「購買管理システム」の概要
購買管理とは?
購買管理とは、取引先から適正な資材を必要量だけ、必要な時期までに調達するための業務管理のことです。商業ではお客様から注文を受けて、仕入先に発注して調達します。製造業では生産計画に合わせて必要となる原料や部品を仕入れます。
企業によっては購買ポリシーや購買基本方針を策定し、それに即した発注から納品のプロセス、品質管理、適正な購買価格などが定められているところもあります。
ERP(統合基幹業務システム)の業務モジュールか、単独パッケージ
購買管理システムはこれら一連の購買業務を電子化し、支援する役割があります。ERPのモジュールとして、または単独のパッケージとして販売されています。それら主な機能には、購買先ごとの購買単価・掛け率の設定、見積り依頼、発注処理、受注処理、請求処理、購買予算と実績の比較、各種帳票の作成、データエクスポートなどがあります。
生産管理や販売管理と組み合わせて利用される
購買管理システム単独で独立して使われることはほとんどなく、他システムと連携して、一貫して電子処理します。
製造業では、生産管理システムと連携しています。生産管理システムから生産計画データを受け取り、必要とする原材料を指定の仕入先に発注します。仕入れた原材料は在庫管理システムに引き継がれます。
商業では、販売管理システムや在庫管理システムと連携します。備品や消耗品の購買においては、固定資産管理システムや資産管理システムと連携します。
購買管理の流れ
購買管理業務は
「購買計画」→「購買・見積り依頼」→「発注」→「入荷・検収」→「請求・支払い処理」
となります。

- ■購買計画
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お客様の受注や生産計画に基づいて、何を、いつまでに、どれだけ、いくらで購入するかの計画を立案します。
- ■購買・見積り依頼
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取引先に仕入を依頼します。併せて見積り依頼をすることもあります。購買ポリシーにより一定金額以上の購買においては、複数の取引先に相見積りを取ることが義務づけられていることもあります。
- ■発注
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仕入の決まった取引先に発注し、発注書を出力します。
- ■入荷・検収
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仕入先から発注した品が入荷されると、検収を行い、入庫処理を行います。検収書の帳票を出力する機能も用意されています。
- ■請求・支払い処理
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仕入先から送付された請求書と、入荷情報を突き合わせて、支払い情報を登録します。この後、出金処理へとデータが引き継がれます。
購買管理システム構築の目的
多くの企業は次を目的に購買管理システムを構築しています。
- ■全社物品調達の集中管理
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営業担当や工場の資材担当者がそれぞれに行っていた購入業務を1ヵ所から集中して行います。または、集中して管理できる仕組みを作り上げます。
- ■購買履歴の蓄積
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いつ・誰が・何を・どれだけ購入しているのかをデータベース化して、共有します。購入の健全性をチェックすることができるようになります。
- ■業務の効率化
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購買関する一連の業務をシステム化することで、効率化を期待できます。購買処理を統合することで人員配置の最適化を図ることができます。
- ■コスト削減
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まとめ買いや全社一括購入のため、値引き交渉がしやすくなります。また、相見積りのシステム化で最適価格での調達も可能となります。
- ■購買プロセスの見える化
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電子化することで、発注から支払いまでの業務プロセスと業務進捗状況を見える化することができます。過剰在庫や欠品、納品遅れや発注ミス防止の効果も期待できます。
- ■購買ポリシーの徹底
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属人化されていた購買の在り方を全社でルール化し、システム化することでその徹底を図ります。
購買業務の効率化はもちろん、コスト削減や購買ポリシー徹底などの効果をあげている導入企業が多くあります。購買業務のシステム化を検討しませんか?