スマホアプリ開発ツールとは?
スマホアプリ開発ツールとは、専門的なアプリ開発の知識がなくても、独自にスマートフォンアプリを作成できるITツールです。AndroidやiOSのアプリを、ノーコーディングで開発できます。テンプレートなどが事前に用意されており、素材を組み合わせることで作成可能です。また、各アプリストアへのリリース申請代行サービスや、収益化・集客のコンサルティングサービスがあわせて提供されることもあります。
スマホアプリ開発ツールの比較7選
スマホアプリ開発ツールにはさまざまな製品があります。テンプレートの種類や数、サポート体制などが製品によって異なるため、自社のニーズにあわせて選定することが大切です。ここでは7つの製品を比較していきましょう。
App Publisher
エンバーポイントホールディングス株式会社が提供している「App Publisher」は、パッケージ導入型よりもカスタマイズ性に優れ、フルスクラッチよりも安価で構築できる、両者の長所を兼ね備えたツールです。
CRMやMAと連携することで、ユーザーの属性や行動にあわせたアプローチが可能になります。公式サイトとの連携も可能で、アプリを通じて顧客との関係を深めたい場合に適しています。
価格 |
初期費用は要問合せ、月額費用300,000円 |
無料トライアル |
なし |
テンプレート数 |
要問合せ |
サポート体制 |
アプリ開発、立ち上げ支援、内製化支援など |
Monaca
アシアル株式会社が提供している「Monaca」は、JavaScriptとHTML5で、スマートフォンアプリを開発するツールです。
200以上の国で導入され、10万以上ものアプリが開発されてきました。スマホアプリだけでなく、デスクトップアプリやWebアプリも構築可能です。教育機関での導入実績も豊富で、中高生向けのプログラミング学習用ツールとして使われています。
価格 |
要問合せ |
無料トライアル |
なし |
テンプレート数 |
要問合せ |
サポート体制 |
ワークショップ、トレーニング、開発代行、技術検証、DevOps導入など |
Yappli
株式会社ヤプリが提供している「Yappli」は、継続率99%・導入実績600社以上の開発プラットフォームです。iOSとAndroidのネイティブアプリを作成できます。
優れた操作性とプレビュー機能により、直感的に使用可能。機能の実装やデザイン変更、ストアへの申請管理までワンストップで行え、実機確認ができる専用アプリまで提供されています。
価格 |
初期費用は要問合せ、月額費用39,800円~ |
無料トライアル |
あり |
テンプレート数 |
要問合せ |
サポート体制 |
オンラインサポート、活用支援、ディスク・通信の暗号化、各種セキュリティ対応など |
STORES ブランドアプリ
STORES 株式会社が提供している「STORES ブランドアプリ」は、飲食やアパレル、美容、公共交通機関などの業種に適したツールです。
ブランドアプリを作成し、顧客管理からマーケティングオートメーションまでをノーコーディングで実現します。豊富なUIテンプレートが用意され、自社やブランドのイメージにあうものを選ぶことで、ロイヤルティを高められます。
価格 |
要問合せ |
無料トライアル |
なし |
テンプレート数 |
要問合せ |
サポート体制 |
企画提案、運用支援、集客支援、カスタマーサクセス、サーバ運用など |
GMOおみせアプリ
GMOデジタルラボ株式会社が提供している「GMOおみせアプリ」は、導入社数2,900、導入店舗数8,800の実績を誇るツールです。飲食や小売、美容、アパレル、宿泊業などの店舗向けアプリを作成できます。ECサイトやPOSシステム、予約システムなど、店舗との連携に適した機能が豊富です。顧客データの分析機能にも優れ、顧客とのエンゲージメント強化を狙えます。
価格 |
初期費用は要問合せ、月額費用22,000円~ |
無料トライアル |
なし |
テンプレート数 |
要問合せ |
サポート体制 |
導入・運用支援、カスタマーサポート、カスタマーサクセスなど |
Platio
アステリア株式会社が提供している「Platio」は、自社で利用する、業務用アプリの作成ツールです。100種類以上のテンプレートを搭載し、その中から選ぶだけで誰でもアプリを開発できます。
営業や物流、店舗、宿泊、製造など多様な業界で導入可能です。アプリを作成したその日から、すぐに運用を始められます。
価格 |
初期費用0円、月額費用20,000円~ |
無料トライアル |
あり |
テンプレート数 |
100種類以上 |
サポート体制 |
技術サポート、運用に関するサポート、動作不良に関するサポートなど |
MGRe
メグリ株式会社が提供している「MGRe」は、アプリの開発から運用、さらにはマーケティングまでカバーするプラットフォームです。
シンプルなUIをベースに、ユーザー企業の課題にあわせてデザインや機能をカスタマイズできます。SNSやWebサイトに掲載した情報をアプリに取り込み、プッシュ通知やニュース配信に活用可能。セグメント機能も備え、顧客の属性や行動にあわせたアプローチを行えます。
価格 |
要問合せ |
無料トライアル |
なし |
テンプレート数 |
要問合せ |
サポート体制 |
導入支援、操作方法レクチャー、活用支援など |
スマホアプリ開発ツールの比較ポイントは?
