造を整理します。


1. 今期スタートを取り巻く市場環境

我が国経済は総じて緩やかな回復基調が続いており、雇用・所得環境の改善や政府による各種政策の効果が景気の持ち直しを下支えすることが期待されています。一方で、中東情勢や米国の通商政策をめぐる動向、株式・為替市場の変動など、景気を下押しするリスクへの留意も引き続き必要な環境です。

こうしたマクロ環境のもと、AI CROSSが主戦場とするビジネスコミュニケーションプラットフォーム関連市場は成長を続けています。デロイト トーマツ ミック経済研究所の調査(「ミックITリポート2025年12月号」)によると、2030年度には国内SMSの配信数が年間142億6,800万通に達する見通しです。本人認証や未入金督促などのトランザクション通知にとどまらず、RCSを活用したプロモーションやMA(マーケティングオートメーション)との連携が進むことで、市場は継続的な高成長が見込まれています。

企業のAI活用ニーズも業種・規模を問わず拡大しており、生成AIの普及がこの流れをさらに加速しています。SMS・RCS配信基盤にAI分析・自動化機能を組み合わせた統合ソリューションへの需要が高まる中、AI CROSSはその追い風を直接受けやすいポジションにあります。


2. 業績推移:通期から第1四半期へ

前回記事の時点(2025年12月期通期)では、売上高41億51百万円・営業利益3億70百万円を計上しました。前期(2024年12月期:売上高37億5百万円・営業利益3億35百万円)から着実な増収増益を続けてきた実績があります。また、2025年10月に子会社化した株式会社ロウプが連結に加わったことで、後半から売上・事業基盤が拡充されています。

今期(2026年12月期)の第1四半期(2026年1〜3月)は、売上高13億31百万円・営業利益1億96百万円・経常利益1億96百万円・当期純利益1億21百万円となりました。前期同期(2025年1〜3月:売上高9億30百万円・営業利益1億39百万円・当期純利益8,100万円)と比べると、増収率+43.1%・営業増益率+40.3%・純利益増益率+49.3%という大幅な伸びです。

Q1単体の営業利益率は14.7%となっており、前期通期の8.9%を大きく上回っています。ロウプ連結化による規模拡大に加え、スマートメッセージング事業のストック収益が安定的に積み上がっている構造が寄与していると考えられます。


3. 直近決算の重要ポイント

2026年12月期第1四半期(2026年1〜3月)の業績で特筆すべき点は、3セグメント体制への再編と各セグメントの好調な業績です。従来の「Smart AI Engagement事業」は、2026年1月よりAIサービスの事業拡大に伴い「スマートメッセージング事業」と「AIトランスフォーメーション事業」の2つに分割され、子会社ロウプの「マーケティングソリューション事業」と合わせた3セグメント体制になりました。

セグメント別の業績は以下のとおりです。スマートメッセージング事業の売上高は11億18百万円(前期同期比+24.1%)、セグメント利益は2億98百万円(同+14.3%)となりました。AIトランスフォーメーション事業の売上高は5,296万円(同+79.6%)で、セグメント利益916万円と前期のセグメント損失(前期同期:▲854万円)から黒字に転換しています。マーケティングソリューション事業の売上高は1億60百万円、セグメント利益は1,796万円を計上しました(前年同期は連結対象外のため増減率の比較はありません)。

通期業績予想は売上高53億円・営業利益6億円・当期純利益3億60百万円です。Q1時点の売上進捗率は25.1%と計画どおりのペースで推移しています。


4. 今期の重点領域と収益構造

AI CROSSは今期より3セグメント体制に移行し、各事業の役割と収益貢献が明確化されています。

スマートメッセージング事業(Q1売上構成比:約84%)は、SMS・RCS配信プラットフォーム「絶対リーチ!RCS」を中核に、B2Cビジネスを営む国内外の事業者に向けたメッセージング配信基盤を提供しています。今期は収益性の高い国内顧客への注力と、金融・人材関連を中心とした業界特化施策の推進、さらにメッセージングとAI技術を組み合わせた統合型ソリューションの展開により、サービスの付加価値と収益性の向上を図っています。

AIトランスフォーメーション事業(Q1売上構成比:約4%)は、ノーコードAI分析ツール「Deep Predictor」を主力サービスとして展開しています。従来データサイエンティストが担っていたAI分析を、直感的なインターフェースにより専門知識のない担当者でも実行できる点が特徴です。今期はセグメント利益の黒字転換を達成しており、スマートメッセージング事業との連携も活かしながら事業拡大を進めています。

