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PKI認証をクラウドで導入するには?できることやメリット、比較ポイントを解説

PKI認証をクラウドで導入するには?できることやメリット、比較ポイントを解説

クラウドサービスの利用拡大により、IDやパスワードだけではアクセス管理に不安を感じる企業が増えています。PKI認証をクラウドで導入すると、電子証明書を使って利用者や端末を確認し、認証基盤を管理しやすくできます。この記事では、クラウド型PKI認証でできること、メリット、比較ポイント、製品選びの注意点を解説します。

この記事は2026年5月時点の情報に基づいて編集しています。
目次

    クラウド型のPKI認証とは

    クラウド型PKI認証は、電子証明書を発行・検証する仕組みを、自社サーバではなくクラウドサービスとして利用する考え方です。まずはPKI認証の役割と、クラウド化で変わる運用範囲を整理しましょう。専門用語を細かく覚えるより、何を誰に証明する仕組みかを押さえることが大切です。

    電子証明書で正当性を確認

    PKI認証とは、公開鍵基盤を使い、利用者や端末、文書が正しい相手かを確認する仕組みです。認証局が電子証明書を発行し、公開鍵と所有者の関係を証明します。

    パスワードだけの認証と違い、証明書を持つ端末や利用者だけを通す設計にしやすい点が特徴です。電子署名やオンライン取引では、本人性や改ざん有無を確認する手段として使われます。

    参考:電子署名及び認証業務に関する法律(電子署名法)及び関係法令|デジタル庁

    クラウドで認証局を運用

    従来のPKI認証では、認証局や証明書配布の仕組みを自社で構築するケースがありました。クラウド型では、認証局機能や管理画面をサービスとして利用し、証明書の発行、更新、失効をWeb上で扱います。

    サーバ保守や冗長化の負担を抑えながら、複数拠点やリモートワーク環境へ認証ルールを展開しやすい点が、クラウド型の主な違いです。

    クラウド型が向く企業

    クラウド型は、拠点や端末が多く、証明書の発行と失効を一元化したい企業に向きます。リモートワークや外部パートナーの接続が多い場合、オンプレミスの認証局だけで運用すると配布や更新が煩雑になりがちです。

    既存のクラウドID管理と組みあわせたい企業にも適しています。

    オンプレミスとの違い

    オンプレミス型は、自社要件にあわせた細かな設計がしやすい一方、初期構築や運用に専門人材が必要です。クラウド型は、標準機能を活用して早期に始めやすく、運用をサービス提供事業者と分担できます。

    比較項目クラウド型オンプレミス型
    構築負荷サービスとして利用しやすく、初期設計を抑えやすいサーバや認証局の設計が必要になりやすい
    運用範囲証明書管理や基盤保守を分担しやすい基盤管理を自社で担う範囲が広い
    柔軟性標準機能にあわせて運用を設計する独自要件にあわせた設計を行いやすい

    クラウド型のPKI認証でできること

    クラウド型PKI認証は、電子証明書を発行するだけの仕組みではありません。利用者、端末、文書、顧客本人確認など、認証したい対象に応じて活用範囲が変わります。自社の目的に近い用途を確認しましょう。業務で使う場面を先に決めると、必要な機能を早めに絞り込みやすくなります。

    証明書の発行と失効管理

    利用者や端末ごとに電子証明書を発行し、更新期限や失効状態を管理できます。退職者や紛失端末に残った証明書を失効させることで、不正アクセスの入口を減らせます。

    クラウド型なら管理画面から対象を確認しやすく、情報システム部門が拠点ごとの配布状況を追いやすいでしょう。

    端末認証とアクセス制御

    社内システムやクラウドアプリへのログイン時に、IDやパスワードに加えて証明書を確認できます。会社が許可した端末だけから接続させる運用にすれば、私物端末や不明な端末からのアクセスを制限しやすくなります。

