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決算個社IT・インターネット2026年09月14日

【GMOインターネット株式会社(証券コード:4784)徹底解説】2026年12月期 中間期(第2四半期)──GPUクラウドが利益貢献し営業46.2%増益

【GMOインターネット株式会社(証券コード:4784)徹底解説】2026年12月期 中間期(第2四半期)──GPUクラウドが利益貢献し営業46.2%増益

GMOインターネット株式会社(証券コード:4784)は、GMOインターネットグループに属する企業です。グループの祖業であるインターネットインフラ事業と、インターネット広告・メディア事業を担っています。ドメインやサーバー、インターネット接続に加え、AI開発基盤となる「GMO GPUクラウド」を提供しています。広告代理や広告配信プラットフォーム「GMO SSP」の運営も手がけています。

2026年12月期中間期の売上高は412億79百万円(前年同期比+7.2%)、営業利益は47億65百万円(同+46.2%)となりました。経常利益は45億43百万円(同+39.5%)、親会社株主に帰属する中間純利益は30億88百万円(同+28.1%)です。「GMO GPUクラウド」が利益貢献フェーズに入り、大幅な増益につながりました。

詳しくは前回の記事もあわせてご覧ください。
【GMOインターネット株式会社(証券コード:4784)徹底解説】インフラ×広告×GPUクラウドで何が変わったのか

1. 上半期の市場動向と後半への示唆

同社は決算短信で、インターネットインフラ市場が今後大きく拡大すると見込んでいます。インターネットの普及やDXの進展、オンライン消費の定着に加え、生成AIの学習・推論用途が需要を押し上げるという見方です。データセンター向けGPUサーバー市場は、2024年から2029年にかけて年平均成長率39%で拡大すると予測されています(株式会社富士キメラ総研調べ)。

インターネット広告市場も拡大が続いています。同社によると、2025年度のインターネット広告費は4兆459億円(前年比10.8%増)と初めて4兆円を超えました。総広告費に占める割合も50.2%と、はじめて過半数に達しています(株式会社電通調べ)。

ただし、市場の拡大がそのまま広告代理事業の成長につながるとは限りません。同社は、広告主がマーケティングを内製化する動きなど、業界構造の変化の影響を受けていると説明しています。下半期は、成長市場のなかで自社の立ち位置をどう再構築するかが問われると考えられます。

2. 業績推移

詳しい数値は決算短信本文でも確認できます。
GMOインターネット株式会社 2026年12月期 中間期(第2四半期)決算短信(PDF)

中間期の売上高は412億79百万円で、前年同期の385億06百万円から27億73百万円増加しました。増収率は+7.2%です。前期の2025年12月期通期は売上高785億48百万円でしたので、上半期で前期通期の半分を上回る水準を確保しています。

営業利益は47億65百万円で、前年同期の32億60百万円から15億05百万円増加しました。増益率は+46.2%と大きく、営業利益率は11.5%と前年同期の8.5%から3.0ポイント改善しています。売上の伸びを大きく上回る利益の伸びは、収益性の高い商材の比重が高まったことを示すと見られます。

経常利益は45億43百万円、親会社株主に帰属する中間純利益は30億88百万円でした。第2四半期の3か月間では、売上高209億01百万円、営業利益23億25百万円となっています。前年同期の3か月間の営業利益16億29百万円と比べると、四半期単独でも大きく伸びています。

1株当たり中間純利益は10.83円です。なお、同社は2026年4月に新株式発行と株式の売出しを実施しており、発行済株式数が増加しています。1株当たりの指標を前年と比べる際には、この点に留意する必要があります。

3. 直近決算の重要ポイント

1つ目のポイントは、「GMO GPUクラウド」が本格的に利益を生む段階に入ったことです。同サービスは2025年12月期第4四半期に事業単体で黒字化し、当中間期は高い稼働率を達成したと説明されています。インターネットインフラ事業の売上高は358億85百万円(前年同期比12.2%増)、セグメント利益は45億39百万円(同27.0%増)でした。

2つ目は、公募増資による資金調達です。同社は2026年4月に新株式を発行し、株式の発行による収入は202億59百万円となりました。資金はGPUクラウド事業の設備投資に充てられ、総額69億円で「NVIDIA B300」42台の追加投資を決定しています。

3つ目は、インターネット広告・メディア事業の利益回復です。売上高は58億26百万円(同14.4%減)と減少しましたが、セグメント利益は3億83百万円(同476.4%増)となりました。配置転換などの組織再編の効果が利益面に表れたと説明されています。

4. 中間期が示す事業の実力

通期計画に対する進捗を整理します。会社の通期予想は売上高820億円、営業利益94億60百万円、経常利益91億円、当期純利益59億円で、2月に公表した予想から変更はありません。中間期の進捗率は売上高50.3%、営業利益50.4%、純利益52.3%となりました。

いずれの項目も中間期の目安である50%を上回っており、計画どおりに推移していると見られます。営業利益の通期予想は前期比+15.0%の増益ですが、中間期の実績は前年同期比+46.2%と計画を上回る伸びです。下半期にGPUの追加投資に伴う費用が増えることを見込んだ、慎重な計画である可能性も考えられます。

