スマホアプリ開発の基礎知識
アプリ開発と一口にいっても、開発するアプリの種類や扱うプログラミング言語はさまざまです。まずは、スマホアプリ開発の基礎知識について確認しておきましょう。
開発アプリの種類
開発アプリには、大きくわけて以下3つの種類があります。
- ■Webアプリ
- インターネット上のWebブラウザで動作するアプリ。Webサイトにアクセスするだけで使用でき、アプリをインストールする必要がないため、利用しやすいのがメリット。
- ■ネイティブアプリ
- App StoreやGoogle Playからインストールして使用するアプリ。プッシュ通知やカメラ、GPSなどのさまざまなスマホ機能を活用できるのがメリット。
- ■ハイブリットアプリ
- Webアプリとネイティブアプリの両方の要素をもつアプリ。ブラウザからでも利用でき、ネイティブアプリのようにアプリをダウンロードしての利用も可能。専用の開発環境や言語を習得する必要性が少なく、開発工数や開発費用を少なく済ませられるのがメリット。
開発言語の種類
開発するアプリの種類によって、使用するプログラミング言語も異なります。以下では、使用する主なプログラミング言語をアプリの種類別に紹介します。
- ■Webアプリ
- 「Ruby」「Java」「JavaScript」「Python」「PHP」「Go言語」など。
- ■iOSスマホアプリ
- 「Swift」「Object-C」など
- ■Androidスマホアプリ
- 「Java」「Kotlin」など
- ■ハイブリットアプリ
- 「HTML」「CSS」「JavaScrip」など
スマホアプリ開発に必要な環境
スマホアプリを開発するためには、事前に環境を整えておく必要があります。環境構築のために用意すべきものを4つ紹介します。
パソコン
アプリの開発にはパソコンが必要不可欠です。Androidアプリの開発であれば、MacやWindowsなど、OSはどれでも対応可能です。一方、iOSアプリ開発には、Apple社製のMacの利用が推奨されています。
Windowsのパソコンでも開発自体はできますが、iOSアプリはリリース時にmacOSを介する必要があります。そのため、iOSのアプリ開発を考えているのであれば、MacPCを用意するのがおすすめです。
Xcode(ソフトウェア)
iOSアプリ制作用のソフトウェアです。Apple社により、無償提供されています。アプリの構築から実機検証、デバッグまでカバーする統合開発環境をもちます。Macのユーザーであれば、Apple Storeから入手可能です。
Apple Developer Program(プログラム)
作ったiOSアプリを、Apple Storeで提供するためのプログラムです。年会費を支払うことで入会できます。退会すると、すでにアップロードしたアプリの提供も停止されるため、アプリを提供し続ける限りは会員である必要があります。
Android Studio(ソフトウェア)
iOS向けアプリを制作するのに必要なのがXcodeなのに対し、Android向けアプリの開発に必要なのがAndroid Studioです。公式サイトで無償提供されています。Windowsのみならず、Mac・LinuxのPCにもインストール可能です。
アプリを簡単に制作できるスマホアプリ開発ツールとは
スマホアプリ開発ツールとは、専門的なアプリ開発の知識や経験がなくても、簡単に独自のスマートフォンアプリを制作できるITツールです。AndroidやiOSのアプリを、ノーコーディングで開発できます。テンプレートなどが事前に用意されており、素材を組み合わせることで制作可能です。また、各アプリストアへのリリース申請代行サービスや、収益化・集客のコンサルティングサービスがあわせて提供されることもあります。
スマホアプリ開発ツールのメリット
スマホアプリ開発ツールを導入すると、どのようなメリットが得られるのか具体的に解説します。
アプリ開発の手間や時間を軽減
スマホアプリ開発ツールは、ドラッグ&ドロップなど簡単なマウス操作とテキスト入力のみでアプリを制作できるため、プログラミングなどの専門知識がない方でも簡単にスマホアプリを制作できます。
ツール内には、プッシュ通知やクーポン発行、動画の埋め込みなどスマホアプリに必要な機能を組み込んだ豊富なテンプレートが用意されており、アプリをゼロから構築する手間や時間の軽減が可能です。また、テンプレートをベースにカスタマイズすることもでき、デザインや機能の変更も簡単に行えます。
低コストで開発できる
スマホアプリ開発ツールの活用によって開発の手間や時間が軽減されると、システム開発費や人件費が削減でき、アプリを一から設計開発する場合と比べて、低コストで開発できます。
また、社内にアプリ開発の専門的なスキルをもった社員がいなくても、ITエンジニアへ高額な費用を払って開発を依頼したり、新たにエンジニアを採用したりする必要もありません。
販売促進を強化
自社オリジナルのアプリを活用すると、効果的な販促や集客が行えます。例えば、クーポン配信機能を組み込んだアプリを制作すると、ユーザーに特典を提供し、リピーターや新規顧客の獲得が期待できます。また、ポイントカードや会員制度をアプリ内で実施することで、利便性を向上させることが可能です。
さらに、アプリ内で収集したユーザーの行動や利用履歴などのデータを元に、ターゲットのニーズにあわせたマーケティング施策を展開することで、販売促進を強化できるでしょう。
スマホアプリ開発ツールの比較ポイント
製品によってそれぞれの特徴があるため、どのツールを選ぶべきか悩むことも多いでしょう。自社に適したツールを選ぶには、具体的にどのようなポイントに着目すればよいか解説します。
必要な機能が搭載されているか
まずは、スマホアプリ開発ツールの導入目的を明確にしましょう。目的によって必要な機能が異なり、導入すべきスマホアプリ開発ツールも変わってきます。製品を比較する前に、ターゲットユーザーと、解決したい課題を設定しておくことが大切です。
