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決算個社IT・インターネット2026年09月07日

【株式会社Mマート(証券コード:4380)徹底解説】2027年1月期 第1四半期──増収12.3%、営業利益率47.6%へ改善

【株式会社Mマート(証券コード:4380)徹底解説】2027年1月期 第1四半期──増収12.3%、営業利益率47.6%へ改善

株式会社Mマートは、「流通変革のためのインフラを創る」ことを使命に掲げ、飲食業界・宿泊業界・中食業界などを買い手とするインターネット上のオープンマーケットを運営する企業です。売り手企業と買い手企業をつなぐeマーケットプレイス事業の単一セグメントで事業を展開しています。収益は出店料、マーケット利用料、システム利用料などで構成されています。

2027年1月期 第1四半期の業績は、営業収益(売上高)3億76百万円(前年同期比+12.3%)と増収になりました。営業利益は1億79百万円(同+29.7%)、経常利益は1億82百万円(同+31.0%)と大幅な増益です。四半期純利益も1億21百万円(同+32.2%)となり、増収と利益率改善が同時に進みました。

詳しくは前回の記事もあわせてご覧ください。
株式会社Mマート(証券コード:4380)の決算解説

今期スタートを取り巻く市場環境

当第1四半期における世界経済は、中東地域を巡る地政学的リスクの高まりや各国の通商政策を巡る不透明感が続きました。原油価格や金融市場の変動に対する警戒感も高まり、先行き不透明な状況で推移しています。世界経済全体としては成長ペースの鈍化が見込まれる局面です。

国内経済では、雇用・所得環境が底堅く推移するなか、物価上昇の影響を受けつつも個人消費に持ち直しの動きが見られました。景気は緩やかな回復基調で推移しています。同社の主要顧客である飲食業界にとっては、需要面では追い風が吹いた四半期と言えます。

一方で飲食業界では、人件費の上昇や人手不足への対応に加え、食材価格や物流費、光熱費の高止まりが収益を圧迫しています。買い手企業・売り手企業ともに、収益力の向上や経営効率化による利益確保が重要な課題です。仕入コストを抑えたい買い手のニーズが、同社のマーケットプレイスの利用拡大につながっていると考えられます。

業績推移

詳しい数値は決算短信本文でも確認できます。
株式会社Mマート 2027年1月期 第1四半期決算短信(PDF)

2027年1月期第1四半期の営業収益は3億76百万円となり、前年同期の3億35百万円から+12.3%の増収でした。前期(2026年1月期)通期の営業収益13億63百万円に対し、順調な滑り出しです。運営サイトの総流通高は38億41百万円(前年同期比+14.1%)と、主に「Mマート」市場の伸びが貢献しました。

利益面では、営業費用(販売費及び一般管理費)が前年同期比+0.1%とほぼ横ばいにとどまりました。この結果、営業利益は1億79百万円(同+29.7%)、経常利益は1億82百万円(同+31.0%)、四半期純利益は1億21百万円(同+32.2%)と大幅な増益です。1株当たり四半期純利益(EPS)は24.77円でした。

利益率は営業利益率47.6%(前年同期比6.4ポイント増)、経常利益率48.3%(同6.9ポイント増)、純利益率32.1%(同4.8ポイント増)と、いずれも高い水準を維持しています。財政状態は、総資産32億95百万円、純資産21億33百万円、自己資本比率64.7%です。1株当たり純資産(BPS)は218.09円となりました。

直近決算の重要ポイント

今回の決算で最も注目すべき点は、営業費用をほぼ据え置いたまま増収を実現し、利益率を大きく押し上げたことです。営業収益が+12.3%伸びる一方で営業費用の増加は+0.1%にとどまり、増収分がほぼそのまま利益に落ちる構図となりました。営業利益率は47.6%と、前年同期から6.4ポイント改善しています。

収益の源泉である顧客基盤も拡大しました。買い手会員数は24万社を超え、当第1四半期末で242,337社(前期末比2,940社増、+1.2%)となっています。毎月約1千社の増加ペースが継続しており、今後の流通総額拡大を支える基盤として積み上がっています。

施策面では、第1四半期に実施した催事「クラッシュプライス」の流通総額が前年同時期開催比2.6倍の4,112万円と大幅に伸長しました。売り手・買い手双方から高い評価を得ており、定期開催の定着を進める方針です。財政状態では、総資産が前事業年度末比で1億98百万円増加しています。

今期の重点領域と収益構造

同社の収益モデルは、出店料収入(月額固定)と、マーケット利用料・システム利用料(取引高比例)の組み合わせです。固定収入が収益の下支えとなり、総流通高の増加が変動収入を押し上げる構造になっています。総流通高が+14.1%伸びたことが、そのまま営業収益の増加につながりました。