同社の収益の土台は、ドメインやサーバー、インターネット接続といった既存事業のストック収益です。インターネット接続事業では、「GMO とくとくBB」など自社商材の販売に注力し、販売ミックスの最適化による利益改善を進めています。この安定収益の上に、成長領域のGPUクラウドが上乗せされる構造と考えられます。

財政状態は大きく変化しました。中間期末の総資産は752億39百万円(前期末比237億10百万円増)、純資産は343億16百万円(同202億47百万円増)です。純資産を総資産で割った比率は約45.6%となり、前期末の約27.3%から大きく上昇しています。

5. 業界の注目ポイント

国内GPUクラウドの需要拡大

生成AIの開発では、大量のGPUを使った学習処理が欠かせません。推論の用途でも、応答速度やデータの取り扱いの観点から、国内で計算資源を確保したいという企業のニーズがあります。GPUサーバーは高価で調達にも時間がかかるため、クラウドとして利用できるサービスへの需要は高まっています。

同社は「GMO GPUクラウド」について、需要環境は好調だと説明しています。Turing株式会社との戦略的パートナーシップや、伊藤忠テクノソリューションズとの販売パートナー契約を通じて導入先を広げる方針です。多様な業界の顧客を獲得できれば、稼働率の維持と収益の安定化につながると考えられます。

設備投資型ビジネスの採算管理

GPUクラウドは、先に大きな設備投資を行い、利用料で回収していく事業です。稼働率が高ければ高い利益率を得られる一方、需要が想定を下回れば減価償却費が重荷になります。GPUは技術の進歩が速く、設備が陳腐化する前に投資を回収できるかどうかも重要です。

同社は増資で得た資金を活用し、総額69億円の追加投資を決めました。中間期の営業キャッシュ・フローは36億81百万円のプラスでしたが、投資活動では46億97百万円を支出しています。追加したGPUを早期に高い稼働率へ乗せられるかが、下半期以降の収益性を左右すると見られます。

広告主の内製化と広告代理事業の転換

インターネット広告市場が拡大する一方で、広告主が運用を自社で行う内製化の動きが広がっています。広告代理事業にとっては、市場の成長を取り込みにくくなる構造変化です。運用の代行だけでなく、ツールやノウハウを提供する形への転換が各社の課題となっています。

同社は、インフラ事業の顧客基盤に向けて集客支援サービスを提供する取り組みを進めています。AIを活用したWeb集客総合ツール「GMO AIかんたん集客」を通じて、ドメイン取得後の集客ニーズを支援し、ストック収益化を図る方針です。広告事業の売上が減少するなかで、インフラ事業との連携が新たな収益源になるかが注目されます。

6. ITトレンド編集部の考察

今回の中間期決算は、GPUクラウドの利益貢献が本格化し、大幅な増益を実現した内容でした。売上高412億79百万円(前年同期比+7.2%)に対し、営業利益は47億65百万円(同+46.2%)です。成長投資の成果が数字として表れ始めた決算と考えられます。

もうひとつの大きな変化は、公募増資によって財務基盤が厚くなったことです。純資産は343億16百万円へ増加し、GPUクラウドへの追加投資の原資も確保しました。東京証券取引所プライム市場の上場維持基準にもすべて適合したと説明されています。

留意したいのは、増資によって発行済株式数が増えている点です。利益が伸びても、1株当たりの利益の伸びは株式数の増加分だけ抑えられます。追加投資したGPUが早期に収益化し、株式数の増加を上回る利益成長を実現できるかが、株主にとっての焦点になると見られます。

通期予想に対する進捗率は営業利益50.4%と順調です。下半期は、追加のGPU投資に伴う費用の計上と、それを上回る売上の積み上げが同時に進むことになります。インフラ事業のストック収益とGPUクラウドの成長を両立できるかが、今期後半の評価を決めると考えられます。

7. まとめ

  • 2026年12月期中間期の売上高は412億79百万円(前年同期比+7.2%)、営業利益は47億65百万円(同+46.2%)
  • 経常利益は45億43百万円(同+39.5%)、親会社株主に帰属する中間純利益は30億88百万円(同+28.1%)
  • 営業利益率は11.5%で、前年同期の8.5%から3.0ポイント改善
  • インターネットインフラ事業は売上高358億85百万円(同12.2%増)、セグメント利益45億39百万円(同27.0%増)
  • インターネット広告・メディア事業は売上高58億26百万円(同14.4%減)、セグメント利益3億83百万円(同476.4%増)
  • 2026年4月に公募増資を実施し、GPUクラウドに総額69億円で「NVIDIA B300」42台の追加投資を決定
  • 総資産は752億39百万円、純資産は343億16百万円で、いずれも前期末から大きく増加
  • 通期予想は売上高820億円(前期比+4.4%)、営業利益94億60百万円(同+15.0%)、経常利益91億円(同+9.0%)、当期純利益59億円(同+6.1%)で、期初予想から変更なし
  • 通期予想に対する進捗率は売上高50.3%、営業利益50.4%、純利益52.3%

ITトレンド編集部

IT製品の比較サイト「ITトレンド」の編集部です。ITトレンドはイノベーションが2007年より運営している法人向けIT製品の比較・資料請求サイトで、累計訪問者数2,000万人以上、3,750製品以上を掲載しています。読者がIT製品・サービスを比較検討する際に役立つ情報や、システムを活用した社内の課題解決のヒントになる情報を日々発信しています。

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