法人携帯のメリット
法人携帯にある4つのメリットを紹介します。
通話料を削減できる
法人携帯を利用する最大のメリットは、通話料の削減です。特に、社内での電話は無料になり、社員同士のコミュニケーションに要するコストが大幅に減少します。
具体的な削減率はケースバイケースですが、個人で契約した場合と比べて8割ほど安くなることもあります。各キャリアが法人向けのプランを用意しているため、利用者数や利用時間などを踏まえ、自社にとってもっともお得なプランを選びましょう。
経理作業を効率化できる
従業員の個人携帯を業務にも流用している場合、経理作業が非常に煩雑になります。通話明細などを参照し、業務上の通話とそれ以外の通話を分けて費用を計算しなければなりません。毎月このような作業を行うのは、経理部門の従業員にとって大きな負担となるでしょう。
一方、法人携帯を契約すればコストを一元化できます。業務目的と私用の区別を行う必要はありません。業務効率が向上すると同時に、人為的ミスのリスクも低減できます。
セキュリティを強化できる
従業員の個人携帯を業務に流用させる場合、さまざまなセキュリティリスクが発生します。例えば、従業員が不適切なアプリを利用したことで、デバイス内に保存されていた企業機密情報が漏えいする可能性があります。また、従業員が携帯を紛失した場合、企業側がとれる手段は限られるうえに、デバイスが第三者の手に渡り、情報が漏れ出るリスクを回避できません。
これらのリスクも、法人携帯の利用によって低減します。企業側が従業員の業務用携帯を管理し、インストールするアプリやアクセスするサイトを制限できます。また、紛失時には遠隔操作でデータを消去するといった対処も可能です。
仕事に役立つ便利な機能を活用できる
法人携帯では、ビジネスシーンで活躍するさまざまな機能を利用できます。例えば、ビジネスチャット機能があれば従業員同士の気軽なやり取りが実現します。そのほか、スケジュール管理機能やタスク管理機能、勤怠管理機能なども便利です。
また情報はクラウド環境上に保存されるため、利用する場所を問いません。出張先からの経費精算や在宅業務からの日報など、働き方改革に寄与する機能も豊富に備わっています。
法人携帯のデメリット
続いて、法人携帯のデメリットを紹介します。
従業員のストレスにつながりやすい
法人携帯を従業員に貸与した場合、基本的に従業員はその携帯を休日にも管理することになります。これが従業員のストレスにつながることも少なくありません。せっかくの休日でも、仕事に縛られているような感覚に陥るのです。
特に、社員や取引先からメール・電話が来ると対応せねばならず、気が休まりません。十分な休息をとれず、仕事のパフォーマンスに影響する可能性も考えられます。ただし、このデメリットは従業員個人の携帯を業務に流用させる場合も同様です。むしろ、私用の携帯を業務に用いていると、仕事とプライベートの線引きができず大きなストレスになります。
法人携帯を従業員に貸与する場合は、休日には留守番電話設定をしておくなど、従業員のストレスを緩和するルールを作ることが大切です。顧客からメールがあった際も、休日には自動返信で別の窓口を案内するといった対処をとりましょう。
プライベートでも利用される可能性がある
業務目的で活用するように伝えて法人携帯を貸与しても、従業員が素直にそれに従うとは限りません。プライベートな目的で利用され、結果的に余計な通話料が発生するリスクがあります。また、不適切な使用によってセキュリティ上のリスクも生じかねません。
したがって、まず法人携帯の利用についてルールを定め、それを従業員に周知する必要があります。そして、従業員の法人携帯利用状況を管理できるITツールなどを用い、適切にコントロールしていきましょう。
法人携帯の導入手順
法人携帯を導入するには、具体的にどのような手順を踏む必要があるのでしょうか。
販売業者への問い合わせ・ヒアリング
はじめに販売業者へ問い合わせ、ヒアリングを受けましょう。現在の通信料や契約したい携帯の数、希望する機種などを伝え、見積を依頼します。その後、いくつかのプランから自社に最適なものを選び、契約締結へ移ります。契約の段階では複数の書類が必要になるため、事前に用意しておきましょう。
必要書類の用意・提出
法人携帯の契約に必要な書類は主に以下の3種類です。
法人の確認書類
申込者が法人であることを証明する書類です。法人印に加え、発行から3か月以内である以下のいずれか1点が求められます。
- ・登記簿謄本
- ・印鑑登録証明書
- ・現在(履歴)事項証明書
申し込みを行う人物に関する確認書類
契約するのは法人ですが、実際に手続きを行うのは従業員の1人です。まず、本人確認書類として以下のいずれか1点が求められます。
- ・運転免許証・登記簿謄本
- ・パスポート
- ・マイナンバーカード
- ・健康保険証と補助書類(公共料金領収書や住民票など)
続いて、在籍確認書類として以下のいずれか1点が求められます。
支払いに関する書類
支払い手続きを行うために、支払い方法に応じて以下の書類が求められます。
- ・クレジットカード払い:クレジットカード
- ・口座振替:預金通帳と金融機関届出印
メリット・デメリットを踏まえたうえで導入を検討しよう!
法人携帯には多くのメリットがあります。通話料を削減できるのはもちろん、個人用の携帯を業務に流用させるよりも、経理作業が少なく済みます。また、企業側が管理することでセキュリティ性を高められるほか、ビジネス向けの機能を活用できるのもメリットです。一方、従業員のストレスになったり、プライベートな目的で使われたりするデメリットもあります。デメリットには十分な対策を講じ、法人携帯を有効活用しましょう。