メリット1 管理者の工数削減
コンフィグ管理の最大のメリットは、管理者の工数を大幅に削減できることです。
通常、ネットワーク機器の設定変更のためには、各機器にログインし、機器毎に設定変更を行う必要があります。そのため、すべての機器の設定変更を行うためには、機器の数だけの作業をしなければなりません。
ところが、コンフィグ管理を使うことにより、これらの設定を一括変更できるようになります。例えば、一斉にバージョン変更をするときにも、まとめてバージョン変更をできるので、設定変更がすぐに終わります。コンフィグ管理によって、管理者が設定変更のために行う工数を大幅に削減できるでしょう。
実際に工数削減につながるような具体例を3つご紹介しましょう。
ネットワーク機器のリプレイスが簡単
ネットワーク機器をリプレイスする、あるいは、追加購入すると初期設定に時間を取られます。しかし、コンフィグ管理は、自動で設定を収集、保存しており、保存内容を別の機器に適用できるので、初期設定の際にかかる時間は、保存している設定内容を適用する時間だけですみます。それによって、初期設定にかかる労力の節約ができます。
トラブル対応が早くなる
ネットワーク機器にトラブルが発生すると代替機を持っていくことで対処することは多いでしょう。代替機を元の機器と同じように使うために設定をしなければならないのですが、その設定のために時間を取られてしまいます。しかし、コンフィグ管理の設定適用機能を使うことで設定をすぐに実行でき、トラブル対応が早くなります。それによって、顧客の信頼感も増すでしょう。特に故障などによる緊急性の高い入れ替え作業においては、コンフィグ管理が非常に役立ちます。
バックアップの自動化
設定のバックアップ業務は、時間がかかる上に、業務に差し支えのない時間帯を選んで行わなければならないことも多いでしょう。そのため、月に一回程度行うことが通常ですが、コンフィグ管理を用いることで、バックアップを自動的に行うことができます。それにより、1日に一度バックアップをとることができたり、設定変更が起こったりするたびにバックアップをとったりすることができます。災害時などの、いざというときの対応が、素早く確実になります。
メリット2 人為的ミスの削減
ネットワーク機器では、小さなミスが大きなトラブルへと発展することが珍しくないです。しかし、ネットワーク機器の設定変更は、作業量が多い上に設定が煩雑です。そのため、人の手で行うとミスが生じることも多々あります。
コンフィグ管理ツールを用いることで、設定を一括変更ができるようになり、作業量が大幅に減るために、ミスも減ります。また、コンフィグ管理ツールにおける設定変更の方法は簡易化されているために、間違いが起こりにくくなっています。
設定変更が簡易化されていることによるメリットが他にもあります。ネットワーク機器の設定変更には、IT知識豊富な熟練したシステム担当者が行うことが多いのですが、コンフィグ管理では、設定を簡易化しているので、初心者でも設定変更が容易にできるようになります。そのため、属人的な管理を必要としません。
メリット3 コンプライアンスの強化
コンフィグ管理ツールは、設定を一括変更するだけではなく、設定の変更の監視もできます。設定変更を監視し、いつ/誰が/どのような変更を加えたのかという履歴を残すことで、有事の際に、履歴を確認することができるようになります。
ネットワーク機器の保守業務を、社外の業者が代行している時もあると思いますが、このような社外からの保守業務も監視することができます。
監視行為が、悪意をもった設定変更を行うことへの抑止力として働くので、社内のコンプライアンス強化につながります。さらに、運用ポリシーに反するような設定をできないようにするために、運用上問題が起こりうるような設定変更を未然に防止できます。
まとめ
コンフィグ管理の最大のメリットは、何よりも管理者の負担が軽くなることです。それによって、管理者はより重要な業務に集中できるようになるでしょう。社内にネットワーク機器が大量にあるというのであれば、コンフィグ管理の導入を検討してみてはいかがでしょうか。