    VPNやゼロトラスト運用の一部として、PKI認証を組み込む企業もあります。

    メール署名と暗号化への活用

    電子証明書は、メールの送信者確認や暗号化にも使われます。なりすましメールのリスクを下げたい場合や、取引先へ送る文書の信頼性を高めたい場合に有効です。

    クラウド型で証明書をまとめて管理できれば、従業員のメール環境変更時も更新状況を追いやすくなります。

    公的個人認証との連携

    顧客向けサービスでは、マイナンバーカードの電子証明書を利用する公的個人認証サービスとの連携も選択肢です。デジタル庁は、同サービスがオンラインの本人確認や文書の改ざん確認に使われると説明しています。

    民間事業者の利用は2026年3月31日時点で1,204社とされ、口座開設やローン契約などで活用されています。

    参考:公的個人認証サービス(JPKI)|デジタル庁

    クラウド型のPKI認証のメリット

    クラウド型PKI認証の魅力は、専門性の高い証明書管理をサービスとして利用し、導入や運用の負担を抑えやすいことです。ただし、メリットは利用目的によって変わるため、自社の課題と結びつけて確認してください。運用面の効果を理解しておくと、社内説明もしやすくなり、検討が進みやすいでしょう。

    認証局運用の負担を抑えやすい

    メリットは、認証局や証明書管理の初期構築を軽くしやすい点です。自社でサーバを用意して可用性やバックアップを設計する場合、専門知識と運用工数が必要です。

    クラウド型なら、証明書の発行や更新、失効の管理機能をサービスとして利用できるため、少人数の情報システム部門でも運用を始めやすいでしょう。

    リモートワークに対応しやすい

    クラウド型PKI認証は、社外からクラウドアプリに接続する場面と相性があります。端末に証明書を配布し、許可済み端末からの接続を条件にすれば、場所に依存しないアクセス制御を設計できます。

    出社日数が少ない従業員や外部パートナーにも、一貫した認証ルールを適用しやすくなります。

    監査対応の証跡を残しやすい

    証明書の発行、失効、管理者操作の履歴を残せる製品なら、監査時の説明材料を整えやすくなります。誰が、いつ、どの証明書を扱ったかを確認できると、内部統制や取引先からのセキュリティ確認にも対応しやすいでしょう。

    証跡を手作業で集める負担を抑えられる点もメリットです。

    証明書の棚卸しがしやすい

    誰にどの証明書を発行し、どの端末で利用しているかを把握できると、棚卸しや監査対応が進めやすくなります。クラウド型の管理画面や出力機能を使えば、退職者、異動者、期限切れ候補を確認する作業を標準化できます。

    属人化した台帳管理から脱却したい企業に向くでしょう。


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    PKI認証クラウドを選ぶ際の比較ポイント

    クラウド型PKI認証は、製品ごとに対応できる用途や運用方法が異なります。導入後に「想定していた使い方ができない」とならないよう、証明書の用途、連携先、管理権限、事業者の信頼性を比較しましょう。比較表に落とし込む前に、社内要件をそろえることが大切です。早めに確認しましょう。

    証明書の用途を確認

    まず確認したいのは、証明書を何に使うかです。従業員の端末認証、メールの電子署名、社内システムのアクセス制御、顧客本人確認では、必要な機能が変わります。

    利用目的が曖昧なまま選ぶと、余分な設定や手動作業が増える恐れがあります。比較時は、次の項目を整理しておくと検討しやすくなるでしょう。

    比較項目確認する内容
    電子証明書の用途端末認証、利用者認証、電子署名、本人確認のどれに使うか
    発行と配布の方法一括登録、利用者申請、メール配布、管理者配布に対応するか
    失効と更新の管理期限通知、再発行、退職者や紛失端末の失効を管理できるか
    既存環境との連携ID管理、クラウドアプリ、VPN、社内システムと接続できるか
    監査対応操作ログ、発行履歴、承認履歴を確認できるか

    既存システムとの連携を見る

    まず確認したいのは、Microsoft Entra ID、クラウドアプリ、社内システム、VPNなど自社の認証経路に対応できるかです。証明書を発行できても、利用したい入口に組み込めなければ効果は限定的です。

