Elastic Load Balancingとは
"ネットワークトラフィックが一部のサーバに集中しないよう、分散してアプリケーションの安定性を高める製品です。AWSで提供されている機能の1つであり、AWSの他サービスと組み合わせて利用できます。複数のロードバランサが用意されており、自社のニーズに合ったものを選べます。
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Elastic Load Balancingでできること
【強固なセキュリティ】
AWSが提供しているサービスの1つにVPC(Amazon Virtual Private Cloud)があります。これは論理的に分離された仮想ネットワークを使えるサービスです。VPCを利用すれば、Elastic Load Balancingに関係するセキュリティグループを作成・利用できます。任意のロードバランサをインターネットに接続したり、パブリックIPアドレスを使うことなくローカル環境上でのロードバランサを作ったりできます。
【高い可用性】
AWSが提供するサービスの1つであるAmazon EC2では、仮想環境上にサーバを構築できます。そして、Elastic Load Balancingを使うとAmazon EC2上のサーバ間でトラフィックを分散し、個々の負担を低減できます。受信するトラフィックに合わせて処理能力を自動的にスケーリングし、負担を適度な大きさに調節。ターゲットとなるサーバが正常に稼働しているか常にチェックし、安定稼働を実現します。
【高いスループット】
Webサイトなどのサービスを運営していると、何らかのきっかけでトラフィックが急増することがあります。Elastic Load Balancingはそのような状況にも対応できるように設計されています。1秒間に、数百万件にも上るリクエストに対処可能です。不安定で突発的なパターンにも対処します。
【ヘルスチェック】
サーバやコンテナ、IPアドレスなどのターゲットが正常に稼働しているかチェックする機能です。ロードバランサ内にある各ターゲットの状態をモニタリングできます。
【スティッキーセッション】
スティッキーセッションとは、セッションが継続している場合は、同一のクライアントから寄せられるリクエストを同一のサーバに送信する機能です。ECサイトのような動的なサイトの場合は、クライアント情報が分断されないよう同一のサーバにアクセスさせる必要があり、それを実現するためにこの機能が備わっています。
【ログ記録】
リクエスト数やエラー数、エラーのタイプといった記録を保存する、Amazon CloudWatch というサービスが提供されています。Elastic Load Balancingに限らず、AWS上のITサービス運用を監視できます。
Elastic Load Balancingの強み
Elastic Load Balancingでは4種類のロードバランサが提供されています。
◇Application Load Balancer
4種類のうち、もっとも高機能なロードバランサであり、特に理由がなければこの製品の利用が推奨されています。アプリケーション層(レイヤー7)で作動し、セキュリティを含め機能が充実しています。
◇Network Load Balancer
高いパフォーマンスが求められる場合に有効なロードバランサです。静的IPへの対応が必要な場合にも適しています。
◇Gateway Load Balancer
ファイアウォールや侵入検知システムなどの仮想アプライアンスをデプロイ・スケーリング・管理するサービスです。ゲートウェイとロードバランサを組み合わせたサービスで、仮想アプライアンスへのトラフィックを適切に分散します。
◇Classic Load Balancer
EC2-Classic ネットワーク上に作られたアプリケーションがある場合に使用する製品です。シリーズの中では古い製品であり、特に理由がなければ他の3種類から選択します。