マーケティングソリューション事業(Q1売上構成比:約12%)は、子会社ロウプが担い、広告企画・プロモーション、クリエイティブ制作、戦略立案・マーケティングリサーチ、メディア開発・運営など、顧客企業の課題に応じた総合的なコミュニケーション設計サービスを提供しています。グループのメッセージング×AI機能との連携を深め、統合的なマーケティング支援のさらなる強化を図っています。

収益構造としては、スマートメッセージング事業の配信量連動型・継続利用型ストック収益を中核に、AIトランスフォーメーション事業のサブスクリプション収益、マーケティングソリューション事業のプロジェクト型収益を組み合わせる形が定着しています。


5. 業界の注目ポイント

ポイント1:RCSの商業利用拡大と「絶対リーチ!RCS」の位置づけ
SMSの後継として国際標準化が進むRCSは、画像・動画・ボタン付きメッセージの送受信が可能で、プロモーション活用の幅が従来のSMSを大きく超えます。AI CROSSは同サービスを「絶対リーチ!RCS」としていち早く展開しており、RCS配信市場の成長とともに収益機会が広がる立場にあります。前払いや本人認証などのトランザクション系の通知から、MA連携を活かしたパーソナライズドプロモーションまで、用途の多様化が続いています。

ポイント2:ノーコードAI分析の裾野拡大
「Deep Predictor」が代表するノーコード型AI分析ツールは、AI活用のボトルネックである「分析人材不足」に直接応えるソリューションです。生成AIの普及で分析や文章生成の敷居は下がりましたが、業務データを扱う需要予測・顧客分析・異常検知などの領域では、専門知識が引き続き必要な場面が多く残っています。コードなしで業務部門が直接AI分析を実行できるツールの需要は、中堅・中小企業を中心に継続的な拡大が見込まれます。

ポイント3:グループ統合によるワンストップ化の競争優位
SMS/RCS配信(スマートメッセージング)→ AI分析・予測(AIトランスフォーメーション)→ クリエイティブ・マーケティング設計(マーケティングソリューション)という一気通貫のサービス提供が可能になっています。顧客にとっては複数ベンダーへの発注を1社に集約できる利便性があり、AI CROSSにとっては顧客との取引深度を高め、解約率を低下させる構造的優位です。


6. ITトレンド編集部の考察

2026年12月期第1四半期を一言で表すなら、「3セグメント体制への移行後の好スタートと収益構造の可視化」です。前期同期比43%超の増収のうち、マーケティングソリューション事業(子会社ロウプ)の連結化分を除いたスマートメッセージング事業単独でも+24.1%の増収を確保しており、有機的な成長が数字に現れています。さらにAIトランスフォーメーション事業の黒字転換は、小規模ながら事業モデルの実証という意味で重要な変化点です。

収益性の観点では、Q1の営業利益率14.7%は通期予想に基づく利益率11.3%(営業利益6億円÷売上高53億円)を上回っており、通期に向けて下半期の投資動向が利益水準を左右しそうです。中期経営計画「AIX2027」では、メッセージングサービスからAIマーケティングソリューションへのモデル転換を明示しており、AIトランスフォーメーション事業の成長加速と3セグメント間の連携深化が、次なる評価軸になってくると見られます。

ITツールの導入を検討する企業視点では、SMS/RCS配信からAI分析・マーケティング設計まで一貫して発注できる体制は、複数ベンダー管理の手間を省く点で実用的な価値があります。特にコミュニケーション効率化や顧客接点の自動化を検討している企業にとって、AI CROSSのグループ統合ソリューションは具体的な比較対象として評価しやすい立場にあります。


7. まとめ

AI CROSS株式会社を一言で表すと、「SMS・RCS配信インフラにAIを重ね、企業の顧客接点を統合的に最適化するマーケティング支援企業」です。

2026年12月期第1四半期(2026年1〜3月)の業績は、

  • 売上高:13億31百万円(前期同期比+43.1%)
  • 営業利益:1億96百万円(同+40.3%)
  • 経常利益:1億96百万円(同+39.3%)
  • 当期純利益:1億21百万円(同+49.3%)

と、大幅増収増益で期初をスタートしました。

2026年1月からの3セグメント再編後、初のQ1において、スマートメッセージング事業(売上11億18百万円・+24.1%)、AIトランスフォーメーション事業(売上5,296万円・+79.6%・黒字転換)、マーケティングソリューション事業(売上1億60百万円)がそれぞれ貢献しています。通期予想(売上高53億円・営業利益6億円・当期純利益3億60百万円)に向けて計画どおりの進捗となっており、中期経営計画「AIX2027」に基づくビジネスモデル転換が着実に進んでいます。

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