DM発送代行サービスとは
DM発送代行サービスとは、企業が顧客や見込み客へ送付するダイレクトメール(DM)の印刷や封入、宛名印字、発送手配までの一連の業務を一部、または一括で請け負うサービスです。自社で行う場合に比べて、作業負担や人件費を削減できるうえ、大量発送にも対応しやすくなります。
近年では、マーケティング活動の効率化や業務の外注化が進み、専門業者に委託する企業が増えています。キャンペーンや新商品の告知、顧客へのフォロー施策など、確実に情報を届けたい場面で活用されるケースが多く、発送精度や納期管理を強みとするサービスが注目されています。
DM発送代行を利用するメリット
DM発送代行サービスを活用することで、コストや時間、品質の面で多くの利点を得られます。自社作業では難しい効率化や精度向上を実現し、マーケティング施策の効果を高められます。
大量発送時のコスト削減
印刷から封入、発送までの工程をまとめて外注すれば、大量処理による効率化で1件あたりの単価を安く抑えられます。 特に大量発送では、資材費や郵送料の割引も期待できます。結果として、同じ予算でより多くの顧客へアプローチできる可能性が高まります。
社内リソースの最適化
DM発送の準備には、宛名リストの作成や印刷、封入、仕分けなど多くの作業工程が必要です。これらを外注すれば、社内の作業時間や人員を大幅に削減できます。空いたリソースを営業や企画などのコア業務に集中させることで、全体的な生産性向上につながります。
小ロット・短納期にも対応する柔軟性
サービスによっては、数百通の小ロットから数万通規模まで柔軟に対応できます。急な販促企画や納期の短い案件でも、専門業者なら迅速な対応が可能です。この柔軟性により、機会損失を防ぎつつマーケティング施策を計画的に進められます。
印刷や発送の専門ノウハウ活用
DM発送代行業者は、デザインや印刷、封入、発送手配まで一貫した経験と知識を持っています。最適な紙質や印刷方式の選定、郵便規格に沿ったサイズ設定など、専門的なアドバイスが可能です。結果として、見栄えや到達率が向上し、施策の成果を最大化できます。
DM発送代行を利用する際の注意点
DM発送代行は効率化や品質向上に役立つ一方で、条件や運用方法によっては成果が下がるリスクもあります。事前に重要なポイントを確認しておけば、発注後のトラブルや無駄なコスト発生を防げます。
費用対効果を確認
発注前に、発送部数や作業工数、社内の人員状況などを踏まえて、自社対応と外注のどちらが効率的かを比較することが大切です。少部数や単発案件では、外注費用が割高になる場合があります。また、費用だけでなく、発送精度や納期短縮といった効果も含めて総合的に判断しましょう。複数社から見積もりを取り、条件ごとの違いを明確にしておくと安心です。
セキュリティ対策を確認
顧客リストは重要な個人情報を含むため、取り扱いにおける安全性は最優先です。契約前に、暗号化やアクセス制限などの情報管理体制を確認しましょう。プライバシーマークやISMSなどの認証を取得しているかも重要な判断基準です。加えて、万が一情報漏えいが発生した場合の対応や責任範囲を契約書に明記しておくとよいでしょう。
入稿ルールの適合性を確認
業者ごとに宛名リストやデザインデータの形式、入稿期限が異なります。自社の制作環境やワークフローと合わない場合、変換作業や追加費用が発生する可能性があります。また、特殊な加工や独自仕様のデザインを希望する場合は、対応可否を事前に確認しましょう。条件が合わない場合は、該当工程だけ自社対応に切り替える選択肢もあります。
DM発送代行サービスの選び方・比較ポイント
サービスを選ぶ際は、料金の安さだけでなく、対応範囲や実績、柔軟性など複数の観点から総合的に判断することが重要です。以下のポイントを比較し、自社の目的に最適な業者を選びましょう。
対応範囲
企画立案から印刷・発送までを一括で依頼できる業者もあれば、特定工程のみを請け負う業者もあります。全工程を外注すれば社内負担を大幅に軽減できますが、費用は高くなる傾向があります。逆に部分的に依頼すればコストを抑えつつ、自社の強みを活かせます。自社のリソース状況や目的に応じて、最適な対応範囲を選択しましょう。
自社に適した料金体系
基本料金や1通あたりの単価、オプション費用などは業者によって大きく異なります。発送部数やサービス内容によって、最適な料金体系は変わります。必要なサービスだけを選べる業者であれば、無駄なコストを削減できます。契約前に料金の内訳や適用条件を明確にし、自社の予算や目的に合う業者を選びましょう。
小ロット・短納期対応の有無
数百通程度の少量や、急な案件に対応できるかは重要な比較ポイントです。小ロット対応が可能であれば、テストマーケティングや限定キャンペーンにも活用できます。短納期対応が得意な業者なら、突発的な販促にも柔軟に対応可能です。希望するロットや納期を明示し、事前にスケジュールや追加費用の有無を確認しましょう。