例えば、既存顧客との関係深化を図りたいのであれば、クーポン配布やキャンペーンを実施できるスマホアプリがおすすめです。また、経営判断の参考になるデータが欲しいのであれば、統計情報の収集やデータ分析に秀でたアプリが向いています。製品によって搭載されている機能に違いがあるため、自社の導入目的や解決したい課題を満たす機能が搭載されているかを確認しましょう。
操作性に優れているか
ツールの操作性は作業効率にも直結するため、重要な選定ポイントです。性能がよい製品であっても、扱いにくければ業務効率は低下し、社内定着しない恐れがあります。
ツールを選定する際は、直感的に操作できるかなどを確認し、ストレスフリーで利用できるアプリを選択しましょう。なお、操作のしやすさは実際に使用してみないとわからない部分もあるため、導入前に無料トライアルや無料プランのある製品で試しておくと安心です。
料金体系は自社にあっているか
スマホアプリ開発ツールの料金体系は、ユーザー単位の課金と、アプリ単位の課金の2種類があります。アプリ制作の担当者が1名だけで済む場合、ユーザー単位の課金がよいでしょう。一方、複数人で1つのアプリを制作することが前提の場合、アプリ単位の課金のほうがコストを抑えられます。制作するアプリ数や利用者数などを事前に明確化し、料金のシミュレーションをしてみましょう。
スマホアプリ開発ツールのタイプ
スマホアプリ開発ツールは、主に2つのタイプで分類できます。それぞれの特徴について説明します。
集客アプリの制作に特化したスマホアプリ開発ツール
集客アプリとは、集客を行うための店舗アプリのことです。会員証、スタンプカード、ポイントカードなどの機能を利用できます。また、クーポンやプッシュ通知機能などを組み込めば、販促強化にもつながります。
業務アプリの制作に特化したスマホアプリ開発ツール
業務アプリとは、業務を効率よく処理するためのアプリケーションのこと です。日次報告や点検報告、状況報告など、自社の業務に合ったモバイルアプリを簡単かつスピーディーに制作できるため、現場業務のデジタル化と効率化を実現します。
集客アプリの制作に特化したスマホアプリ開発ツール
まずは、集客・販促に役立つアプリの制作をしたい場合におすすめのスマホアプリ開発ツールを紹介します。気になる製品は、緑の「+資料請求リストに追加」ボタンでカート追加しておき、あとからまとめて資料請求ができるので、自社に適した製品選びにご活用ください。
《APPBOX》のPOINT
- 0から作るよりもスクラッチ開発で早期にアプリの提供が可能
- 他社開発の既存アプリも好みの機能を組み込んで更に進化できる
- アプリにモジュールを組み込むことで既存アプリの活用が可能
株式会社アイリッジが提供している「APPBOX」は、アプリ開発から運用まで総合的に支援するスマホ向けアプリ開発サービスです。会員証や店舗情報などの機能をはじめ、プッシュ通知やクーポン発行といったマーケティング施策機能など、販促・集客に役立つさまざまな機能が搭載されています。また、APPBOXはスクラッチ開発とパッケージの両方に対応しているのも魅力です。
提供形態 |
クラウド / パッケージソフト / SaaS |
参考価格 |
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対応機能 |
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※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
業務アプリの制作に特化したスマホアプリ開発ツール
ここでは、業務の効率化に役立つアプリを制作したい場合におすすめのスマホアプリ開発ツールを紹介します。
《Platio》のPOINT
- ノーコードで誰でも簡単に業務アプリ作成
- 初期費用ゼロ!月々2万円からの始めやすい価格感
- 現場に合った業務アプリをスピード導入
アステリア株式会社が提供している「Platio」は、自社の業務に合ったモバイルアプリをノーコードで簡単に作成できる、モバイルアプリ作成ツールです。100種以上のテンプレートから現場の業務にあったものを選択し、設定を行なうだけで業務アプリが完成します。作成したアプリは審査不要で、アプリを作ったその日から現場で利用可能なため、現場のデジタル化と業務プロセス改善をスピーディーに実現します。
提供形態 |
クラウド / パッケージソフト / SaaS |
参考価格 |
ー |
対応機能 |
ー |
※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
製品・サービスのPOINT
- ネイティブアプリに劣らない優れたレスポンス
- 共通言語による高い開発性・保守性
- 異なる機種の混在にも対応可能
株式会社オープンストリームが提供している「Biz/Browser(ハンディ・スマホ向け)」は、スマートフォン向けのハンディターミナルアプリ開発ツールです。業務システム専用のプラットフォームとして、およそ20年もの実績をもつBiz/Browserをベースとしており、操作性や開発・保守の行いやすさなどが優れています。共通のプログラミング言語であるCRSを用いているため、OS・デバイスに依存せずにアプリ開発が可能です。
提供形態 |
クラウド / SaaS / ASP |
参考価格 |
初期費用:40,000円~ 年額費用:6,000円~ |
対応機能 |
業務アプリ向け/店舗アプリ向け/マルチデバイス/OS対応 |
自社に最適なスマホアプリ開発ツールを導入しよう
スマホアプリ開発ツールを活用すれば、専門知識がなくてもスマホアプリの開発が可能です。自社アプリはマーケティングの一環として活用することも可能で、リピーターや新規顧客の獲得が期待できます。ただし、製品により搭載されている機能や特徴、料金形態が異なるため、複数製品の資料請求や無料トライアルを通じて比較・検討してみてください。
なお、ITトレンドではスマホアプリ開発ツールの一括資料請求が可能です。社内検討の際にも活用できる比較表作成特典もあるので、ぜひお役立てください。