    導入前にログイン経路を洗い出し、どこで証明書を確認するかを決めましょう。

    運用権限と承認フローを見る

    証明書発行を誰が申請し、誰が承認するかを確認しましょう。拠点管理者や部門管理者へ権限を委譲できると、大量配布時の負担を分散できます。

    一方で、権限が広がるほど誤発行リスクも増えるため、操作ログや承認履歴を確認できる製品が安心です。

    クラウド事業者の信頼性を見る

    PKI認証では、証明書や本人確認情報を扱うため、クラウド事業者の運用体制も重要です。IPAの手引きでは、クラウドサービス選定時に業務のセキュリティ要件に見合ったサービスを選ぶこと、事業者の信頼性やデータ保存先を確認することが示されています。

    契約前に関連する認証、サポート体制、障害時の通知方法を確認しましょう。

    参考:中小企業のためのクラウドサービス安全利用の手引き 説明資料|IPA 独立行政法人情報処理推進機構

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    自社にあうクラウド型PKI認証を見極めるポイント

    製品比較では、機能一覧だけでなく、自社の認証対象や運用体制にあうかを見極めることが重要です。従業員向けか顧客向けか、証明書をどう配布するか、失効や更新を誰が管理するかを具体化しましょう。候補製品の資料を読む前に、運用ルールを言語化しておくと判断しやすくなります。

    対象を従業員か顧客かで分ける

    従業員向けなら、端末認証やクラウドアプリへのアクセス制御が中心です。顧客向けなら、本人確認、契約、会員登録の流れに証明書を組み込む設計が重要です。

    対象が違うと、必要な証明書の種類、配布方法、本人確認の厳格さも変わります。まず利用者を明確にしてください。

    証明書の配布方法を決める

    証明書の配布は、メールで取得用リンクを送る、管理者が一括配布する、利用者がポータルから申請するなどの方式があります。従業員数が多い企業では、一括登録や自動連携の有無が運用負荷を左右します。

    スマートフォンやタブレットを使う現場では、端末ごとの設定手順も確認しましょう。

    失効と更新のルールを整える

    PKI認証の安全性は、発行後の管理で大きく変わります。退職、端末紛失、委託契約終了のタイミングで証明書を失効できないと、不要なアクセス経路が残ります。

    更新通知や失効作業を誰が実行するかまで決めておくと、導入後の混乱を防ぎやすいでしょう。

    費用と運用工数を比較する

    費用はライセンス数だけで判断せず、初期設定、連携開発、管理者教育、証明書の再発行対応まで含めて比較しましょう。価格が低くても、手動作業が多いと運用負荷が増える場合があります。

    総コストと社内工数をあわせて見ることが、自社にあう製品選びにつながります。

    製品選定の前には、社内で次の情報を整理するとベンダーへの相談がスムーズです。

    ■認証対象
    従業員、委託先、顧客、端末、文書など、証明書で確認したい対象
    ■利用環境
    クラウドアプリ、社内システム、VPN、メールなど、組み込みたい場所
    ■運用担当
    証明書の申請、承認、失効、棚卸しを担当する部門や担当者
    ■移行方針
    既存のID管理や端末管理と連携する範囲、段階導入の対象部署

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    クラウド型PKI認証を比較

    ITトレンドに掲載されているPKI認証製品を紹介します。クラウドで証明書管理を進めたいのか、顧客本人確認をオンライン化したいのかによって比較軸は変わります。製品ごとの対応範囲や連携方法を確認し、自社の用途にあう候補を選びましょう。導入後の運用体制も意識しましょう。

    マネージドPKI Lite byGMO

    GMOグローバルサイン株式会社
    《マネージドPKI Lite byGMO》のPOINT
    1. フィッシング耐性のあるパスワードレス認証を導入!
    2. 初期費用・専用サーバは不要!導入コストを削減
    3. 利用する環境に合わせた運用方法で証明書を発行・取得できる