製品によってそれぞれの特徴があるため、どのツールを選ぶべきか悩むことも多いでしょう。自社に適したツールを選ぶには、いくつか注目すべき比較ポイントがあります。3つ見ていきましょう。
必要な機能が搭載されているか
スマホアプリ開発ツールを導入することで、具体的にどのような目的を達成したいのでしょうか。目的によって必要な機能が異なり、それによって導入すべきスマホアプリ開発ツールも変わってきます。製品を比較する前に、ターゲットユーザーと、解決したい課題を明確にすることが大切です。
例えば、既存顧客との関係深化を図りたいのであれば、クーポン配布やキャンペーンを実施できるスマホアプリが必要でしょう。あるいは、経営判断の参考になるデータが欲しいのであれば、統計情報の収集や分析に秀でたアプリが必要です。今一度、目的を洗い出してみましょう。
操作性に優れているか
どれほど機能に優れ、大きな可能性を提供してくれる製品であっても、使いにくいのであれば意味がありません。扱いにくければ業務効率は低下し、社内定着しないおそれがあります。コストだけがかかってメリットを享受できないという事態は、何としても避けたいものです。
導入に失敗しないよう、導入前には無料トライアルなどを活用し、操作性を確認しておきましょう。実際の利用者が、システムに触れることをおすすめします。また、リリース後のことも考え、効率的にアプリを運用できるかどうかという観点からも、十分に検討しましょう。
料金体系は自社にあっているか
スマホアプリ開発ツールの料金体系は、ユーザー単位の課金と、アプリ単位の課金に大別されます。どちらがよいかは、自社での運用スタイルに左右されます。
例えば、担当者が1名だけで済むのなら、ユーザー単位の課金がよいでしょう。一方、複数人で利用することが前提の複雑なスマホアプリ開発ツールなら、アプリ単位の課金のほうがよいかもしれません。作成するアプリ数や利用者数などを事前に明確化し、料金のシミュレーションをしてみましょう。
スマホアプリ開発の現状
開発したアプリは、Google PlayやApple Storeで配信できます。有料アプリなら販売によって利益が上がり、無料アプリなら広告表示などによって収益を得られます。スマートフォンが登場したばかりの頃は、アプリは可能性に満ちた市場でした。
ところが、どれほど魅力的な市場もやがては飽和します。すでに無数のアプリが存在し、そこへ新たなアプリを作成・投入しても、ユーザーに注目されないかもしれません。競争は激化の一途をたどっており、ダウンロード数の増加は容易ではありません。
そこで、現在はダウンロード数を伸ばす段階から、ダウンロードさせたあとの収益化を重視する段階へと、ビジネスモデルがシフトしています。アプリ内で上手に課金を促すなど、「限られたダウンロード数でどうすれば収益を増やせるか」という視点が重要になりました。
参考:第1部 特集 IoT・ビッグデータ・AI~ネットワークとデータが創造する新たな価値~|総務省
アプリを開発するメリット
アプリの開発には費用がかかるうえ、市場の競争が激しいというデメリットがあります。しかし、成功すれば自社に大きなメリットをもたらしてくれるかもしれません。代表的なメリットを2つ紹介します。
自社アプリ:マーケティング戦略になる
アプリはユーザーと企業の貴重な接点です。適切に活用することで、企業の認知度を高めたり、ユーザーから購買意欲を引き出したりできます。アプリそのものから直接収益を得られなくても、マーケティング戦略的な価値を引き出せるのです。
例えば、アプリを介してクーポンの配布やキャンペーンの通知を行えます。あるいは、ポイントカードとしての機能をアプリに搭載し、店頭で提示してもらうといった使い方も可能です。こうしたサービスを提供すれば、ユーザーは継続的にアプリを使うようになります。
中長期的に関係を深められれば、やがては自社のファンになってくれるかもしれません。
有料アプリ:利益を上げられる
もちろん、アプリから直接利益を得る方法もあります。有料アプリが売れれば、その7割程度がアプリ開発者の収益となる仕組みです。
また、無料アプリでもアプリ内に広告を掲載することで、広告収益が得られます。1クリックにつき数円から数十円程度、インストールごとの報酬であれば1回につき数百円が支払われます。
スマホアプリ開発に必要な4つの環境
スマホアプリを開発するために必要なのは、スマホアプリ開発ツールだけではありません。事前に環境を整えておく必要があります。用意すべきものを4つ見ていきましょう。
1.Apple社製Mac(開発用パソコン)
開発用のPCには、Apple社製のMacが利用されます。iOS向けだけでなく、Android向けのアプリも開発可能です。
WindowsPCは、以前はiOSアプリを開発できませんでした。今ではAndroid向け・iOS向けともに開発できるようになりましたが、Macが使われるのが一般的です。業務用のPCとは別に、開発用のMacPCを用意しましょう。
2.Xcode(ソフトウェア)
iOSアプリ作成用のソフトウェアです。Apple社により、無償提供されています。アプリの構築から実機検証、デバッグまでカバーする統合開発環境をもちます。Macのユーザーであれば、Apple Storeから入手可能です。
3.Apple Developer Program(プログラム)
作ったiOSアプリを、Apple Storeで提供するためのプログラムです。年会費を支払うことで入会できます。退会すると、すでにアップロードしたアプリの提供も停止されるため、アプリを提供し続ける限りは会員である必要があります。
4.Android Studio(ソフトウェア)
iOS向けアプリを作成するのに必要なのがXcodeなのに対し、Android向けアプリの開発に必要なのがAndroid Studioです。公式サイトで無償提供されています。Windowsのみならず、Mac・LinuxのPCにもインストール可能です。
スマホアプリ開発ツールを導入する際は比較ポイントの確認を
スマホアプリ開発ツールを活用すれば、専門知識がなくてもスマホアプリを開発できます。アプリを販売して収益を上げるほか、マーケティングの一環として活用することも可能です。スマホアプリ開発ツールを導入する際は、以下の比較ポイントに留意しましょう。
- ・必要な機能が搭載されているか
- ・操作性に優れているか
- ・料金体系は自社にあっているか
以上を踏まえ、自社に最適な製品を導入しましょう。