「AI Overviewに自社のページが引用されていた」。その確認は、いつの時点の話でしょうか。
法人向けIT製品約430カテゴリ・約1.7万クエリで、GoogleのAI Overview(AIO)の参照元を4週続けて記録しました(2026年10月7日・14日・19日・26日)。同じクエリを翌週もう一度調べると、前の週に引用されていたサイトの4割前後が参照元から消えていました。
引用は、一度取れば続く「順位」のようなものではありませんでした。毎週入れ替わる引用の中身を、数字で整理します。
1. 毎週4割が消え、ほぼ同じ数が新しく入る
当サイト(ITトレンド)が引用されたクエリを、翌週の同じクエリで追いかけました。


毎週2,300〜2,500件の引用が消え、ほぼ同じ数の引用が別のクエリで新しく生まれています。引用されている件数の合計だけを見ると、ほとんど動いていないように見えます。ところが中身は、毎週4割以上が入れ替わっています。
これは当サイトに限った話ではありません。主要な比較・レビューサイト4つとYouTubeで、翌週も引用が続いた割合を比べました(3組の合計。サイト名は伏せています)。


最も続きやすいサイトでも、翌週に残るのは6割弱です。半分前後が毎週入れ替わるのは、AIOの参照元全体に共通する性質だと言えます。
2. 4週続けて引用されたのは、1割強だけ
4回すべての計測でAIOが出た16,830クエリについて、当サイトが何回引用されたかを数えました。


一度でも引用されたクエリは10,690件ありました。そのうち4週連続で引用され続けたのは1,377件、12.9%です。残りの9割近くは、引用されたりされなかったりを繰り返していました。
ある週に1回だけ調べて「引用されている」と確認できても、それが翌週も続く保証はほとんどありません。
3. 引用が続いていても、3回に1回は別のページ
翌週も当サイトが引用されていたクエリについて、引用されたページが同じだったかも確かめました。同じページが続けて引用されたのは66.3%でした。
残りの33.7%は、同じクエリでも当サイトの別のページに差し替わっていました。サイトとしては引用が続いていても、どのページが根拠に選ばれるかは週ごとに変わっています。

ページ単位で引用を追っていると、「引用が外れた」と見えて、実はサイト内の別ページに移っているだけ、ということが起こります。
4. 続きやすい問い、続きにくい問い
入れ替わりの激しさは、問いによって違います。まず、Googleの検索順位との関係です(Search Consoleで当サイトの順位がわかるクエリ)。


検索で上位にいるほど、引用は続きます。1〜3位なら4回に3回は翌週も残りますが、11位以下では半分ほどです。
問いの種類でも差が出ます。


「どれを選ぶか」を聞く問いでは、引用は続きやすくなります。「どう使うか」「何が課題か」を聞く問いでは、翌週に6割が入れ替わります。
5. なぜ、これほど入れ替わるのか
AIOが参照元をどう選んでいるかは公開されていません。ただ、数字の出方からは3つのことが読み取れます。
①AIOは毎回、答えを作り直している
検索結果の順位は、ページの評価が大きく変わらない限りほぼ同じ並びを保ちます。一方のAIOは、検索のたびに回答を組み立て直し、そのつど根拠を選び直していると考えられます。同じクエリでも、根拠に選ばれるページが少しずつ変わるのはそのためです。今回の数字には、こうした回ごとのぶれも含まれています。
②根拠の候補が拮抗している問いほど揺れる
「使い方」「課題」「運用」のような問いには、ベンダーの解説、メディアの記事、動画など、似た水準の答えが数多くあります。候補が拮抗しているほど、どれが選ばれるかは回ごとに変わりやすくなります。
一方、「ランキング」「比較」のように製品を並べて答える問いでは、まとめて参照できるページが限られます。選び直しても同じページに戻ってきやすく、引用が続きます。
③検索の上位は、選び直しても残りやすい
Google 1〜3位のページが75%の割合で残るのは、AIOが根拠を選ぶとき、検索の上位から優先的に候補にしているためと考えられます。上位にいるページは毎回候補に入るので、選び直しても残りやすい。11位以下のページは候補の端にいるので、回によって入ったり外れたりします。
1回の計測で、判断していませんか
今回の数字をベンダーの立場に置き換えると、気をつけたいことは3つです。
- 1回の確認で「引用されている」と判断しない。 一度でも引用されたクエリのうち、4週続けて引用されたのは1割強でした。たまたま引用された週に確認しただけかもしれません
- 施策の効果を、1回の前後比較で判断しない。 何もしなくても毎週4割が入れ替わります。リライトの翌週に引用が増えても減っても、それが施策の効果とは限りません
- 「続いているか」を見る。 引用されたかどうかより、何週続けて引用されているか、どの問いで続いているかのほうが、立ち位置を正しく表します
AIOでの見え方は、1枚のスナップショットではなく、続けて記録した推移で見て初めて判断できます。
自社の引用、続いていますか
自社製品は、どの問いで継続して根拠になっているのか。どの問いで、引用されたりされなかったりを繰り返しているのか。それは、同じクエリを続けて記録しないとわかりません。
ITトレンドでは、AI Overviewの表出率・引用率を継続して計測し、毎月レポートする掲載メニューをご用意しています。対象クエリで自社製品がどの問いで根拠になっているか、それが続いているかを確認できるものです。1回の確認で終わらせず、推移で立ち位置をつかむところから始めてみてください。
レポート付き掲載メニューの詳細は資料請求から。