今期の重点領域として、人手不足が深刻化する飲食業界向けに、自動調理機の広告・販売サイト「自動調理機広告販売市場」の開設準備を進めています。同社が保有する約25万社の顧客基盤を活用し、飲食事業者には省人化・効率化につながる機器との接点を提供する構想です。自動調理機メーカーには効率的な販路拡大の機会を提供します。

さらにアライアンス事業「WSアライアンス」では、畜産・水産分野をはじめとする大手食品メーカー複数社との協議が進展しました。大手メーカーにとって中小の買い手企業は与信や口座開設が難しく、同社が販売・集金を代行することで新しい食材流通を開拓する枠組みです。7月にもオープンを予定しています。

業界の注目ポイント

飲食業界のコスト圧力が押し上げるBtoB調達のオンライン化

食材価格や物流費、光熱費の高止まりが続くなか、飲食事業者にとって仕入先の比較検討は日常的な経営課題になっています。従来は商圏内の卸業者との関係に依存していた調達が、オンラインマーケットプレイスを通じて全国規模で比較できるようになりつつあります。

この流れは、コスト圧力が強いほど加速する性質を持ちます。景気が良いときよりも厳しいときに利用が伸びる構造は、プラットフォーム事業者にとって景気変動への耐性につながると考えられます。

顧客基盤の規模が生む新規事業の展開余地

約25万社という顧客基盤は、それ自体が新しい事業を立ち上げる際の資産になります。自動調理機の販売サイト構想は、既存の食材流通とは異なる商材でありながら、同じ顧客に届けられる点で追加の獲得コストがほとんどかかりません。

プラットフォーム型のビジネスでは、こうした横展開が収益の伸びしろを決めます。既存事業とのシナジーを保ちながら扱う商材を広げられるかが、中期的な成長率を左右すると見られます。

与信・決済代行という流通のボトルネック

大手食品メーカーが中小の買い手企業と直接取引しにくい最大の理由は、与信管理や口座開設の負担にあります。この構造的なボトルネックを、プラットフォーム事業者が販売・集金の代行によって解消する動きが広がっています。

取引の仲介にとどまらず与信と決済を引き受けることで、プラットフォームの役割は情報提供から流通インフラへと変わります。同時に貸倒リスクを抱えることにもなるため、与信管理の精度が収益性を左右する要素になると考えられます。

ITトレンド編集部の考察

今回の第1四半期決算は、プラットフォーム事業の収益構造の強みが素直に表れた内容です。営業収益が+12.3%伸びるなかで営業費用の増加が+0.1%にとどまり、営業利益は+29.7%と大きく伸びました。取引量が増えても運営コストがほとんど増えない点が、この事業モデルの本質的な特徴と言えます。

注目したいのは、営業利益率47.6%という水準です。前年同期から6.4ポイント改善しており、規模拡大に伴う収益性の向上が続いています。買い手会員数が毎月約1千社のペースで増え続けていることを踏まえると、この改善余地はまだ残っていると考えられます。

一方で、通期予想は営業収益14億73百万円(前期比+8.4%)、営業利益6億89百万円(同+9.0%)と、第1四半期の伸び率を下回る計画です。自動調理機販売サイトやWSアライアンスといった新規領域への投資が下期にかけて本格化する可能性があります。新規事業の立ち上がりが利益率をどう変えるかが、今後の注目点になるでしょう。

まとめ

  • 2027年1月期第1四半期の営業収益は3億76百万円(前年同期比+12.3%)と増収
  • 営業利益は1億79百万円(同+29.7%)、経常利益は1億82百万円(同+31.0%)と大幅増益
  • 四半期純利益は1億21百万円(同+32.2%)、EPSは24.77円
  • 営業利益率は47.6%と前年同期比6.4ポイント改善、営業費用は+0.1%とほぼ横ばい
  • 買い手会員数は242,337社(前期末比+1.2%)、総流通高は38億41百万円(前年同期比+14.1%)
  • 総資産32億95百万円、純資産21億33百万円、自己資本比率64.7%、BPSは218.09円
  • 通期予想は営業収益14億73百万円(前期比+8.4%)、営業利益6億89百万円(同+9.0%)
  • 通期の経常利益予想は6億91百万円、純利益予想は4億56百万円(同+7.8%)、配当予想は26.0円

ITトレンド編集部

IT製品の比較サイト「ITトレンド」の編集部です。ITトレンドはイノベーションが2007年より運営している法人向けIT製品の比較・資料請求サイトで、累計訪問者数2,000万人以上、3,750製品以上を掲載しています。読者がIT製品・サービスを比較検討する際に役立つ情報や、システムを活用した社内の課題解決のヒントになる情報を日々発信しています。

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