DMの種類
封書やはがき、大判サイズなど、取り扱えるDMの形態は業者によって異なります。目的やデザインに合う形態を選べる業者であれば、訴求力を高められます。特殊加工やカラー印刷の対応可否も確認しましょう。企画段階で複数の形態を比較し、最も効果的な形式を選ぶことが成果向上につながります。
実績や特定業界への強み
同業界での取引実績や特定分野に強みのある業者は、ターゲットに響くDM制作のノウハウを持っています。デザインやコピーの提案力、成功事例の有無も判断材料になります。特に訴求力を重視する場合は、過去の制作事例を確認し、自社の目的に合った実績があるかを見極めましょう。
エリア・拠点の対応範囲
全国対応できる業者もあれば、特定地域に限定される場合もあります。拠点が近ければ打ち合わせや緊急対応がスムーズになりますが、広範囲に発送する場合は物流網の整備状況も重要です。自社の事業規模や顧客分布に応じて、最適な対応エリアを選びましょう。
おすすめのDM発送代行サービス紹介
ここでは、特徴や得意分野が異なるDM発送代行サービスを厳選して紹介します。料金体系や対応範囲、実績などを比較しながら、自社の目的や条件に合うサービスを選びましょう。
DM発送代行センター
株式会社メディアボックスが提供する「DM発送代行センター」は、専任担当制で複雑な封入パターンにも柔軟に対応するDM発送代行サービスです。発送前の見本送付や進捗報告が充実しており、米国NSA推奨基準に準じたデータ削除など高いセキュリティ体制も備えています。特殊仕様のDM発送を安全かつ丁寧に依頼したい企業におすすめです。
ゼンリンマーケティングソリューションズ株式会社のDM発送代行
株式会社ゼンリンマーケティングソリューションズが提供する「DM発送代行」は、デザイン作成から印刷・封入・発送までをトータルサポートするDM発送代行サービスです。不着物のデータ化や法人リスト提供など、次回の効果向上につながるサポートも可能です。コスト・品質・スピードをバランスよく求める企業に向いています。
セルマーケ
ディーエムソリューションズ株式会社が提供する「セルマーケ」は、印刷から発送までをWebで完結できるDM発送代行サービスです。宛名リストや印刷データのチェックを無料で行い、業界最安クラスの価格で依頼できます。発送代行のみや再注文にも対応し、低コストで手軽に発注したい企業に最適です。
NEXLINK オンデマンド印刷発送サービス
株式会社ネクスウェイが提供する「NEXLINK オンデマンド印刷発送サービス」は、1通から3万通まで最短当日印刷・発送に対応するDM発送代行サービスです。印刷から発送までは4ステップで完了するため、依頼は非常に簡単です。さらに、SalesforceなどのCRMとAPI連携すれば、依頼業務の自動化も可能になります。少量から大量まで柔軟に対応し、効率化を重視する企業に適しています。
ラクスル ダイレクトメール
ラクスル株式会社が提供する「ラクスル ダイレクトメール」は、Web発注で約30分から注文が完了するスピーディーなDM発送代行サービスです。企業リストの購入もできるため、自社で顧客リストの準備がない場合も利用できます。また、多様なテンプレートが用意されており、初心者の方でもデザイン作成が簡単に行えます。短納期かつ少部数のDMを実施したい中小企業におすすめです。
DM発送おまかせ便
株式会社ジャストコーポレーションが提供する「DM発送おまかせ便」は、累計取引60万社の実績と約7,000万通の発送実績を持つ、DM発送代行サービスです。一貫した自社内作業で高品質と短納期を実現し、最新機器と万全のセキュリティ体制も備えています。大規模で精度の高いDM発送を必要とする企業に向いています。
ダイレクトメール発送ONLINE
有限会社サードパーティーが提供する「ダイレクトメール発送ONLINE」は、印刷から発送までの一括対応や発送代行のみを選択できるDM発送代行サービスです。1,000万件超のリスト提供やSDGs対応素材の利用、専門スタッフによる手書き対応などさまざまなオプションがあります。品質やオプションにもこだわりたい企業におすすめです。
DM診断
株式会社シスクが提供する「DM診断」は、発送のみ・印刷から・デザインからなど、3つのプランから対応範囲を自由に選べるDM発送代行サービスです。リストチェックや差出日指定などオプションも豊富で、ニーズに合わせて柔軟に依頼できます。入稿データや宛名リストのファイル形式には指定がないので、今使っているファイル形式をそのまま使いたい中小企業にも適しています。
株式会社データセレクトのDM発送代行