    GMOグローバルサイン株式会社が提供する「マネージドPKI Lite byGMO」は、クラウド型の証明書発行や管理に対応したPKI認証サービスです。クライアント証明書を使ったアクセス認証や、証明書の申請、配布、更新、失効管理をまとめたい企業で検討しやすいでしょう。オンプレミスの認証局運用を軽くしたい場合にも、比較候補として確認しやすい製品です。

    TRUSTDOCKの公的個人認証サービス (株式会社TRUSTDOCK)

    製品・サービスのPOINT
    1. 国内唯一のオンライン本人確認eKYC専門会社
    2. 日本初の公的個人認証の本人確認アプリ
    3. ICチップで本人確認とマイナンバー取得が可能

    株式会社TRUSTDOCKが提供する「TRUSTDOCKの公的個人認証サービス」は、マイナンバーカードの電子証明書を活用した本人確認を支援するサービスです。金融、リユース、不動産、シェアリングエコノミーなど、オンライン登録時の本人確認を見直したい事業者に向いています。Webサービスやアプリとの連携を前提に、顧客の本人確認フローを整理したい企業で検討しやすいでしょう。


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    クラウド型のPKI認証に関するFAQ

    クラウド型PKI認証は、証明書や認証局など専門用語が多いため、導入前に疑問が残りやすい分野です。ここでは、比較検討時によく確認されるポイントを整理します。社内説明やベンダーへの質問準備に活用してください。疑問を整理してから相談すると、回答の比較もしやすくなります。

    Q:クラウド型PKI認証と多要素認証は同じですか
    同じではありません。多要素認証は、知識情報、所持情報、生体情報など複数の要素で本人確認を行う考え方です。PKI認証は、電子証明書を所持情報の一つとして使う仕組みです。製品によっては、多要素認証の一部としてPKI認証を組み込めます。
    Q:証明書を紛失した場合はどうなりますか
    紛失や端末故障が起きた場合は、対象の電子証明書を失効し、必要に応じて再発行します。失効が遅れると不要なアクセス経路が残るため、連絡窓口、承認者、再発行手順を事前に決めておくことが大切です。
    Q:スマートフォンにも使えますか
    スマートフォンやタブレットで利用できるかは、製品や利用するアプリ、端末管理の方式によって異なります。モバイル端末を前提にする場合は、対応OS、証明書の配布方法、紛失時の失効手順を確認しましょう。
    Q:公的個人認証は全企業で使えますか
    民間事業者でも利用を検討できますが、利用方法や委託先、法令要件の確認が必要です。自社で認定事業者になる方法だけでなく、認定事業者へ署名検証業務を委託する方法もあります。顧客向け本人確認で使う場合は、業務フローと個人情報の取り扱いを整理してください。
    Q:クラウド型にすれば鍵管理は不要ですか
    不要にはなりません。クラウド型では認証基盤の保守をサービス提供事業者と分担できますが、利用者側には発行対象の確認、秘密鍵を含む端末管理、管理者権限の統制が残ります。役割分担を契約前に確認しましょう。
    Q:既存のID管理と併用できますか
    併用できる場合があります。ID管理側で利用者を管理し、PKI認証側で端末や証明書を確認する構成にすると、利便性と認証強度のバランスを取りやすくなります。対応可否は連携先や認証方式で変わるため、検証環境で確認するのがおすすめです。
    Q:導入期間の目安はどう考えますか
    導入期間は、証明書の用途、対象人数、既存システムとの連携範囲で変わります。小規模な端末認証から始める場合と、顧客向け本人確認へ組み込む場合では必要な準備が異なります。比較時は、検証環境の有無や導入支援の範囲も確認しましょう。

    まとめ

    クラウド型PKI認証は、電子証明書を使って利用者や端末、顧客本人確認の信頼性を高める方法です。選定時は、用途、連携先、配布方法、失効管理、事業者の信頼性を比較しましょう。セキュリティ要件を社内で整理したうえで候補を比べると、導入後の運用イメージもつかみやすいでしょう。まずは複数社の資料で機能と支援範囲を見比べましょう。

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