株式会社データセレクトが提供する「DM発送代行」は、超大口発送に対応できる自社倉庫体制を備えた、DM発送代行サービスです。熟練スタッフによる手作業と厳重なチェック体制でミスを最大限減らしています。ISO27001やプライバシーマーク取得による高い機密性を確保し、大量の個人情報や高度機密情報を扱う企業に最適です。
DM発送代行を成功させるポイント
DM発送代行を効果的に活用するには、発注前の準備はもちろん、発注後の運用や検証も重要です。目的を明確にし、成果につながる工夫を取り入れることで、費用対効果を最大限に高められます。ここでは、DM発送代行を成功させるためのポイントを紹介します。
DM効果測定の準備
DMが相手に届いたのかや、効果があったのかを確かめるために、事前準備を行いましょう。以下は作成時に取り入れると便利な、DMの反応測定方法です。
- ■専用URLやQRコードの設置
- 問い合わせや申し込みの際に入力してもらうキャンペーンコードを設定すれば、反応の発生源を正確に把握できます。販促経路の効果を比較することで、効率的な予算配分が可能になります。
- ■専用電話番号の用意
- DMごとに異なる専用電話番号を設置し、着信件数を記録します。これにより、各DMの電話反響を明確に把握できます。
- ■クーポンや割引券の使用率
- DMに同封したクーポンや割引券の利用件数を計測することで、直接的な購買行動への影響を確認できます。実際の利用率を分析することで、特典内容や配布方法の改善に生かせます。
発送リストの精度向上
DMの成果は、正確な発送リストの作成から始まります。宛先情報に重複や誤りがあると、無駄な発送コストが発生し、効果も低下します。ターゲット層に確実に届くよう、住所や氏名の最新化、セグメント分けを行いましょう。CRMと連携できるサービスを活用すれば、過去の取引履歴や属性データをもとに高精度なリストを作成できます。
DMデザインやキャッチコピーの最適化
開封率や反応率を高めるためには、見た目やメッセージ性に工夫が必要です。まず、表面のデザインはパッと目を引く配色やレイアウトを意識しましょう。キャッチコピーは簡潔かつ具体的に、受け手の興味や行動を引き出す内容にします。写真やイラストの選定も訴求効果に大きく影響するため、ターゲット層に合わせたビジュアルを用いることが重要です。
効果測定と改善サイクルの実施
発送後は、反応データを収集・分析し、施策の効果を定量的に把握します。アクセス数や問い合わせ件数、クーポン利用率などの指標を活用すれば、どの要素が成果に結びついたかを明確にできます。分析結果をもとに改善案を立案し、次回施策へ反映させましょう。継続的にPDCAサイクルを回すことで、反応率や費用対効果を着実に向上させられます。
DM発送代行サービスの費用相場
DM発送代行サービスの費用は、DMの種類や部数、依頼する作業範囲によって大きく変わります。ここでは、はがきや封書などの形態別に相場を整理します。発送のみを想定した費用相場のため、フルサポートのプランやオプションが付く場合には、相場が大きく異なる点に注意が必要です。
- ■DM発送代行の費用相場
- ・はがきDM:45円~100円/通
- ・圧着はがきDM:50円~150円/通
- ・封書DM:70円~170円/通
【FAQ】DM発送代行に関してよくある質問
DM発送代行サービスの利用を検討する際、多くの企業が料金や納期、セキュリティ面などについて疑問を持ちます。ここでは、よくある質問とその回答をまとめ、サービス選びや導入判断の参考になる情報を紹介します。
- ■Q1:DM発送代行は何部から依頼できますか?
- サービスによっては1部から依頼可能です。ただし、1桁など極端に少ない場合は外注コストが割高になるため、自社で対応したほうが効率的なケースもあります。
- ■Q2:DM発送代行サービス利用の際に自社で準備するものを教えてください。
- 発送先の顧客リストが必要で、最低限「郵便番号・住所・氏名」がそろっていれば依頼できます。サービスによってはオプションで企業リストの購入もできるため、自社にリストがない場合にも利用可能です。
- ■Q3:未着物のリスト化も依頼できますか?
- 多くのDM発送代行サービスで未着物のリスト化に対応しています。ただし、標準サービスに含まれる場合とオプション料金が発生する場合があるため、契約前に確認しましょう。
まとめ
DM発送代行サービスは、印刷・封入・発送といった作業を専門業者に委託し、コスト削減や作業負担の軽減、品質向上を実現できるサービスです。選定時には、対応範囲や料金体系、ロット数や納期対応力、実績やセキュリティ体制などを比較することが重要です。
さらに、発送リストの精度向上やデザイン・コピーの最適化、効果測定と改善サイクルの実施により、費用対効果を高められます。自社の目的や予算に合ったサービスを選び、成果につながるDM発送代行サービスを活用しましょう。


